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魔国の日常  作者: 盗賊
86/130

俺だって余裕ないのさ

 塔内

「って、なんでまた塔に入るのよ?」

「魔法陣は塔内にしかないんだよ」

「だからなんで魔法陣? 窓から出たんだから、そのまま外に行けばいいじゃない」

「疑似空間だよ」

「ハ?」

「あの外は、ちゃんと外じゃないんだ」

「えー」

「って、ことで魔法陣まで行かないといけないんだけど……」

 壁にもたれる盗賊。

「ごめん、俺もう無理。君だけでいって」ずるずる……

「そんなわけにいかないわよ! あんた助けに来たんだから!」

「……どうして来たの?」

「だーかーらー」

「どうして助けに来たの? 仕事って言ったのに」

「羽妖精がうんぬん……」

「あいつ、余計なことを……」

「しかも、勇者が責任を……」

「大丈夫っていっといてよ。俺逃げるの無理そうだし」

「バカなこと言ってないの!! あんたが案内しないと行けないし!」

「地図あげる。魔法陣の出現場所とかも調べたの、それもあげる。今回ので変わるかもしれないけど、あってもいいでしょ?」

「うーるーさーい。行くの! ほら立ってよ!」

「疲れた」

「子供じゃないんだから!!」

「足手まといは勘弁」

「立てこら盗賊!!」

「だんだん口が魔王に似て悪くなってきてないかい?」

「だいじょぶもとから」

「……それもそれで……」

「いたか!」

「そっちはどうだ!」

 ばたばたばた

「……盗賊、地図とにらめっこするより、案内されたほうが早いと思うんだけど」

「……だ―もう! わぁったよ!! こっち!!」

 魔法陣部屋

「何ここ?」

「出入口みたいなところかな。ここをこうしたら発動っと」

 しゅんっ……

「「!?」」

 囲まれた!

 コマンd……

「そういうのいいから!!」

「なんで……」

「魔法陣の出口を全部ここにしたんや。それでここで待っとったらいい、っちゅうわけやでぇ~」

「最悪!!」

「お前たち、やぁ~っておしまい!!」

「あらほらさっ……」「それ微妙にだめなんです!!」

「盗賊さがって!!」

「了解」

「“マシンガン”」

 ダダダダダダダダっ!!

「わぁ!!」

「ひるむな、いけぇ!!」

「たぁ!!」

 だだだだだだだだだだだだだだだだだっ!!

「くっ、らちあかない!!」

「スナイパー、乗って!!」

 銀の三メートルはありそうな大狼。

「え」

「乗れっての!!」

 ひょいっと器用に銜えて、背中に放り投げる。

「ひゃっ!? あんた盗賊!? 狼なんて乗ったことないわよ!?」

「伏せてしがみついときなさい!!」

 蹴散らしながら走り去る。

「ちょっと、こういうことできるならさっさとやりなさいよ!!」

「魔力が残り少なかったんだよ! 最小限の力で何とかしようと頑張ってたら遅くなったの!!」

「こののろま!!」

「しゃべってると舌噛むからね!!」

「いやー!!」


「す、すみませんえんじぇる様!!」

「今すぐ追います!!」

「……やめとき」

「な、なんでなんです!?」

「ええんや。もう放っておき」

「でもえんじぇる様!!」

「あと少しなら、仲間の下へ返してやりなさい。うちの魔法にも抗うほど、仲間思いやってんからなぁ……」

「よくわからないけど、分かったんです。追わないんです!」

「ほーかほーか」

「窓ガラス片付けてくるんでーすっ」

「よろしくなぁ」


 たったったっ……

「……」

「盗賊、追ってこないから、もうダイジョブじゃない?」

「……」

「盗賊?」

 た……ぴた

「……ごめん、スナイパー、降りてもらえる?」

「あ、うん、それはね?」

 ひょいっ

「……」

 どさっ

「え、ちょ、盗賊!?」

 倒れた狼は、一瞬光って、盗賊の姿に戻った。

「っ……」

「盗賊、ちょっと、大丈夫!?」

「く、はっ……」

「盗賊!?」

「ごめ、も、……動けない……や」

「それはいいから! だ、誰か呼ぶ! ちょっと待ってて!!」

「ごめん」

「“線光弾”」

 ぴかっ

「た、たぶん、これで、誰か来ると、思う……」

「あはは、不安だね……」

「肩貸すから、そこの森エリアまで行きましょう?」

「……小さくて……w」

「……くたばれ盗賊!」

「きゃっ、けが人なのにぃ~」

「笑ってるやつが何を言う!!」

『血だまりはすごいですけどね……』

「え、わっ!! 出血ヒド!!」

「あー、これくらいはダイジョブ」

「どこがダイジョブなのよぉ!! 普通だったら死んでるわよぉ!!」

「んー、俺はダイジョブ」

「どこ痛いの!?」

「んー、全身かなぁ」

「ホントにダメじゃん!!」

「えへへぇ~」

「引きずってでも、森エリアに行くから」

「ごめんねぇ。だいじょぶ。もう痛みも感じないから」

「ちょっとぉ!?」

「えへ……へ…………」

「盗賊? 盗賊ー!!」

 返事がないただのしかb

「勝手に殺さないでくれないか?」

「いきなり黙んないでよ!! びっくりしたじゃない」

「ごめん。じゃぁ、今から眠るわ」

「え」

「ごめんね。おやすみ」

「盗賊?」

「……」

「盗賊のばか、謎の人、どあほぉ!!」

「……」

「起きろこらー!!」

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