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魔国の日常  作者: 盗賊
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盗賊ー、助けに来たわよー?(byスナイパー)

 荒野・塔前

「……って、ここまで来たけど、これからどうしろっていうのよ……」

 ドアは無。見張り多少。魔方陣迷子。

「……策なし」

 近くの森エリアの茂みに身を隠すスナイパー。仕事着はちょうどいい保護色。

「くっ、何もなしに帰れないし……」

「そこで何をしてるっ」

「あ、やばっ」

 上級キノコ兵に見つかった。

 コマンド

 戦う

 逃げる

 道g

「いや、ここでファンタジーゲーム感出さなくていいから!!」

「おとなしくしろっ!!」

「誰がするかボケェ!!」ばんばんっ

「ぐっ」

「必殺麻酔銃よ!!」

『それは必殺というのでしょうか?』

「うるさい!!」

「ここに敵が!!」

 わらわら

「うぜぇ!!」

「わぁ!」

「やぁ!!」

「てやぁ!!」

 わらわら

「盗賊の魔法銃、使う時が来たわよぉ!」

 魔力の塊を打ち出す系。

「おっ、つかいやす~い」

「おわっ」

「あわあわ」

『簡単に混乱に陥る上級キノコ兵です。ミニだったら相当可愛い和む画です』

「ミニじゃないし、攻撃してんのあたしだからなごまねぇ……」

「えんじぇる様っ!!」

 ぴかっ

「眩しっ!!」

「えんじぇる様だ!!」

「えんじぇる様が助けにきてくださったぞ!!」

「目がぁ目がぁ!!」

『それどうなんでしょうね?』

「うっさい!!」


「うぅ、目がシパシパする……」

 視界を取り戻したときには……

「ここ何処!?」

 屋内のようだった。大きな廊下、砂色の壁。ところどころにドアや窓がある。そして今は……

「って、囲まれてるぅ!?」

 上級キノコ兵やら妖精さんやらで埋め尽くされている廊下。

「……ぴ、ピンチ☆」

「そうでもないよぉ?」

「あ……誰?」

「えんじぇる様やでぇ~!!」

「自分で様付とか……」

「うるさいでぇー」

「って、ここ何処!!」

「塔内やなぁ」

「よっしゃ潜入成功!」

「成功というか、見つかって捕まったというかぁ~」

「盗賊どこ!?」

「少しはこっちの話もやなぁ……」

「ちょっとピンク頭、話を聞くんです!!」

「誰がピンク頭だぁ!!」

「あなた以外にいないんです!!」

「う、うるさいわよ!!」

「えんじぇる様が直々に招いたんですっ話を聞きなさい!!」

「誰が敵の言うことなんか!!」

「なんです!?」

「何がよぉ!!」

「あー、これこれぇ、そんな喧嘩したらあかんでぇ~」

「ごめんなさいなんです!」

「ふーんだ」

「べーなんですっ」

『えんじぇる様はどっちかといいますとボケなので、私がツッコませていただきます。あんたら子供か!!』

「話戻すでぇ~」

『え、せっかくツッコんだのにスルーなんですか!?』

「お前さん、人間やろぉ? うちらの方につんかぁ? そしたらこのピンチ、ピンチでもなくなるでぇ」

「冗談! ヤダっての!」

「なんでやぁ?」

「魔王の方がいいやつだし! それに、ここから帰ったらゴスロリがあたしを待っている!!」きらきら!!

「……ご、ゴスロリぃ~?」

「違った! と、とにかく、行かないったら行かないの! しつこいわよ!!」

「それはこまったなぁ~」

「あ、そうなんです、えんじぇる様! あの人を使ってみたらどうなんです!?」

「あ、そらええわぁ~、前の仲間に説得されたら気がかわるかもしれへんなぁ」

「そうなんです!!」

「ちょ、それ盗賊のこと!?」

「はぁい、何か?」

 盗賊が手をひらひらと振りながら出てくる。

 男ver。ロングポニーテールに、黒のノースリーブフード付きの服に、ズボン、色々なところに包帯が巻かれている。そして

「目が赤い!!」

 瞳が血のような赤。

「そうやでぇ。残念なことにうちの操る魔法は完全やのぅて、こういうところにでてしまうんやぁ~」

「完全に盗賊は染まったんですっ、ということは、あたしたちの仲間なんです!!」

『そういえばそんな設定ありましたね……』

「死にさらせ盗賊ぅ!!」

「え、ちょっと!?」

 前に出てきた盗賊に、思い切り膝蹴りを食らわそうとするスナイパー。

「あっぶないなぁ、けが人に何するの?」

 結構ギリギリに避ける盗賊。

「取り押さえぇ!!」

「「はいっ」」

「放せー!!」

「このじゃじゃ馬ちゃんが……」

「しょうがないなぁ、元仲間の手にかかったほうが幸せやろ……盗賊、やってしまえぇ~」

「はいはい」

「ちょっとバカ盗賊、あたしになんかしたら、とりあえず魔王が怒るんだから!!」

「……そうだね。でもさ、わりと本気で忘れてる時あるけどね……」

「……こっち来い盗賊、とりあえずぶんなぐる」

「きゃっ、こわーい」

「……」

「ねぇ、キノコちゃんたち、ちょっと退いてくれない?」

「……」

「退いて?」

「はい……」

 盗賊、スナイパーを後ろから動けないように片手で押さえる。

「放せボケ!!」

「動かないの」

 ナイフをほっぺにぺたぺたする。

「凶器をペタペタなんてかわいい効果音つかってあらわすな」

「そうかな?」

「当たり前よ!!」

「ふふふっ」

 スナイパーの目の前にナイフをずらす。

「盗賊、あんまいたぶるのはいかんでぇ~」

「少しくらいいじめるのが好みなんです」

「趣味悪いわぁ~」

「そうですか?」

 ナイフをちらちら。

「ん?」

“窓割れる?”

「?」

 盗賊を見上げると、一瞬瞳が翡翠に揺らいで、赤に戻る。

 ……こくり

「ねぇ、スナイパー、んじゃ、いーちにーさんっ、で、やったげる?」

「へっ、やれるもんならやってみなさいよ!」

「んじゃ、いーちにーい、さんっ」

 バリンッ!!

「な、なんや!?」

「盗賊、そいつ逃げる気なんです! 早くたおし……」

「はーいわかりましたぁ、なんて、言うとでも思ってますか?」

「ハ!?」

「盗賊、裏切るんかぁ!?」

「裏切るも何も、あなたのお仲間になった覚えはないんですよ、このBBA!!」

「な、誰がババアじゃ!! まだぴっちぴちやでぇ!!」

「いや、無理ありすぎでしょ!!」

「スナイパー、しっかりつかまってなさい!!」

「分かったわよ!! ……って、もしかして!?」

「あんましゃべると舌噛むかもしれませんよ!!」

 割れた窓から外へ、

「いやーーー!!」

「後で覚えておいてください。やられたらやり返す。十倍返しですよ!!」

 ダイブ!!

「待てぇ盗賊、それ微妙にあかーん!!」

「あははっ」

「おーちーるー!!」

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