ダイイングメッセージとかじゃないでしょうね?
盗賊さん、これからどうなるんでしょうね? 血が流れますよ~? いや、流れましたよぉ~? 前回は効果音だけでしたし、今回はすこぉし流血した表現が入ってます。
「なんでこんなことしたんや? トアル王のイヌのお前さんには、自分の首絞めるような行動やろぉ?」
「それでも、勇者を守る、それは譲れない……、それに、あんたやトアル王より、魔王の方がよっぽど……っ!!」
「ほぅか。まぁ、勇者に手ぇ出したんは、こっちのミスや。それについては、ホンマ申し訳なかったわぁ……」
「……」
「でも、これからは仲間や? 怪我の手当てもしたるから、ゆっくりしてなぁ」
「……御意に。えんじぇる様」
『前回の話と同日。日が暮れてかなりたつくらいの頃』
「なんで! 盗賊っ!!」
「勇者、落着け!」
「落ち着いてなんかいられるか、魔王!! まだ盗賊が帰ってこないんだぞ!? さっと撒いて帰ってくればいいはずなのに!! ……まさか、し……」
「そんなはずないだろ!? あの盗賊だぞ? 謎の人。騎士団で一二を争う騎Cと遊べるくらいなんだぞ?」
「そうそう。俺だって結構強いと思ってたのに、余裕で躱されちゃうくらいなんだよぉ?」
「……」
「……ダイジョブだって。あいつなら何でもアリなんだからな?」
「でも、私、私のせいで……っ」
「よしよし、勇者、お前のせいなんかじゃないし、あいつならケロッとして帰ってくるって」
「明日朝一であの辺見て来てあげるから、ね? 勇者は休んで?」
「……うん……」
『早朝、昨日の魔方陣付近』
「……この辺かなぁ? もう少しあっちか?」
『騎Cは一人で、勇者に見つからないようにこっそり野営地を抜け出してきました』
「……」
森を抜けて、砂を踏む。
「?」
離れたところに、光るもの。
「……っ」
光る物の周りに広がる、黒ずんだ赤……
「これじゃ、勇者になんて言えばいいのさ、盗賊さん……?」
落ちていた光るものは勇者の剣と、盗賊の短剣。
広がっていた赤は、血。人間の、血……。
魔王軍野営地
「騎C!!」
「わっ、勇者、起きてたのぉ~?」
「盗賊は!? いたか!?」
「……」
血がどこかへ延びていたのなら、そこを探しただろうが、血は飛び散っているだけで、溜まっているだけで、その血の持ち主が、どこかへ歩いた形跡なんてものはなかった。
「なんで返事しないんだ!?」
「勇者、騎Cに詰め寄っても仕方ないだろ?」
「そ、そうだな、すまない……」
「別にそれはいいんだけどぉ」
「……何もってんだ騎C?」
「……」
無言で差し出す剣と短剣。
「これは私の? と、盗賊の……」
「これだけ落ちてた」
血だまりに落ちていたので、ちゃんと洗って綺麗にしてある。あのまま差し出すのはだめだと思った騎C。
「……」
「ん? ちょっとそれ見せろ」
「魔王?」
「いいから」
盗賊の短剣を手にとって日にすかしたり、指でなぞったりする。
「何してるんだ?」「何してるんです?」
「ん~……」
手に火を出現させて、短剣を炙る。
「なんか、燃やせって呼ばれてる気がするんだよな……」
「……電波?」
「おい、給料下げるぞ」
「あはっ、こわいですぅ~」
「遊んでいるな!」
「はいはい……お、もういんじゃね?」
熱された短剣を見ると、赤い文字が浮き出ていた。
「ダイイングメッセージとかじゃないですよね!? そんな手の込んだことして!!」
「不吉なこと言うなぁ!!」
「あー、読むぞぉ?」
“心配、不必要
少し、仕事?”
「「「……」」」
……
「何が仕事だぁ!!」
「心配して損したわぁ!!」
思い切り短剣を地面に叩き付ける魔王。
「もういいぜ、あんな奴ほっとこう!!」
「そうだな! 私の不安を返せ!!」
天幕に戻っていく魔王と勇者。
「……おかしいな」
『何がですか?』
「あの出血量じゃ、今すぐバンバン動けるようなものじゃないし、それに、退けたにしても、倒したにしても、相手の血とか、肉片とか落ちてないとおかしいでしょう?」
『それもそうですね……』
「そうとうやられるだけの展開だったと思うんだけど、どうなの? 君は何か知ってる? ねぇ、羽妖精?」
『!?』




