とうとう戦いです……
多少、殺、人? ではないですね。殺キノコ? 要素がありますが、血は流れません。
嫌な人はご注意を。
「……始まりましたね」
「そうだな」
机の上に水晶玉。そこに映る戦の景色。
「いきなり出てきたな、ホント……」
「はい、ノーモーションから、ですね……これは予測するのは難しいでしょう」
「ちっ」
「……」
「魔王、だいじょぶ?」
「……俺は何もできねぇのか?」
「……じゃぁ、協力して?」
「なんだ?」
「魔方陣に魔力こめて。結界に使う。それと、防御としても使える護符でも作ってみる?」
「やるやる」
「ちゃんと目は放さないでくださいよ?」
「わかってる」
「……キノコだね」
「そうだな」
「……これ食糧にできないかな……」
「……妖精、食うのか?」
「妖精の前にキノコだよ? うん、キノコ……?」
考え込む盗賊。
「どうした?」
「ん? いや、いいだし出そうと思ってね……」
「……」
「乾燥しないとだしはあまり出ないのでは?」
「そうですね」
「……いや、何の話してんだよ?」
荒野、森エリア。
「うーん、あんまり楽しくないっ、けど、暇つぶし程度にはなるかなぁ!?」
キノコを片っ端から切り裂く騎C。
「隊長、お願いですから突っ走らないで!」
「後ろがついてこれません!!」
「勝手にすればいいじゃん! 俺はただ殺すだけだよぉ!!」
「ホントにお前は隊長か!?」
「隊長だよ? 勇者よりは頼りになる、さぁ!!」
「くっ、まともに反論できないのが悔しい!!」
「あははっ、自覚あるのはいいことだよぉ!!」
「隊長、森から出ましょう!」
「あいつらここじゃぁ、いつまででも出てきます!!」
切られたやつから胞子が飛び、木に付着し、そこから新たなキノコが生えてくる。
「エンドレス!?」
「……ねぇ、これホントに生きてるの?」
「どういう意味だ?」
「ん~、だってさぁ、感情がある気がしない」
「ハぁ?」
「人形みたいっていうかさぁ……」
「だがちゃんと考えて行動してないか?」
「そうかもしれないけどぉ……勇者しゃがんで!」
「ウワっ!?」
勇者の頭上を騎Cの剣が通過する。少し斬られたのか、勇者の金髪が散った。
「きゅいっ!!」
キノコが悲鳴を上げ地面に落ちる。
「あ、たすかっ……」
「つぎ来るよ? 油断しないで!!」
「すまんっ!!」
『どもー最近ホントにナレーターになってるナレーさんです』
「いきなりなんだ!?」
『盗賊さんから伝言ですよぉ~』
「ハ?」
『キノコ一体持って帰ってきてほしいそうですぅ。いえ、一体でなくともいいんですが、最低一体だそうです』
「そんな余裕……」
「おっきぃのがいい~?」
『どっちでもいいそうですけど』
「んじゃ、これでいっか」
「ぎゅっ」
ちょうど飛んできたキノコを、串刺しにして、にっこり笑った。
「生け捕りの方がよかった?」
『い、いいんじゃないでしょうか?』
「そっか。んじゃ、これでぇ~」
蔦を切り取って、縄代わりに、背中にキノコを括り付ける。結構おっきい。
「……マジか……」
「ん? どうした勇者?」
「も、なんでもない……」
「んじゃ、先進むよぉ~♪ さっさと進んでぱっぱと塔に行こう♪」
「楽しそうだな……」
「そうですね……」
「生き生きしてますね……」
「「はぁ……」」
「お前たちも大変だな?」
「いえ、俺らも結構」
「楽しんでますから」
部下一・二の顔にもにやりと笑顔が……
「そ、そうなのか……」
『騎C隊は好戦的なんですね』
「そうじゃないとあの隊長の下でなんてやってけませんからねぇ?」
「でもまぁ、他の人たちが付いてこられないと意味ないですから?」
「「だから隊長、突っ走らないでって言ってるじゃないですか!!」」
「えぇー……」
「……」
『部下一・二さんがちゃんと常識人、適当に真面目な人で安心の勇者でありました……』




