招待状
関西弁っぽいものが出ますが、ただのキャラ付のようなものなので、そういうのが嫌な人は注意してください。作者はそういうの詳しくないです。適当です。なので、間違ってても、そういうキャラ付ってことで納得してください……。
魔王城執務室。
「魔王ー、いるー?」
「なんだー? 今からきゅうけ……」「客―!!」
「……休憩が……」
「なんでも重要な情報配達らしいわよ?」
「ハ?」
「非公式で謁見? お願いって?」
「……分かった……」
『少し後……』
「えーっと、こんにちは? あの、平民なんで、あんまり作法とか……ちょっと大目に見てもらえると助かるんですが……」
頭をかいて居心地悪そうにするパスタ屋マスター。
「ああ、そういうのは気にしなくてもいいぞ。それで、何の話だ?」
「えっと、とりあえず、渡す前に少し話を」
「ああ」
「この手紙を、ですね、俺はあるやつから渡されました。そいつは、もっとよくわからないやつに渡されたそうですが、詳しくは知りません。それで、あるやつは事情があってここに来れないので俺が来ました」
『パスタ屋さん、敬語グダグダですね……』
「うっせ」
「その手紙、そんなわけわからん入手経路なのか?」
「ええ、まぁ……」
「そんな危なげなもんよく普通に持ってこれたわね……」
「しょうがねぇだろちみっこ。俺だっていろいろあるんだよ……」
「ちみっこ、お前ちみっこって呼ばれてんのかw」
「うるさいわね魔王!!」
「!?」
「何よマスター?」
「え、いや……」
「ん? ああ、大丈夫。これで普通だから」
「……」
「ああ、普通に接してくれてかまわねぇよ? てか、そっちのが助かる。めんどくせぇし」
「……マジか?」
「「まじまじ」」
「んじゃ、やめだやめ。敬語なんて使いづれぇし」
「おお、それでこそマスター」
「おーよ」
「んで、なんだって?」
「手紙が謎の人……って、なんか盗賊みたいだけど、違うわよね?」
「あいつだったらもっと派手にばれずにやるからちげぇな」
「あ、そっか。んで、謎の人からあんたの知り合い経由で今ここに?」
「一応調べてみたんだが、何も見えなかったらしい。封印とかそういう系の魔法が何重にもかかってるって。開けようとしても多分、弾かれるんじゃねぇか?」
「弾かれる? んじゃ、どうやって開けるんだ?」
「それは、受取人しか開けらんねぇ仕組みなんだと思う」
真っ白な封筒。封蝋に押された印には一対の天使の羽。
「差出人もなし。宛先も書いてねぇんだが」
「でも相手が直接そういう風に言ってきたんだから、陛下当てなのは確かだ」
「直接?」
「俺が渡された相手は嘘をいえねぇ体質だからよ」
「どんな体質だそれ……」
「ま、そういうことだ」
「爆発したりしないわよねぇ……? だったらあたし逃げるから」
「知らねぇけど、読んでくれないと意味がない、って言われたらしい」
「怪しすぎるなぁ……」
「でも魔王が開けないとどうしようもないんでしょ? だったらさっさと開けなさいよ」
「……そんなに遠くに離れたところで何言ってる? お前、上司を危険にさらしたまま逃げる気満々かよ!!」
「うるさいわね! あたしは命あってこそ主義なのよ! モーブみたいにあんたのために命なんてかけてらんないわ!」
「なんて薄情な部下だこのやろー!!」
「うるさーい!!」
「……ちみっこ、ガッツあるなぁ……」
『まあ、普通だったら一国の王にこんな口のきき方しませんよねぇ……しかも部下だし』
「ああ……」
「まぁ、とりあえず、開けるぞ」
封は簡単に外れた。中には二つ折りにされた白い紙が。
「ひ、開くぞ……?」
「「……ごくっ」」
パシッぽんっ
「「「!?」」」
開いた紙には魔方陣が一つ書かれていた。開けた瞬間電気のようなものがはしり、軽い音を立てて魔法が発動した。
「わしわしわしわ~!! わしやで~」
光り輝く魔方陣の中央に、何者かが現れる。
灰色の髪を頭のてっぺんでお団子に、目は細目、というか、ちゃんと目あいてる? と言いたくなるほどの糸。服はギリシャ神話とかにありそうな白のノースリーブワンピース。背中に天使の羽。
「この頃わしも扱い雑で出番少なくてあーあ、切ないわ~悲しいわ~って感じのえんじぇる様やで~。ちゃんと覚えとる~?」
「……え、誰?」
「酷いわ~。メインの人が覚えてないとか悲しいわ~」
「!?」
「あ、何で会話できとる? とか思ってる? それがえんじぇる様くおりちーやでぇ!!」ババンッ
『あ、なんかマンガみたいなエフェクト出ましたね……』
無言で紙を閉じかける魔王。
「ああ、待ってぇ!! まだ大事な話一個もしてへんねんでぇ!?」
「……」
仕方なくまた開く魔王。
「ふぅ……」
出てもない汗をぬぐうえんじぇる様。
「……用件」いらっ
「ちょっとくらい和んでもええやんかぁ~」
どこからかお茶を取り出して、正座で座って本格的に和むえんじぇる様。
「……」
無言で閉じかける魔王。
「待って、まってぇ!!」
「……あんたら何してんの……」
「俺に言うな」
「んじゃ、用件いうでぇー」
「さっさと言え」
「わしのこと知ってるかー魔王?」
「あ?」
「わしのことどんだけ知ってるかー?」
「城下で事件次々起こして騒いでくれたらしいな? それでこっちはてんてこ舞いだったんだぞこら」
「そらよかったわー。頑張った甲斐があったもんやー」
「後木の妖精と羽妖精とかの主だってのか?」
「そうやで~」
「それからとあ……あ、いや、なんでもない」
「なんや。キレ悪いでぇ~?」
「なんでもないから気にすんな」
「そうか~。わかったわ~。ほな、こっから用件やわ~。……招待状や」
「……なんの!?」
「戦争やでぇ」
「……」
「力的にはよぉくわかってくれたと思うんや。いつでもこの城の中に敵兵送り込めるでぇ~くらいには」
「そうだな」
「せやけど、そんなせこいことせぇへんで、正々堂々やっつけたる。だからこれはその招待状やでぇ~」
「おい、なんでそんなことすんだ?」
「戦争は何も生まんと思ってる? せやけど、わしらには利益があんねん。魔族を正面からぶっ潰したっていう利益や」
「もう潰した気になってんのか?」
「絶対潰す。潰さなあかんねん。魔族は悪や。魔王はその王や。この世に存在したらあかんねん」
「……なんでそこまで憎むんだ?」
マスターに視線が一気に向く。
「あ、すまん……」
「いや」「ええでぇ」
「……」
「魔王、魔族、すべてが悪や。だってそうやろ? 妖精族は魔族のせいで迫害にあってきたんやで」
「え、そうなの?」
「そうやでー……って、人間がなんでそないなところにおんの?」
「べっつに―? 人間も魔族も変わんないと思うけどー?」
「それは間違いやでー。魔族がおるから魔物は活性化するし、魔族がおるから色々な摩擦があるんやんかー」
「そうかしら―?」
「……お前ら語尾伸ばすな。緊張感が……」
「あ、ごっめーん」
「……」
「でもさ、魔王、人間よりも優しいわよ? 少なくとも人間の貴族どもよりも?」
「でも、魔王は魔王や。魔王は魔王という呪いに縛られるんが普通や。そのうちその魔王も、先代とかと同じように、人間とかと戦争始めるんやで」
「そんなことはしない」
「するんや」
「しない」
「する」
「しない」
「するんやって!! お前が魔王である限り、絶対そうなんねん!! 例外なんてなかった! いつの魔王も必ず力に訴えるんや! あんたら魔族が好きなんは、血と、悲鳴と、破壊しかないんや!!」
「そんなことない!!」
「あるんや! てことで正々堂々叩き潰したる! じゃなかったら、普通に侵攻したる!! どっちがええか今すぐ選び!!」
「いいだろう。正々堂々返り討ちにしてやる!!」
「決まったら準備期間儲けるで! 期間は一月でどうや?」
「わかった!!」
「決まりやで。ラスボス風に塔のてっぺんで待ってたる!! 場所は赤茶荒野。準備してまってるからな!! 覚悟決めてき!!」
そういうとえんじぇる様は消え、魔方陣の描かれた紙は燃え尽きた。
「……」
「……魔王、少し売り言葉に買い言葉?」
「わ、わりぃ……」
「おいおい、これが魔王様かよ。ビビって損した……」
「……」
「普通にちゃんとしてんじゃねぇか」
「?」
「マスター?」
「うっし、気にいった。協力してやる。あんただったら大丈夫そうだしな」
「??」
「えー、あたしの出番がよっぽどなくなるじゃなーい」
「しょうがねぇだろちみっこ。これを機に足洗えって」
「それは嫌」
「即答かよ」
「なんの話だ?」
「陛下、俺は裏情報屋。内緒にしてくれよ?」
「え、いきなり、え……!?」
「情報買うならちみっこ経由で。まぁ、今回のことは格安か、ただで譲ってやるよ」
「え、マスター、何その宣言!?」
「貴族だと思って判断しちゃいけねぇよな。だから少し反省の値だ」
「裏、情報屋……」
「そうだぜ。あ、ちなみに情報の悪用は見つけ次第情報で返すからな。裏情報屋敵に回したら怖いぞ? ヤバい情報流される。ウソかホントかはさておき、な? ってことで、以後ごひいきに?」
「……た、助かるっ!! 悪用なんてしねぇ!!」
「そら何より。んじゃ、今日はもう帰ります。時間らしいですし?」
こんこん
「魔王様、そろそろ……」
「んじゃ、失礼しました」
『んじゃ、この話も締めますか!』
「え」「ハ?」「……」
『みなさーん、今回出てきたことは、夜寝るときにでも整理してくださいねー。ではでは、せーのっ』
「「「『まったねー(なー)』」」」




