魔国学園・番外編~雨の日~
『放課後、雨が降りました。急な雨です』
『一人の女子学生(面識のある後輩)が、昇降口を出たあたりで、傘を忘れて帰るに帰れず、困っていました。……別に困ってるアピールしているわけではないのですよ? 困ってるオーラがあふれ出してしまっているだけなのです』
『そんな状況で、魔国学園のメンバーが来たらどうなるか、これはそんな番外編……』
・赤神魔叉弥の場合。
「あ、なんかいんじゃん。……よし、面倒だから無視無視……」
『ちょっとまってぇぇぇえええ!!』
「あ? なんだようっせえな」
『トップバッターでそれはないですぅぅううう!!』
「ハぁ? トップだろうがなんだろうが関係ねぇだろ?」
『ありますよ!! しかも、ドアやアリにも優しい魔王でしょう!? 女の子こそもっと優しくするべきです!!』
「……めんどくせ。放置放置」
『ちょっとぉぉぉおおおお!?』
・赤神クロメの場合
「なんだ? 傘を忘れたのか?」
「あ、先輩! ええ。そうなんです……」
「だったらこれを使うといい」
「え、そんな! 先輩は……」
「私はもう一本折り畳みがあるからな」
「あ、ありがとうございます!!」
「あとで暇なときにでも返してくれればいい」
「ありがとうございます!!」ペコ!!
「そんなにか? よほど困っていたんだな。気を付けて帰れよ」
「はいっ!! 先輩もお気をつけて!!」
無言で手を上げてこたえる。
『……クロメさん、かっこよすぎます!! おかしいでしょう!! なんです? この男バージョンとの差!!』
「うるせぇ」男ver
・小金勇花の場合
「どうした? 傘忘れたか?」
「あ、先輩。はい……」
「だったらこれ使うといいぞ」
「え、でも先輩は……?」
「私は、友達にでもいれてもらうさ。帰り道一緒だし大丈夫だろう」
「そんな、悪いです!」
「お前、家遠いんだろう? 遠慮なくもらっとけ。それではな!」
「あ、先輩!」
「返すときは傘立てにつっこんでくれていいからな!!」
『……爽やかです……』
・小金勇人の場合
「どうした? 傘忘れたか?」
「あ、先輩。はい……」
「だったらこれ使うといいぞ」
『あ、この辺一緒ですね?』
「え、でも、先輩は……?」
「私は家が近いから走って帰るさ」
「そんな! 風邪でも引いたら……!!」
「そんな軟な鍛え方はしてないぞ? 私を信じろ!」
「え、ちょ……!?」
「ではな! 返すときは傘立てにでもつっこんどいてくれ!!」
『さ、爽やかです! 青春です! これはあれですね!? 少女漫画のヒーローですね!? 翌日風邪気味になりながらも普通に学校行っちゃうパターンですね!? かっこいー!!』
・桃園スナ子の場合
「何? あんた傘忘れたの?」
「あ、先輩。はい、そうなんです」
「じゃあ、一緒に入ってく?」
「え、いいんですか?」
「駅までね? そこからは自分で何とかしなさい?」
「はい。ありがとうございます」
『さ、さすが仕事人……。自分に不利益ない範囲で優しいです』
・桃園スナ男(笑)の場合
「……いや、(笑)はいらねぇだろぉ!!」
「せ、先輩!?」びくぅっ!!
『ほらぁ、後輩ちゃんビビっちゃってますよ? 一見したらチャライ不良がいきなり騒いだらそりゃビビりますよねぇ』
「っ腹立つ!!」
「す、すみません!?」
「ああ、こっちの話だから」
「そ、そうですか!?」びくびく
「……」
『あーあ、可愛い後輩ちゃんが完全に引いてますよぉ~』
「誰のせいだ誰の……」
「せ、先輩……?」
「なんでもない!! で、何? 傘忘れたんだって?」
「あ、は、はい……」
「じゃあ、これ使いなよ!」
「え、で、でも……」
「いいのいいの」
「先輩!!」
少し走ってから振り返って、
「水も滴るいい男って言うじゃん?」ニッ
『わぁ、決めちゃってますね!!』
「あ?」
『でもまぁ、意外と似合ってますよ? でもこれ、少女漫画だったらきゅんっ、ですが、現実でやったら引きますよね……。さて、微ノンフィクションのここではどうなることやら……』
ああ、これ、現実の日常を元にしちゃったりなんかしてますぅ。
「ちょっとぉ!?」
『微妙に痛いやつ認定されないといいですね?』
「ふざっ、ナレーター!!」
『割愛しますぅ~』
「こらー!!」
・白銀盗李の場合
「……」
「せ、先輩?」
「傘、無いの?」
「は、はい……」
「じゃあ、これ使うといい」
「でも、先ぱ……」
「私は雨気にしない」
「でもかz……」
「私は風邪ひかない」
「……」
「……」
「……」
「……心配?」
「はい」
「……じゃあ、一緒行こう」
「はいっ」
『と、盗賊さん、ローテンションバージョンは怖いです……無表情ですし……』
「こわくない。優しい」
『……え、えぇ……』
「盗賊さん、ローテンション、めっちゃ優しい」
『……次行きましょうねっ』
「むぅ……」
・白銀翡翠の場合
「さぁて、一緒に帰ろうかカワイ子ちゃん?」
「え、え?」
「傘忘れたんだろう?」
「え、は、はい。そうです、けど……」
「じゃぁなんの問題もないよね?」
「え、え!?」
『盗賊さん、それは変態です』
「誰が変態だ」
『間違えました。不審者です』
「面識のある後輩だろ? んじゃ、無問題、だよね?」
「え、えぇ、まぁ、はい?」
「え、疑問形? 悲しいなぁ」
「だ、だいじょぶですっ‼︎」
「よかったよかった」
『言わせてません?』
「そうかな?」にこっ
「い、いいえっ‼︎」ふるふるっ
「ヨカッタヨカッタ」
『……』
「じゃ、行こうか? はい、どーぞ」
傘を開いておいでおいで
「あ、アリガトウゴザイマス……」
「赤くなっちゃって、かーわい♪」
『だめだ、この女好き……』
「え、なんか言った?」
『いえ、なんでもぉー?』
「うーん、役得役得♪」
『リアルの皆さんは、こんなやつの毒牙にかかっちゃいけませんよ?』
・砂条院ナイト男verの場合
(あ? なんかいんじゃん、うざってぇーなぁー。なんか困ってますオーラ出てるし。うざいから消しちゃダメかなぁ……)
「女の子は にはもっと優しくしなさいきぃーっく」
「ぶふっ! と、盗賊さん!? まだ暴れちゃ……ぐはっ‼︎」
「ツッコミより先に防御姿勢とるべき」
「バカァ!! そういうことじゃないでしょぉ!!」
「?」
「見ちゃいけませんわ。あの男の方は目に毒にしかなりませんから」目隠し
「あ、緑野先生?」
「はい」目隠し外し
・緑野ディーナの場合/後ろの会話
「こんなところで何してますの?」/「ちょっと盗賊さん? まだ傷ちゃんとふさがってないんだから暴れないでってば!!」
「傘を忘れてしまって……」/「うるさい黙れバカ砂条院」
「まあ、そうでしたの? 家、遠いんですか?」/「横暴だぁ!!」
「ええ、まあ、そこそこです」/「女の子にはもっと優しくすべき」
「そうですの……。よかったら、わたくしの傘を使いますか?」/「エェ~? アンナノただのうざい役立たずじゃぁーん」
「え、そんな! 先生はどうするんですか!?」/「女の敵」
「わたくし、そこまで家遠くありませんし……」/「いたっ、いたい!! だから暴れない!!」
「でも、先生……」/「うるさい」
「大丈夫ですわ。いざとなったら奥の手がありますし」/ぎゃーぎゃー
「お、奥の手……?」/「何をしているんです?」
「内緒だからこその奥の手ですわ」ふふっ/「ああ! 先生聞いてくださいよ!!」「ビィ先生、こいつ、悪」
「は、はぁ……」/「理解できませんが、盗賊、あなたけが人でしょう? 暴れてはいけません」
「まあ、そういうことですから、遠慮なく使ってくださってよろしいのですよ?」/「悪、成敗……」
「で、でも、先生、少しでも雨にあたってたら風邪ひいてしまいそうです……」/「いい加減にしないと、反撃しちゃうよ?」ぞくぞく
「まあ、そんなに弱くはありませんわよ」/「やれるもんならやってみろ」イライラ
「でも先生、小動物みたいなんですもん!!」/ぎゃーぎゃー!!
「まあ、そんなにかわいいものに例えてくれるんですの?」/「やめなさい」
「そっくりじゃないですか!!」/わーわー!!
「嬉しいですわ」/「……」
「そんな場合じゃありません!!」/ギャーギャーワーワー!!
「うふふっ、楽しいですわ」/「……いい加減に、しなさい!! “氷結魔法・封動”!!」
背景会話と融合。
「ディーナ。ちょっといいですか?」
「はい、ビィ先生、なんでしょう?」
「あの二人がバカをやらかしましてね、砂条院は私がみっちりお説教しますので、その間に白銀のけがを手当てしてくれませんか?」
「はい。かしこまりましたわ」
「よろしくお願いします。……行くぞ、砂条院」
「ちぇっ、俺だけが悪いわけじゃないのにぃ~」
「黙りなさい」
「ちぇぇ~」
「白銀さんも行きますわよ?」
「むぅ……」
「あ、はい、これ。後輩さん? 傘、差し上げますわ」
「え、そ、そんな!!」
「大丈夫ですわ」
「先生はビィさんが送る」
「私ですか? 勝手に……まあ、いいですけど」
「まあ、ありがとうございます。と、いうことだそうですので。遠慮なくどうぞ」
「あ、ありがとうございます……」
「では、今度こそ行きましょう。白銀さん。……悪さしてはいけませんからね」
「はい……」
『後ろで何やってんだ!! 的なツッコミを読者の方々に期待しつつ……次行きまーす』
・木登モーブ男verの場合
「何? 傘忘れたのか?」
「あ、先輩、はい、そうなんです」
「じゃあ、これ使えよ!」
「え、先輩は?」
「俺別に走って帰るし」
「え、風邪でも引いたらどうするんですか!?」
「俺風邪なんてひかねぇし!!」
「え、でも……」
「いいから使えよ! お前こそ風邪ひくだろ、絶対!!」
「それはそうですが、でも……」
「い、いらねぇのかよ……。べ、別に悲しくなんて……!!」しゅん
「あ、そ、そんな! ありがたく使わせていただきます!!」
「なんだよ、最初っからそう言えよ!! じゃあな!!」
「え、ちょ、先輩ぃ!?」
狼バージョンモーブが走り去る。
『……は、早いです。行動が……。これはあれですか? 作者、早く終わらせないととか思ってます?』
じ、時間がないんです! でも今日中にあげたいんです!!
『作者ぁ!! 焦んないでちゃんとやってくださいぃ!!』
きゃー!!
・木登モーブ女verの場合
「何? 傘忘れたの?」
「あ、はい、そうなんです……」
「だったらこれ使いなさいよ!!」
「え、でm……」
「べ、別に、あんたのためなんかじゃないんだからね!? 勘違いしないでよ!? 別にあんたが明日風邪ひいて休んだってあたしには関係ないんだから! でも、ここで放置したら多少良心が痛むって言うか夢見が悪いっていうか……と、とにかく、それ貸してあげるから感謝しなさい!!」
「は、はい……」
「何よその返事! いらなかった!? 実は友達が傘貸してくれる予定があって待ってたとか!?」
「いえ、違います! ホント助かりますありがとうございます!!」
「よかった」ほっ
「……」きゅんっ
「な、何よ!?」
「いえ……」
「なんなのよ! はっきり言いなさいよ!!」
「いえ、先輩可愛いなぁ、と思いまして……」
「あたしは可愛くなんてないわよぉ!!」
『モーブは可愛いです』
・盗賊さんの場合。オチ?(←言っちゃうの?)
「雨、まだ降ってる……はぁ……」
「ちょっと待ってて? 今晴らすから!!」じゃじゃ~ん!!
「ハ?」
ぺかー
「え、えぇ!?」
『待て待て待て!! 待ってください!! おかしくないですか!?』
え、何? 作者がやったほうがよかった?
『そういう問題じゃないんですよぉ!! 晴らすってなにぃ!? てか、盗賊さん!? あれ? 魔国学園番外編で、本編の盗賊さん出ちゃうんですか!?』
「あれ? いけんかったぁ?」
じゃあ、やっぱりここは作者が……
『黙れ!! ルビ違う、おかしい!! てかもう帰れぇええ!!』
では、帰ります。お疲れ様でしたー。
『……って、エェ!? ナニ? 帰るってこの話ごとぉ!? ちょっ……』ぶつっ
どこで切れてんだぁ! とか、どんな終わり方やねん!! とかいうツッコミを読者の方々に期待しつつ……作者は投げます!! この話を!!
魔「おいこら作者、ちゃんとやりやがれぇ!!」
ヒぃ!! ご、ごめんなさーい!!
魔「待て、逃げんなこらぁ!!」
きゃー!!




