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魔国の日常  作者: 盗賊
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これでも真面目です。

深夜、魔王城、魔王私室。

 魔王は天蓋付のベッドの中で眠っていた。

「……」

 寝返りを打った。

「……?」

 何かを感じたのか、うっすらと目を開ける。

「……」

 視界に入った、銀と翠と黒。

「あ、起きた?」

「……」

「やぁ、魔王?」

「……と、!!」

 叫ぼうとした魔王の口をふさぎ、もう片手で魔王の両手を頭上に縫いとめる。ついでに馬乗りになって暴れないように足と体を体重をかけて押さえる。

「んんっ!!」放せ!!

「悪い、けど、騒がれると困る」

「んっ!?」

「……とりあえず、落ち着いてほしい」

 盗賊、銀の髪は肩につかないくらいのストレート。服はいわゆる盗賊装備、黒。男ver

「……」

「落ち着いたかい?」

「……ん」放せ

「……叫ばないで、騒がない。それから……、そうだね、おとなしくしてくれるなら放す」

「……」

「理由説明は一応する。納得してくれるかは微妙。でも、これすべて、俺の全力だと思ってもらいたい」

「……」こく

「……よかった」

 上から退く。手も口も解放。

「はぁ、なんなんだよお前」

「しょうがない。ってか、布団いれて? 寒い」ごそごそ

「勝手に入ってくるな!」

「叫ばないでー?」

「誰のせいだ誰の?」

「俺のせい?」

「……」

「悪いね。寒いんだよ……」

「何しに来た……」

「んー? 逢引?」

「は!? お、おま……」

「うそうそ冗談! 本気にしないでよ!?」

「そ、それでも俺は、お前の友達、ではないから……」

「いやいやいや!! え、友達じゃないの!?」

「……」引き

「俺男、お前も男、な? 俺そっちの趣味ねぇし、アリエナイ」引き寄せ

「……お前、女の時もあんじゃん」できる限り阻止

「俺が好きなのは女の子! ねっ!?」負けない!

「……それもそれで問題発言のような」

「って、違う! こんな話しに来たんじゃねぇんだよ!」

「お前がダッシュで脱線しに行ったんだけどな?」

「あれ?」

「……」

「ごめんごめん。これから真面目な話する」

「ホントかよ……」

「いや、これでも真面目ですよ? ほんとの本気」

「……」

「疑いの眼差しで見るのやめとくれ」

「さて、で、何しにきやがった? こんな夜中に?」

「……ふぅ」

 息一つで切り替える。真面目モード。一応。

「攻撃受けてたよね? あれの黒幕見っけた」

「黒幕?」

「ああ、でも、これはビィさんあたりだったらすぐに見つけてくるだろうから、言わないけど」

「おい」

「人の働きをぶんどるのは好みじゃない」

「……お前、髪好きの変態情報屋知ってるか?」

「ああ、あいつか? え、何? あいつに頼んだの!?」

「ああ、あいつがどいつかは知らねぇが、髪バッサリ持ってかれたらしいぞ。昨日おかっぱだった」

「ぶふっ! ちょ、見てみたい気もするけど……」

「やめとけw いじられると、氷漬けにする勢いだったぞ」

「それは困るな。やめておこう」

「それが賢明だな」

「でも、あいつだったら正確でいい情報仕入れてくれるな。だったら、うん、この辺かな……」

 盗賊、魔王に近づく。

「こっち来るな変態」

「誰が変態だこのやろー」

「ここにお前以外いるのか?」

「そりゃいないが、変態じゃねぇやい」

「……」

「まあ、いいや、ここから重要。テストに出るよー」

「お前、ボケたいのか真面目なのかどっちかにしやがれ」

「悪いね。まあ、シリアスばっかじゃ疲れるだろ? ……黒幕とトアル国国王が手を結びやがった」

「……ハ?」

「だが、トアル国が全部、手を結んだわけではないことを覚えておいてほしい」

「……それは、トアル国王の独断か? 誰も諌めなかったのか?」

「まだ誰にもバレてないはず。そういう風に情報操作しろという依頼だった」

「お前……」

「軽蔑する? でも俺にはどうしようもできない。完全に逆らうという選択肢がまずないんだ」

「それで、お前はどうしたいんだ? こんな情報こっちに漏らして?」

「……それは魔王が決めること。俺にできるのは、できるだけ最悪を回避すること。魔王に情報を渡せば、悪いようにはしないと判断」

「……信頼されてんな?」

「もち。魔王ほどいいやつはいないんじゃね?」

「魔王……」

「自覚症状アリ? 魔王らしくない魔王サン?」

「うるせ」

「で、えっと、黒幕さんとトアル国王は、魔族を根絶やしにしたいらしい。あの情報攻撃はゴアイサツ」

「腹立つ挨拶だな」

「それで、近々大きな動きがあるかもしれない。でもね、国民は何も知らないんだ。魔族を憎む人はいるかもしれないけど、根絶やしにしてしまえなんて少数派だよ。だから……」

「分かってるよ。俺は憎まねぇよ。人間はどっちかってぇと好きだから」

「俺は嫌い。弱くて、簡単に壊れるくせに、破滅の道を歩むんだ。そんなのバカだよ。バカは嫌いだ」

「お前の大好きな勇者も人間だぞ?」

「うん。だから、これでも前より好きになったほう」

「大好きってのは否定しねぇんだな?」

「もちろんさ♪」

「……」

「でも、トアル王のせいで、好きになりきれない。人それぞれだからそれはそれでいいんだろうけどさ……」

「そうだな」

「ま、情報操作はしたけど、どうせすぐにバレると思う。だから、その前に突っ走る可能性大。川の上にござ引いて、川渡りするようなもん?」

「ハ?」

「片足が沈む前に次の足を出すんだよ。ござ敷くと渡りやすくなる的な。見たことない?」

「ない、か? うん、ないな」

「そう? 結構有名だと思ってたんだけどな……」

「それで? 他は?」

「いや、まあ、大体これくらい、かな?」

「そうか。わかった。サンキュな」

「うん、じゃあね」

 布団を出ていく。

「ああ、俺と会ったこと、誰にも言わないでね」

「そういうだろうとは思ってたが……」

「人の口には戸はたてられないし、こんなこと見つかったら俺本当に殺されちゃう」

「……どんな扱い受けてんだ?」

「よくて使える駒?」

「悪くて?」

「家畜以下?」

「……」

「あら?」

「……お前、俺んとこ来ないか?」

「魔王のとこって、魔王パーティー的な?」

「トアル国王よりゃましだと思うぞ?」

「だめだよ。勇者裏切れない」

「勇者も、そんなところにいるより……」

「それは無理なんだよね。勇者は勇者だから、あの国、というより、人間を裏切れない。魔王がいいやつなのはわかってても、人間より魔王を取ったんだって、民草たちは思ってしまうのだよ」

「……」

「でもさ、そんなお誘いの言葉、とっても素敵だったぜ」

 手を取って口づけを。

「なっ!?」

 一瞬指輪のような模様が走り、消えた。

「おまじない♪ どう使うかは魔王が決めて。勇者は魔王が傷ついたら傷つくだろうから。俺は勇者に従うし。なんなら魔王が勇者口説き落としてよ♪」

「おまっ、何言って!?」

「んじゃぁね、またあーした★」

 窓から身を躍らせる。

「あ、オイっ!?」

 あわてて駆け寄るも、人影なし。

「……ここ、学校の屋上くらいあるぞ? ……ああ、そういや羽あったなあいつ……」


『いやぁ、何やらメンドな雰囲気満載ですよ! 困りましたね!』


『翌日の昼間、魔王休憩、食堂にてティータイム……』

 食堂のドアを開けるとそこには……

「やほっ! まおちゃ~ん、おひさー♪」

「はっ、おまえ、盗賊!?」

「お先おやついただいてまーす♪」

「あ、俺のマカロン!!」

「あ、ごっめ~ん、これ最後の一個だったわぱくっ」

「最後と言いつつ食うなぁ!!」

「いやぁ、美味しいね。モブちゃんのもおいしいけど、三丁目さんもいい腕してるん♪」

『なんとなくデジャヴ……』

「おい、あんまり魔王をいじめるなよ……」

「てかさ! ユシャちゃん、久しぶりに会ったらキノコでびっくりしちゃったよ!!」

「誰がキノコか!!」

「ミスマッシュ!!」

「マッシュいうなぁ!!」

「キノコ勇者レベル一wwwww」

「キノコじゃないし、レベル一でもないぃ!!」

「えー、キノコだよね、魔王?」

「あ、ああ。そうだな」

「キノコ~w」

「レベル一~w」ノリがいい魔王

「「wwwww」」

「お、お前らぁ!!」

『最後はおやおや、いつも通りですね。和やかでよさそうです。ね、キノコ勇者?w』

「ナレーター! お前もか!」

『せーのっ』

「「『キノコ勇者レベル一!!wwwww』」」

「こらー!!」

 ちゃんちゃん

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