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魔国の日常  作者: 盗賊
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ここでまさかの!? ナレーターのターン‼

『……………………え、私? え、えぇー、私、ナレーター、ナレーさん、天の声などと呼ばれております、職業ナレーターです。レベルはなし。性別もなし、です』

『……えーと、よろしくお願いします』

『…………』

『いやいやいやいや!! そんな話すことなんてありませんよ!! だいたいナレーターというものは話を進めるのに必要かもしれませんが、ちゃんと物語に登場して話を進めるキャラではないのですよ!? だから個人エピソードにされても、何にもできませんからね⁉』

……

『無視ですか? 無視なんですね!?』

………

『もう、もういいですよ!! もうやってやりますよ!! そのかわり、どうなっても知りませんからね!!』

「こうして今回の幕も上がって行きます〜」

『と、盗賊? あなた、なにを!?』

「えー、今回、天ちゃんに代わりましてわたくし盗賊が司会進行をさせていただこうかな、と思っております。よろしくお願いしまーす」

『仕事まで取らないでください‼』

「とにかくいってみましょう‼」


『ナレーター!』

「あーんど、盗賊さんのぉ〜」

「『キューアンドエーたいかーい‼』」

「はい! と、いうわけで、はじまりました、キューアンドエーのコーナーです。司会は私盗賊と、」

『天の声で務めさせていただきすっ』

「って、なんで、こうなった?」

『うるさいですね。仕方ないでしょう? 私一人じゃ話がないので、他の人も巻き込んでしまおうという寸法です』

「わっ、卑怯〜」

『黙りなさい。それもこれも私に話をまわした……』

「え、なに? 神様に逆らおうっての?」

『え……?』

「気が付かなかったの? 天の声に指図できるのって神様だけじゃん?」

『私、そんなこと考えておりません!!』

「あらソ? それはよかった」

『で、では、第一弾! 魔王様に突撃インタビューです!!』

 魔王の執務室に黒い影カメラマンと、女子アナ姿の盗賊が突撃!

「ハ? 俺? 今仕事中なんだけど……」

『それでは最初の質問です』

「え? 話し聞け?」

「魔王様は勇者についてどう思っていますか?」

 盗賊、持っていたマイクを魔王に向ける。

「話しを聞こうか?」

『で、どう思ってるんですか?』

「……」

「『……』」

「……わーったよ。答えりゃいいんだろ!? 答えりゃ!!」

『話が早くて助かります』

「勇者? 別にいいやつだよな」

「他には?」

「面白いやつだよな。面倒見もいいし……」

『魔王の言葉じゃないですよね。そのことについては?』

「俺がどう行動しようが勝手だろうが。自分の道は自分で決めてやんよ」

「まるで正義の味方のようなセリフですが?」

「どうでもいいだろうが!!」

『では、次に、魔王城に勇者も盗賊も顔パスで入れるとのことですが、警備上よろしいのでしょうか?』

「大丈夫だよ。別に悪さしねぇんだし……しないだろ?」

「しないしない! 僕らいい子だもん!!」

「ま、だから大丈夫だってことだ。俺はあいつら信頼してるし、あいつらもそれに応えてくれる。周りもわかってくれてるしな」

『……あなた本当に魔王ですか?』

「魔王だよ! こんなやつで悪かったな!!」

「魔王? ここかー? 買ってきてやったぞー」

 勇者の登場。

「ユシャちゃぁぁぁん!!」

「うおっ!? また盗賊か!?」

 盗賊が飛びつき、勇者受け止める。

「なんだそのかっこ?」

『それではちょうどよくやってきた勇者にも突撃インタビュー!! ってか、たぶんここに集結することになるんですよねー……』

「インタビュー? なんだ?」

「とりあえず、ここには何をしに?」

 マイクを向ける。

「ああ、魔王にアイス買ってきてやったんだよ。お前も食べるか?」

「食べるー♡」

『ここでもパシリですか……』

「パシリじゃないと言ってるだろう!!」

『いや、でも、もうそろそろパシられキャラとして定着してると思いますよ?』

「っ!?」

 勇者ショック。

『おかしいですねー。初期設定ではそんなことなかったのに……』

「今すぐ戻せ!!」

『えー、今更ー?』

「今更でも何でもだ!!」

 ナレーターと勇者の後ろでは、

「魔王チョコ派?」

「あぁー、でもこのアイスだったらクッキーバニラが……」

「わかるぅ!! でも、クッキーチョコもいけるよ?」

「あー。それなー。うまいよなー」

「とりあえず、僕これ!」

「あ、ずりぃ!!」

「早いもん勝ちデショ?」

「俺が頼んだんだぞ!」

「でも買ってきたの勇者だしねー」

「オイ勇者!」

「あ?」

「ガラ悪いぞ。お前は何食う?」

「んじゃ、バニラで」

「クッキー入り?」

「じゃあそうしよう」

「「ハぅ!?」」

「ん? なんだ?」

「い、いや……」

「何でもない何でもない……」

「どれにする盗賊?」

「んじゃ、このチョコバーにしよ」

「俺はこっちのチョコアイスにした」

『わ、私には……』

「「「なし」」」

『!?』

「あ、あたしには!?」

「はい、勇者、魔王、スプーンね」

「おう」

「サンキュ」

「あ、あたしにはー?」

「おいしー」

「うまーい」

「生き返るー」

「あれ? そういえば魔王仕事は?」

「休憩休憩♪」

「あたしにもチョーダイってば!!」

『じゅるっ……ま、インタビューの続きしますので、勇者にえーっと……』

「無視しないで!!」

「あん?」

「なんだロリ? いたの?」

「スナイパーか。いつからそこに?」

 魔王、盗賊、勇者の順。

「誰がロリよ!? ってか、最初からいたわよー!!」

『私と盗賊が来る前にもうすでにいたことを私は知っている!!』

「知ってんなら無視すんなよー」

 泣き。

「うるせーな」

「っ」

「www」

「からかうなー!」

『スナイパーは最後なんでさようなら。出番が来るまで待っててくださいね』

「どんな扱い!?」

「ま、では、勇者に続きのインタビューをば……」

「スルーしないでよ!! もういいし! アイス、このイチゴもらうから……」

『勇者は魔王のことをどう思っているので?』

「んー、いいやつ、じゃないか? 後面白い?」

「魔王と同じ答えですねー」

『なるほど。では、盗賊については? パーティーメンバーとして?』

「わけわからん。以上」

「短!! 短いうえに適当じゃない!?」

「だってそれ以外にあるかー?」

「右におなーじ」

「マオちゃんまで!?」

「それ以外にひねり出せんから次の質問してやれ」

「ひでーよ二人ともー」

『では、勇者……』

「いや、それよりも盗賊に質問したいんだが」

「え、僕?」

「あ、俺もー」

「ナニナニ? 何を聞きたいのぅ?」

「お前、最初黒のローブ姿だったけど、最近白いアオザイ姿をよく見るんだが?」

「服装くらい固定しとけよ」

「いや、だってさ、僕思ったの! 魔王のイメージカラーが黒。勇者は青系、スナイパーはピンクじゃん? そこで思ったの、あれ? なんか、魔王とかぶってる!?」

「いや、思い込みー」

「だってさ、てかさ、ピンクって赤系でしょう? んで、勇者と反対。んで、魔王黒じゃん? だったら、僕は白かなーって」

「あー、なるほどな」

『なんていうか……うぬぼれ?』

「な……」

「まー、いいんじゃね? なんでも、どうせ変身魔法使いまくってるわけだし?」

「最初が女で、私の回の時は男だったよな? 服装もコロコロ変えてるみたいだし、今も」

「髪と目の色だけは統一してくれって言われたからあんまりいじれないし……そこしか変えるとこないじゃん?」

「言われたって、誰に?」

「んー? 大人の事情」

『出ました……』

「他にも、お前、何っていうね?」

「確かに。盗賊なのは間違いないんだろうけど、パーティー組んでてわけわからん状況に叩き落されたり、スキル使われたり、謎が多すぎるぞ?」

「大人の事情~」

『結論。盗賊は謎々』

「わかってるぅ~」

『さ、全員分終わりましたし、今日はここまで……』

「何しれっと終らせてんのよ!! あたしはー!?」

「いやぁ、空耳が……」

「偶然だな、俺もだ」

『私もです……』

「……」

 四人とも遠くを見て現実逃避。

「ヤメテー!! 知ってる? こういうのっていじめって言うんだよー?」

「違うぜ。いじめじゃない意地悪だ!」

「変わんない!」

「違うもん。いじってるだけだよ!」

「なお悪いわ!」

『違いますよ。え、えと……遊んでるだけですよ!』

「最後ネタなくなったよね!?」

「めんどいから質問してあげましょうか、なれーさん」

『了解です。では、そんな目立つカッコでスナイパーとか……転職した方がいいですよ?』

「それ質問じゃなくて悪口ー!!」

『おや、そうでしたか……』

「んじゃ、暗殺するときとかにはどうしてるの?」

 マイクではなくアイスの棒を向ける。

「なんであたしだけこんな雑なのー!?」

「アイス食べ終わったんで。うちのはバータイプだったんで」

「知らねーよ!!」

「はいはい。これでいいですか?」

 マイク向け。

「……も、もういいわ。暗殺の時は、サングラスと帽子で一応変装を……」

「「『グラサン!?www』」」

「笑うなー!!」

「それ、完全不審者だぞ、スナイパー……w」

「マスクしてたら完全通報されるわwww」

「逆に目立つーwww」

『ちょっと、そんなに笑ったら失礼ですよ……ぷふっ』

「とか言って笑ってんじゃねーか!!」

『し、失礼いたしました……』

「他に質問ある方ー?」

 しーん……

『ではこの辺で締めさせていただきます』

「ちょっと!? あたしだけすごく短くない!?」

『それでは皆様、次回もどうなることやら……楽しみに、期待せずにでも、お待ちくださってくれれば嬉しいかなーと思います』

「スルーしないでー!!」泣き

「最後卑屈!」

『ごきげんよう! あでぃおーす?』


 結論。ナレーターの回はほとんど周りのキャラに食われて、最終的にはナレーターの回ではなくなる。

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