静かな一時……(ショートショート)
『まじめな話&特訓から数日……』
「暇だな……」
『魔王は暇をしておりました』
『武官と文官の書類をいったん合わせて割り振ることにしたので、二重に書類をやる必要がなくなり、ほとんど元々の仕事量に戻りました。結果、自由時間が増えました』
「暇だ……」
『そうですよねぇ、いつもだったら盗賊さんがドアけ破ってきたり、勇者が魔王いるか? ってきますものね……』
「盗賊は、最近会ってないな……連絡も来ないししないし……」
『勇者は?』
「勇者はトアル国の隣国に出張中だし……」
『ああ、風邪の国でしたっけ?』
「そうそう。か……って、字ぃ違くないか!?」
『あら? ああ、風の国? でもあそこ、今風邪が流行ってるそうですよ? かぜの国だけに?』
「全然おもろないわ!」
『ですよねー。でも、年中無休で風邪が流行る国として有名ですよ? なので、別名風邪の国……』
「……勇者大丈夫か?」
『もともと風邪気味だそうですよ?』
「悪化してねぇだろうな?」
『知りませんけど、あの人、弱いですからね……』
「体が!?」
『全体的に? レベル三だと、身体能力もだいぶ低いと思いますよ? まあ、普通の人よりはだいぶ高いんでしょうけどね?』
「……」
『……』
「……勇者、やっとスキル獲得したんだって?」
『ええ。スキル剣技です』
「あいつ、いつになったら俺のとこまで来るんだろうな……待ちくたびれるぜ」
『魔王は勇者と戦いたいんですか?』
「そういうんじゃねえけど。RPGだったら戦って終わりだろ? レベル離れすぎなんだよ……」
『やっとスキル手に入れて、でもレベルは三。スライムすらまともに倒せない、勇者……』
「この話に普通は期待できねぇな」
『今更ですね』
「いや、そうだけどよぉ……」
『というか、魔王城に勇者パーティーが顔パスで入れることからおかしいんですけどね?』
「えぇー?」
『なんですか顔パスって! ってか、盗賊に至っては勝手に侵入までしてますからね!?』
「ホントあいつなんなんだよ……」
『謎の人は最強です!』
「はぁ、もう気にしたら負けだ……」
『そういうんですけど、気になりますよねぇ、一回はツッコまないと……』
「話的にもな、ツッコまないとな……」
『ですね……』
「……」
『……』
「……暇だぁ……」
『贅沢なお悩みで』
「うるせぇ……」
『……』
「だってよぉ、最近まで、ずっと仕事しっぱなしで、暇な時なんてなかったんだぜ? いきなり暇になってもどうしていいか……」
『……はい、ではここで失礼いたしましょう』
「え、ちょ!?」
『皆様、ごきげんよう~』
「おいぃぃ!?」
ちゃんちゃ~ん




