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魔国の日常  作者: 盗賊
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騎Cと秘密特訓★

 魔王城訓練棟

『おや? 勇者、また迷子ですか?』

「ちがう! 少し、剣の稽古をしたくてだな……」

『へぇ~?』

「疑うな! 魔王にも許可を取ってだな!」

「あれぇ~? 勇者? こんなとこで何やってんのぉ? ……ん? デジャヴ?」

「騎C!? お前仕事じゃなかったのか!? いないと思って来たのに!!」

「んー、いんや。俺今日非番なんだ~」

「そ、そうか、失礼する……」

「そんな警戒しないでよ。大丈夫だって、勇者弱いから、手ぇ出さないよ」

「ほ、ホントか……」

「俺、ウソツキだけど、盗賊さんに嫌われたくはないから、これはホント」

「……」

「それより、稽古したいなら、そこの魔道人形使うといいよ」

「魔道人形?」

「そうそう。ビィさんが作ってくれたんだけど、結構いいよ?」

 案山子のようなものをいじり。

「そこら辺のザコからボス級まで、データがあればそれと同じようなステータス、動きもしてくれる。重宝するよ」

「それ、倒しても大丈夫なのか?」

「うん。戦闘不能になって、壊しちゃっても、修復プログラムもあるし、ダメなやつは科学班の人たちがいつの間にか直してくれてるっぽいよ?」

「ぽいって……」

「まあ、そんな。はい、スライムに設定しておいたよ」むにょんっ

「なんでスライム!?」

「え? レベル三の勇者にはこれで十分だろ? 言っとくけど、経験値は入んないからね? あ、でも、スキルの経験値は入るから、まあ、頑張って?」

「何で疑問形!?」

「勇者は質問ばっかだなぁ」

「うるさい!」

「あ、俺はその辺で型の練習してるから邪魔はしないでよ?」

「……」

『騎Cのペースにまかれた勇者はスライムへ向かいます』

「でやっ!」

 むにょんっ

「このっ!!」

 みにょんっ

「こいつ~~~~!!」

 ぷにょ~んっ

「だ―!! もうなんなんだ!!」

『勇者、心が折れて、休憩』

「うるさいっ!!」

『騎Cの型の見学ですか? 見て学ぶがよいでしょう!』

「なんで上から目線なんだ!!」

「うるさいよ? 勇者? 邪魔しないでって言わなかった?」

「う、す、すまない……」

「よろしい(ビィ風)」

 舞うように、流れるように、剣の型。

「……」

「……」

「……見てて面白い?」

「うむ」

「そうかなぁ? つまんないでしょ? 式典とかにやる剣舞だったら違うかもしれないけど、ただの型だよ?」

 息は切らしてないが、汗はかいている。相当な運動量の様子。

「それでも、基本だろ? こういうのをちゃんとやらないと、うまくならないのか、と思った」

「そう? だったらやりなよ」

「私はそういうことしっかりやる前に師匠がいなくなってしまったからな」

「ふーん? 覚えてないの?」

「そういうわけではないが、細かいところがわからない」

「そうかぁ……じゃあ、今のはほとんど我流?」

「そうなるな」

「型は覚えておいて損はないよ? 勇者なんだから、トアル軍に言えば喜んで教えてもらえるんじゃない?」

「それもそうだな。今度頼んでみるか」

「そうしなよ」

「うむ」

「……」

「……」

「……勇者、良かったら稽古つけてやろうか?」

「え、遠慮する!!」

「即答? 傷つくなぁ~。別に手合せしようって言うんじゃないんだからいいじゃん」

「お前はすぐ暴走するから!!」

「大丈夫だって。今日はしないし、俺、これでも隊長だぜ? 部下に稽古つけてるんだから」

「信用ならない!!」

「信用してくれよぉ。それに、勇者、スライムにすら勝てないのに、そのまま跳ね返っされっぱなしでもいいのぉ?」

 騎Cがスライムを勇者目線に持ち上げる。むにょむにょ~ん

「うぐっ! そ、それはだな……」

「勇者、俺の部下、相当強いぜぇ?」

「……」

「どうする?」

「た、頼む……」

「よっしゃ、そうこなくっちゃな♪」

「本当に暴走しないだろうな!?」

「うん、さすがにね。じゃあ、構えて」

『そうして勇者が跳ね返されること数十回……』

「雑なうえに酷くないか!?」

「でも実際そうじゃないかぁ」

「ぐぅ!」

「ほら! 次行くよ!!」

「来いっ!!」

「いいのは威勢だけかぁ!」

「くっ!」

「さっき言ったことが全くできてない! 脇締めろ!」

「!」

「踏込浅い!」

「っ」

「右がら空き!!」がつんっ

「いっ!?」からんからん……

「はい終了」

「くそぅ……」

「それから、手首だけを使うな。受けるときにそれじゃあ持ってかれるぞ」

「はい……」

「う~ん、これじゃあ全部だめ。ダメダメすぎて、なんでこれまで殺されなかったのか不思議」

「うぅ……」

「盗賊さーん、甘やかしすぎじゃないのぉ~!?」

「え? 盗賊?」

『ぽくぽくぽく、ち~ん……』

「あれぇ? 出てこないのぉ? だったらぁ……」

 剣を持ったまま勇者に手を伸ばし

「待った待った待った。ストップストップストップ」

 両手をあげて姿現し。

「ユシャちゃんから離れようか? あ?」

「もう、早く出て来てよ! なんか俺何もない空間に話しかけた痛い人みたいじゃないかぁ!」

「痛い人なのは前からだろ?」

「ひっど~い」

「なんか、お前もキャラ崩れて来てね?」

「それは神様がいけないから仕方ないよ」

「それもそうだな」

 ……。

 盗賊、黒マント。ゆるふわウェーブ。女バージョン。

「……で、なんでわかった?」

「初めはわからなかったけどさぁ、だんだん黒いオーラが出て来てたよ? 俺のユシャちゃんに―! みたいな?」

「せーかーい」黒い笑み

「誰がお前のだ」

「ユシャちゃんはあたしのよん」

「誰がだ誰が」

「まあ、そんなことはどうでもいいんだよぉ。今は勇者の弱さについてだよな」

「弱い言うな」

「え? 弱くないとでも思ってんのぉ?」

「思ってんの?w」

「二人して!! それから盗賊笑うな!」

「で、どうなの?」

「なのなの?」真顔

「そりゃ弱いさ!! 悪かったな!!」

「そうだよぉ、弱さは罪だ」

「なっ!」

「だから強くなれ。てことで特訓再開だぜぇ」

「……ん? なんで俺呼んだ?」

「盗賊さん、剣できるよね?」

「ああ。それが?」

「見て学べ式にしようかなって」

「なるほどね。んじゃ、ユシャちゃんの動き再現してやるよ?」

「やっぱできる? じゃあよろしくね」

「はいよ」

 盗賊、勇者に変化

「そこまでの再現性いる?」

「なんとなくだ」構え

「……さいですか」

「う~ん、ユシャちゃん、手首よく使うんだよねぇ」

「ああ、それが困るよなぁ」がつんっ

「だったらさ、剣、かえた方がましじゃない? 重さに引きずられるから?」からんからん……

 盗賊、普通に剣を拾い。

「……痛くないのか、盗賊?」

「割と痛い。本気でやってくるんだもん」

「なんで顔色変えないんだ?」

「耐えられるから」

「そうか……」

「……」こく

「まだ耐えられるの? だったらもう少し強くしても……」

「やめろし! 再現性高くしろよな!」

「はいはい」

「で、分かった? ユシャちゃん?」

「……わかるかよ!!」

「じゃあ、もう一回やるか?」

「ちゃんと見ててよ?」

「ああ」

 ……

 がつんっ

 からんからん……

「ああ、なんとなく……?」

「手首、バドの影響だよねぇ、やっぱ」

「たぶんなぁ……」

「だったら、さっき盗賊さん言ってたみたいに剣少し変えたらどう? ラケットみたいな重心と長さに」

「あれトアル王から賜ったものなんだ。勇者装備らしいから、取り替えるのは……」

「じゃあ、攻撃パターンを変えるとか?」

「どういう意味だ?」

「騎C、さっきと同じでヨロ」変化解除

「りょうかーい」

「んで、勇者は攻撃するときその辺ずっと見てる癖があるからぁ、その時に態勢低くしてぇ」ひゅっ

「なるほどねぇ」

「下から上に突き上げる、とか?」きぃんっ

「まあ、ちゃんと周囲に気を配ってくれれば気にしなくてもいいんだけどねぇ」

「そうそう。まあ、こんな感じ?」

「バドを利用しての上からの降りおろしはいいと思うけど」

「大振りすぎて隙がねぇ」

「バドって、シャトル見てるよねぇ、そしたら、一番の武器とか見てると、まあ、ダメージは少ないと思うけどぉ……」

「暗器隠し持ってるやつもいるからそこは気を付けてね。以上かな?」

「それじゃぁ、あとは体に覚えてもらえ式かな?」

「え?」

「さあ勇者、間違いが直るまで、今日はたっぷりしごいてやるからなぁ、覚悟しとけ」

「と、盗賊は!?」

「あたしは騎Cに賛成。まあ、強くなるならお安いものでしょう?」

「う、裏切り者ー!!」

「頑張って勇者。すぐそこで見守ってるわ。怪我したら治してあげるし」

「ほら、後方支援は最強だぜぇ?」

「あ、あ、……」

「いやぁ、どんだけ強くなるか楽しみだなっ」

「ギャー!!」


『てれれれってれ~ん。勇者、スキル・剣技を習得』

「……え?」

「剣技、習得?」

「剣士なのに、剣技、今習得?」

「あ、あれ?」

「勇者、これは」

「どういうことなのかなぁ?」

「そ、それはだなぁ……」

『あ、初めてのスキル習得者のために説明しておきますね。スキルは、使うたびにスキルポイントがたまってレベルが上がります。そしてレベルが一定まで上がると特技にまで昇華されます。特技になると、効果が最大で二倍になったりしますので、積極的にスキルは使いましょう!』

「へぇ?」

「ふ~ん?」

「……こ、怖いぞ?」

「俺ら、てっきり剣の修行してたと思ってたんだけど」

「違ったみたいだね? 剣技の習得? 今更?」

「そ、それは私のせいじゃないだろ!?」

「へぇ~?」

「ふぅ~ん?」

「え、ちょ、お前ら……ギャぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!」

『勇者バッドエンド。ま、そんな感じで終了です。さよーならー。……なんか最近雑なような……』

「そういえば、お前、ちゃんとユシャちゃんに稽古つけてあげたんだね?」

「俺だってちゃんとしてることくらいあるってば」

「この前の仕事の時もそうだしさ……」

「え、俺っていつも暴走してるイメージ? 酷いなぁ、これでも責任ある立場なんだぜぇ?」

「えぇー?」

「そこで不満げにされてもなぁ」

「ゼッタイ詐欺だよ」

「ひっどいなー。んじゃ、今の暴言に報いるために今からあそ……」ぶつっっっ

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