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魔国の日常  作者: 盗賊
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これぞ正統RPG!! 役交代した方がいいのでは?

『貴方は知っているだろうか? 人間を襲う魔族たちのことを……。ここは魔界。その悪い魔族たちの巣窟。その王がいる魔国、魔王城……』

『そんな場所に今、二人が挑む……』


「ここに魔王が……」

 赤髪黒目、黒騎士服に身を包み、黒い大剣を背負った勇者(まおう)

 魔王→勇者

「まお、じゃなかった、勇者様!! 本当に行くんですねっ!!」

 オレンジ髪橙目、炎模様の格闘家的服装。手には包帯巻いてある。耳としっぽはもう出てる。格闘家(モーブ)

 モーブ→格闘家

「ああ、行くしかないだろう? これで人間が魔族に苦しめられることもなくなるんだ……!!」

「行きましょうか、勇者様ぁ!!」

「ああ、行くぞ!!」

『こうして勇者と格闘家の、平和へと続く厳しい戦いが始まったのだった……』


「よく来たな勇者! でもそれもここまでだ! ここを通りたかったらあたしを倒して……」

 ピンクツインキャラメル目。黒のショートマントに、ゴスロリの……

「邪魔だどけ」

 剣を一閃。

「きゃぁ!?」

『説明までもきって進んでいく勇者……』

「あんなザコ、勇者様が出るまでもなく、俺がやってやりましたのに!!」

「ザコこそ、適当でいいだろう?」

「それもそうですね!!」

「ちょ、今回のあたしの扱い一番ひどくない!?」

「死体が起きるな」

 ざくざく

「ぎゃぁぁぁぁぁ……!!」

「よし、行くか」

「行きましょう!」

「あ、あたしの、でばん、おわ、った……」がくっ


『順調に進んでいくも、勇者と格闘家の前に、また新たな敵が現れた』

「ここから先は通しませんよ?」

 群青髪青目、執事服。幹部(ビィ)

 ビィ→幹部

「さっき出てきたピンクとは大違いだな……」

「勇者様はお下がりを! ここは俺が!!」

「いや、二人でやったほうが早いだろう? 魔王のとこまでさっさと行きたい」

「そ、そうですね! 差し出がましい口を……」

(うわぁぁぁやっちまったぁああああ!! また余計なことを言っちまったぁぁぁぁぁ!!)

「い、行くぞ?」

「ハッ!? あ、は、ハイ!!」

「こういう役目としては、こうした方がいいのでしょうね? 恨まないでくださいよ?」

 廊下が凍結。

「“凍結魔法・氷鏡”“氷結魔法・水晶柱”」

 廊下が摩擦ゼロくらいの状態。

「よけろ!」

「ウォン!」

 つるつるの床を頑張って走る、というか滑る。

 勇者と格闘家がいた場所に先のとがった柱のような氷が付きだす。

「面倒ですね。動かないでくださいよ。“凍結魔法・空間凍結”」

「な、なんだ!?」

「か、体が動かない!?」

『口は動くんだな?』

「大人のジジョー!!」

『そうか……』

「それでは、邪魔な勇者たちにはここでご退場願いましょうか……」

 魔法で剣を呼び出し振り上げる。

「ちょっと待て! 何する気だ!?」

「首を落とそうかと……」

「先輩!? 今は違うが、魔王様だぜ!?」

「そうですね。それが?」

「それがって!!」

「私は“魔王”様に仕えるだけだ。魔王様は今、魔王様ではいらっしゃらない……」

「ビィ!! お前、そんな奴だったのか!?」

「そんなやつ、とおっしゃられましても、私は私の信念に従うのみですので」ブンっ

「ビィ!?」

『ちょっと待て! さすがに殺したらまずいだろう!?』

「それもそうですか」

 勇者の首から数ミリくらいで寸止め。

「では、こうしましょうか? お前たち、牢にでもぶち込んでおくがいい」

「あいさ~」

 顔さえ描かれていないようなモブが地下牢に勇者たちを連れて行く。


『そうして地下牢』

「くそっ!!」ガンガン

「モーブ、そんなに暴れるな。無駄な体力だぞ」

「そんなこと言いましても!! くそっ! 先輩があんな奴だなんて!!」

「色々あるんだろうよ? 幹部らしく?」

「それでも!!」

「よしよし落着け」

「くぅ~ん……」

(うぅ!! 魔王、じゃない、勇者様になでなでされちまってる!! うわぁ!! なんてぜいたくすぎるんだぁぁぁぁぁぁあああ!!)

「だが、どうにかしてここ抜けださねぇとな……」

「そうですね!!」

「手ぇかしてやろーか?」

「な、誰だ!?」

「勇者様お下がりを!!」

「ん~、俺ねぇ、キャラがいなさすぎて急きょ駆り出されたモブCさんだぜぇ」

「ハ?」

「紹介もまた後でとか言われちまった。ひでえよなぁ~」

「えと、」

「俺は容姿すらまだ書いてもらえてねぇんだぜ? それなのにさぁ、いきなりこんなとこまで連れて来られて? しかもさぁ、今回限定のミニ紹介みたいなのも書いてもらえないんだってさぁ。ホント、扱いがスナイパーの比じゃないと思うんだぁ~」

「さいですか」

『とっとと話を進めてもらえないか?』

「おっと! ごめんごめん。それでえーっと、何の話だっけ?」

「脱出の話だ!」

「いい加減にしろよC!!」

「悪かったって、元魔王様。で、脱出に手を貸してもいいよって、話」

「どうして魔族が俺に味方する?」

「ん~? だって半分魔族じゃないし」

「雑な扱いのCのくせにめんどくさい設定つけてんじゃねぇぞ!!」

「そんなこと言ったって、魔王様? あ、今勇者様だっけ?」

「んなこたどうでもいい!!」

「でもま、そういうことなんで、とりあえず鍵、これな」ぽいっ

「うわっ! いきなり投げんな!!」

「無くしたらどうする気だったんだ!!」

「怒んなって。はい取り上げられた武器。それから地図。ビィさんには見つかんない方がいいぜ? でも、見つかったら先手必勝。炎系バンバンぶつければ万事解決!」

「あ、ああ」

「んじゃ、幸運を祈ってるよ~」

「あ、おい、待ちやがれ!」

「何?」

「あ、アリガトな! べ、別に、う、嬉しいとかは思ってねぇけど、助かったとか思ってねぇけど! 俺一人でも勇者様連れて脱出できたし!? でもま、助けてくれたんなら? 礼を言わなきゃと思ってだな……!!」

「俺、なんも言ってないぜ? なのに言い訳?」

「はうっ!? い、言い訳なんかじゃねぇし!!」

「あはは。かわいいなぁ~狼さんは」

「な、なんだし!?」

「じゃあ、ね。頑張ってな~」

『こうして無事脱出した勇者一行。魔王のいる最上階に順調に行った……」

『魔王の部屋直前……』

「なぜ、あなたたちがここに?」

『幹部に遭遇することとなった』

「色々あったんだよ!」

「先手必勝!!」

 勇者が答えている間に、モーブが接近する。

「“紅蓮拳”!!」

 手に炎が宿り、それで殴りつける。

「くっ!」

「まだまだぁ!!」

「俺もいるかん、なっ!!」

 勇者、剣に炎をまとわせて切りつける。

「“氷結ま……」

「遅いっての!!」

 詠唱妨害。

「ちっ!」

「先輩が舌打ちって、珍しいこともあるんだな!!」

「うるさいですよ、モーブ! 私にだって苛立つときくらいあります!!」 

 剣を呼び出して接近戦に変更。

『ビィも結構やるんだな……二人相手にそこそこだ。だが、だんだんとそのHPは削られていく……』

「勇者様、最後らへんは俺にやらせてください!」

「? わかった」引く

「なんです? 手加減のつもりですか?」

「そうじゃねえよ! そんなでも先輩だから、……一戦おつきあい願います」

「……ははっ。モーブも成長しているんですねぇ」

「なんですか?」

「いいえ、独り言ですお気になさらないでください」

「せん、先輩が俺に敬語!?」

「行きますよ!」

『先輩後輩の戦いは、カット』

「か、ええぇ!?」

『勇者、感想は?』

「カットされてなんか言えってか!?」

『とてもいい感じの、男と男の戦い、だな。たぶん』

「俺に聞いとてスルー!?」

『そうして……』

「うっ……」

「はぁはぁ……」

「強くなりましたね、モーブ」

「せ、先輩……おれ、先輩にとどめはさせません!!」

「そんなで魔王様を倒すつもりですか? 笑わせないでください」

「でも、でも!!」

『ま、はっきり殺されてしまうと色々あれだから、ここで切るな?』

「え、雑!」

「私は退場ですね。失礼いたします、勇者様?」

「お、おお……」

「モーブ、あと頑張りなさい」

「あ、え、あ、はい……」

「返事は大きく一回で、はっきりと!」

「はい!!」

「よろしい」

「えぇー、何この終わり方……グダグダ感がいつもだ……」

『とうとう、魔王の間』

「魔王!!」

「ふふふっ、よく来たな勇者っ♪」

「って、想像してたけどお前かよ!!」

「うざけんなよ盗賊!!」

「酷いな。でもさ、一番合ってるだろ?」

 銀髪翠目、黒の貴族服、黒マントをまとった男バージョン魔王(とうぞく)

 盗賊→魔王

「まあ、いい。よくきたな、勇者。それで? 何の用だ?」

「分かってるだろ! お前を倒しに来たんだぜぇ!!」

「お前には聞いてない。俺は勇者に聞いてるんだ」

「モーブの言ったとおりだ。お前を倒しに来たんだよ!」

「それはいい。愉快だな」

「愉快だと!?」

「ああ、愉快だ。とても面白いことを言うのだな」

「できないとでも思っているのか!!」

「そうだな。そうかもしれないな。殺すのは簡単だとも。ああ、だが、勇者よ。俺が世界を征服したあかつきには、世界の半分をくれてやるぞ? どうだ? 俺の下に来ないか?」

「バカにするのもたいがいにしろ!! 誰がそんな戯言にのるか!!」

「そうか、それは残念だ」

「それに、世界征服なら自分でやってやる!!」

「……ん? それ勇者のセリフじゃないよね!?」

「そうして世界から争いをなくしてやる!!」

「うん、それは勇者のセリフだ!? ……えー、コホン。なぜそこまでしてやる? 人間など、下等生物だろう?」

「そんなことない! 俺は人間を愛してる!! 人間ラブ! ベリーライク!」

「……んー、もう収集つかない気がするな!! えと、どうしても俺とは気が合わないらしいな!」

「そうだな、だったら」

「戦いで決着をつけようじゃないか!!」

『こうして、勇者の最後の戦いが始まる……!!』


「ちょ、なんだよこれ!!」

「なにって、何さ?」

「お前が魔王で、俺が勇者!?」

「そうだけど、一番王道っぽくネ?」

「そうだけど!」

「あたしの出番酷すぎ!!」

「俺なんかキャラおかしくねぇ!?」

「俺格闘家なのか!?」

「ってか、本物の勇者は!?」

「いるじゃん」

「どこに!?」

『ここだここ』

「ナレーター!?」

『ああ、今回はナレーターだぞ。気が付いたか?』

 勇者→ナレーター

「今ここで明かされる新事実!!」

『気が付いてなかったのか……』

「ま、今回はこういうことで、質問もクレームも受け付けておりませんので!! 締める、ってかきるよナレーター!!」

『オーケー。それでは!』

「あ、おい、ちょ……」

「待ちなさい……」

「『まったねー!!』」

「待てってば!!」

「待ちなさいってば!!」フェードアウト。

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