騎Cと盗賊さんのフラグ話
友人Aこと絵師様が思い出したように時々つついてくるお話です。
友人「騎Cと盗賊フラグ立ってんじゃん」
作者「あー、そうですね? 死亡フラグ?」
友人「そっちじゃねぇ」
盗賊さんが死んだとき。
友人「フラグ」
作者「死亡フラグ回収しちゃいましたよ?」
友人「そうだけど、そっちじゃねぇ」
ってことで今回のお話。
……書きましたよ? これでいいですよね? ね?
『これは舞踏会で、盗賊が騎Cを呼びに行った時のお話……』
「……はぁ」
騎C、バルコニーで酒を片手にため息。
「……なぁに、たそがれてるのよ?」ぴとっ
盗賊、ワイン片手に騎Cの隣に。
二人ともにぎやかな室内を背に、並んで遠くを見ています。
「え? 盗賊さん!?」
「騎士様が私ごときの気配、感じられないとは何事です?」
「……」
「……とりあえず、これだけツッコんどくね」
「なにぃ?」
「……お前はどこのホストだ」
『確かに、白のタキシードとか、なんか、軽いですね。顔もプラスで』
「そんなぁー、酷いよ盗賊さぁん」
「似合ってる。似合ってるよ? 顔もいいし、超似合ってるよ? でもね、なんか軽い」
『これでネクタイ緩めて、第一ボタンはずして、くつろげてたらだいぶ……』
「だよねぇ。あぁ、でも、そんなかっこビィさんが許してくれなさそう」
『あー、そうですね……』
「うんうん」
「えぇー? そういう盗賊さんは……」
「ドレスって柄じゃないでしょう? わかってるわよ」
「いや、似合ってるよ? 舞踏会なんだから、もう少し着飾ってもいいのに。でもさ、そんなとこが盗賊さんっぽい」
「地味ってか? あ?」
「違う違う。無駄に飾らないところがいいって話」
「……ほめ言葉として受け取っておきましょう?」
「実際ほめ言葉なんだけどねぇー?」
「……」
「……」
……
『ち、沈黙が痛いです。みなさん、今の会話、一回も視線合わせていませんよ!? ちらっと横見て、服装確認くらいしかしてませんよ!? こわっ!』
……
「……」
「……」
「……ごめんね」
「どうして謝るの」
「……ごめん」
「だからどうし……」
「私があなたを傷つけた」
「……」
「後悔はしていない。けれど、反省はしている」
「……後悔、しないだろうね。最初、約束してなかったとしても、どうにかして俺に殺させるか、自分で死ぬかしてたんでしょ? わかってる」
「自殺はできない。そういう命令されていたから。だからきっと敵に殺されに行っただろうね」
「だったら、俺が殺した方がまだまし。盗賊さん、他の奴に殺させるなんて、なんかヤダ」
「……束縛強い男は嫌われるよ?」
「別にいいよ。それで俺の平穏が保たれるなら」
「……」
「……」
「……あのs」
「俺さ」
「え?」
「俺さ、弟がいたんだ」
「……いた、んだね?」
「そう、いた、の……」
「……」
「俺が殺した。理由なら、いくらでもあげられるよ。でもね、そういうんじゃないんだよ」
「……うん」
「スラムのさ、ごみ溜めみたいな場所でさ、親に捨てられてから二人で一緒に、頑張って生きてきた」
「……」
「でもさ、弟、体弱くて、すぐに動けなくなった。俺は盗みも殺しも平気でやったよ。それで弟が助かるならさ。ご飯くらいは満足に食べさせてやりたかった。けどさ、そんなことやってたらさ、捕まってさ、でもさ、警察みたいなの、そこのスラム取り仕切ってるやくざみたいなのと仲良しでさ、面白いことしてみろって。そしたら逃がしてやるって」
「……騎C、」
「弟、連れて来られてさ、そいつ殺せって。兄弟で殺し合いって楽しいだろって。どうせ何人も殺してきたんだろって。弟もさ、もう生きてるのつらいし、殺してって」
「騎C」
「でもさ! でもさ……俺できなかった。できなかったんだよ……」
「ぁ、……」
「そしたらさ、弟さ、殺してって、笑顔でいうんだよ! さっきまで怒って、俺がキレて殺すのまってたみたいだったのにさ、今度はさ、笑って、俺の握ってたナイフに、倒れ込んできたんだよ。ごめん、ごめんね。ありがとうって」
「……私のセリフ……」
「うん、ダブって見えた……でも、少し逆だった。だからよけい、わかんなくなった」
――――泣かないで。僕が言ったんだから。兄ちゃんのせいじゃないよ? 悲しい顔しないで?
――――僕が一番悪いから、僕のせいにして? 無理に笑わなくていいよ?
――――――僕のことは忘れて、幸せにね。僕の分まで、楽しくね? ありがとう。さようなら。また会えるといいね。また、来世も、兄ちゃんと一緒に、なれるといいね。
――――――さようなら、また次の生で会いましょう?
「……ごめん」
「……もうこんなことはごめんだよ」
「わかってる。次はない」
「俺に殺させないって意味じゃなくて、だよ?」
「え?」
「もう死なないで。みんなのために、自分殺そうなんてしないで」
「……約束はできない」
「盗賊さ……」
「私は死んでも生き返る。回数制限があるのかは知らないが、まだ死なないと思う。でもみんなは一回で死ぬ。だったら私が一回犠牲になるだけで、何人の人が救える? それを考えたら、無理だ」
「……」
「……でも」
「?」
「でも、ありがとう。そんな心配してくれるのは、とてもうれしく思う。騎Cは私のことは都合のいい玩具程度にしか見ていないと思っていたから」
「そんなわけないでしょ。大事なヒトだよ」
「そう……」
「……盗賊さん?」
「ストレートにそんなこと言われると、さすがに少し照れるな」うっすら赤面
「あのさぁ……? ちゃんとわかってる?」
「なにがだ?」
「盗賊さん、すき。だから傍にいて? できる限り俺が守るから、その代り、俺の傍にいてほしい」
「……?」
「俺が盗賊さんにかまうのは、壊れそうになかったから。強いし、楽しいし、弟みたいに壊れないと思ったから。俺さ、きっと殺すの好きなのは、本当に玩具くらいにしか見てなかったんだと思う。弟殺してから、みんなどうせ壊れるんだからって。俺もその時壊れたのかもしれないね。でも、盗賊さんは壊れなかった。だから一緒に遊びたかった。壊れないものが欲しかったのかわからないけど、最初はそれだけ」
「やっぱり玩具だったんだな……」
「うん、最初は、最初はそう。俺も、壊れたら、いつもみたいに、ガラクタみたいに忘れると思った。けど、盗賊さんだけだよ。壊しても、嫌な感じしか残らなかった、弟以外のハジメテ。いつもなら、楽しいか、つまんなくなってもうどうでもよくなるのに。でもさ、盗賊さんは戻ってきた。それで俺、すごくほっとした。よかったって。そしたらなんか、もやもやした。あれ? いつもと違うって。盗賊さんは、ただの遊び相手なんかじゃなかったんだって気が付いた。なんか、こう、違うんだよ。で、今ちゃんとわかった。ずっと傍にいてほしいんだよ、きっと、俺は」
「……」
「盗賊さん、好き。お願いだから、何処にも行かないで。俺を置いて逝かないで。傍にいて。俺の全部あげるから、盗賊さん、頂戴?」
「……」
「……」
「……返事」
「……ぇ、あ、え?」
「むぅ。ダメなの? 俺こんなに言ってるのに。盗賊さんのことこぉんなに好きなのに、傍にいるのも嫌なの?」
「……ううん、いいよ」
「ぇ!?」
「良いよって言ったの! そう言ってほしかったんじゃないの!?」
「そ、そうだけど……!!」
「いいよ、傍にいてあげる。だから、あなたも傍にいてよ! 私、一人ぼっちはいやだよ。悲しいよ」
「……もちろん。俺の傍にいてくれるなら、盗賊さんも俺が傍にいることになるでしょ?」
「うん、そうだね」
「盗賊さん、好き」
「うん、俺も好きだよ。だって、いいお友達だもんね!」
「……え?」
「いや、いいお仲間? 誰だって一人ぼっちは嫌だもんね。置いてかれる悲しみは僕、結構わかってると思うんだ」うんうん
「と、盗賊さぁん……?」
「あ、違う違う! 魔王に呼ばれてたんだよ! さすがに遅いよね。ほら、いこいこ!」
「え、ちょっとぉ!?」
「今は一人ぼっちじゃないよ! 皆いるよ、待ってるよ!」ぴょんぴょん
「……そうだね。待ってよぉ、盗賊さぁん!!」ぱたぱたぱた
「ユシャちゃん、背中貸して」
「え?」
「てか借りる!!」ぎゅぅ
「え!?」
「うぅ……」
「盗賊??」
「もう、なんでいきなりあんなこと言うんだよぉ……ちょっと期待しちゃうじゃないか……!! なんて、そんなわけないだろっ!? しないしない、期待なんてしない!! ……あー、もう!! 僕は何言ってんだ!?」ぼそぼそっ
「どうした?」
「なんでもないもーん!! あー、もう、騎Cのバカァぁあああ!!」
「!?」
「僕が好きなのは女の子ぼくが好きなのは女の子……」
「……」
「騎Cお前……」
「なんですかぁ?」
「ふられたのか?」
「ぶっ!! なんてこと言うんですぅ!? ちょっと盗賊さんに通じなかっただけで……!!」
「いやぁ、青春だねぇ」くすくす
「トアル王、からかうのはおやめいただきたい」
「あぁ、普通に接してちょうだいな。でも、ふふふっ」
「お前の愛の告白(笑)、聞いててむずむずしたぞwww」
「何盗み聞きしてるんですか!!」
「いやぁ、ホント青春……」くすくす
「趣味悪いですよお二人とも!! 王でしょう!? あなた方王様でしょう!?」
「ほんとに通じてないだけか?」
「どういう意味ですかぁ!?」
「あぁ、とぼけた振りで流す感じかな? あの子やりそうだもんねぇ」
「好きです先輩!」
「あぁ、僕もだよ」
「えぇ!!」
「いつまでもいい後輩でいてくれよ?」
「……え、そっちじゃないですぅ!!」
「えぇ? 何のことぉ? みたいな感じかな?」
「それ、チャンスゼロに近いじゃないですか……取り合ってすらもらえない、ってことじゃないですかぁぁああ……!!」
「よし、直接お前のことどう思ってるか聞いてやろう。……なんて部下思いな俺!!」
「違うでしょう!? ただ単に楽しんでるだけじゃないですかぁ!!」
「盗賊ー、ちょっと聞きたいことがー」
「わー!!」
『あー、男子のみなさーん? 楽しくおしゃべりしてるとこ悪いですけどぉ、盗賊さんが怪しい方向に暴走しはじm』
「盗賊さぁん!?」
「あぁ、勇者、僕、自分のことばっかでごめんね。ほめ忘れていたよ。こんな忘れっぽいぼくを許しておくれ」
「え、あ、ああ?」
「ドレスとても似合ってるよ。清楚な感じがよくあってる。海底の人魚姫みたいだ」
「あ、そ、そうか?」
「うん、守ってあげたくなるよ。壊したくもなる。でも、素敵。ガラスの小瓶に閉じ込めて、危ない外には出したくない」
「え?」
「あぁ、それn」
「勇者ー!! 舞踏会楽しんでるぅ!?」
『あー、割り込んできましたね……』
「あ、ああ、まぁ、楽しんでるぞ……?」
「そっかー、これあげるー」
グラスを差し出す。
「なんだ? ジュースか?」
くぴ
「……」
「勇者ー?」「ユシャちゃん?」「……」
「……」
ぱたっ
「勇者ー!!」
「だいじょぶかしっかりしろ―!!」
「あれぇ、こんなんで倒れちゃうのぉ―?」
「あー、もう、うちの国の重要人物殺さないでよー?」
「そこじゃねぇ!! 勇者のことを心配しろぉ!!」
「この馬鹿国王がー!!」
「はいはい」
「あんたら何してんのー?」
お菓子エリアから騒ぎに気が付いて帰ってきた砂。
「誰が砂かぁ!!」
「黙れじゃりじゃり!!」
「じゃりじゃりいうなぁ!!」
「勇者が、勇者がぁ!!」
「えー? はっ、これは何人もの酒豪が挑んでは破れてきたという、あの、幻の……!!」
「いらんとこに無駄にこったストーリーつけてんな!!」
「そんなことよりゆうしゃぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!」
「あははっ」
『騎C、勇者にヤキモチですか?』
「え、何のことぉ?」
『……。ってか、その幻の酒のんで、なんであんたはケロッとしてんですか!?』
「えー?」
『ザルどころじゃない! 底ぬけてんじゃないですか!?』
「普通だよぉ? ただ、飲んでるうちに酔いがさめてくるってゆーかぁー?」
『それがおかしいんでしょうがぁぁぁぁああああああああああ!!』
『とまぁ、騎Cと盗賊さんが二人きりの時に、こんなことがあったんですよー。……けっ、リア充してんなぁ』
ほんとですよねー。てか、最後の騒動はスルーですか? スルーなんですね?
『てことで今回終了でーす。お疲れ様でーす』
乙様でーす。
友人達との会話で、ヤンデレの話になりました。診断メーカーかなんかだったかな……? ちょっとよく覚えてないんですけど。
作者「騎Cのヤンデレ?」
友A「あはっ、ほら見てよ! これでもこいつが好き? コンナニナッテモこいつが好きなの? あははっ!! あははh((ryてか、こいつをこうしたの、俺だけどねぇ(爽笑」
絶対に血みどろ~な感じのヤバい状況の幻覚が見える、だと!?
作者「……」
騎Cがヤンデルで本当に良かったですね、盗賊さん……ヤンデレたら、盗賊さん、人生終了フラグ……
あー、でも、ちゃんとした恋愛は一年生な気がする騎Cです。ヤンデレなければ、まぁ、あまずっぱぁぁぁああいいんじゃないんですか? けっ←




