まずは自己紹介から始めましょう。
世界樹の図書館の銀色の扉を開けると、そこには視界を埋め尽くすほどの本があった。
壁一面に色とりどりの本が並んでいる。
私はここが大好きです。
おっと、自己紹介がまだでしたね……。
ーーはじめまして、世界樹の図書館の館長をしています、クラウンと申します。
えっ、なぜ喋らないのかですか?
ーーそれは、ここが図書館だからですよ。
この図書館では会話はほとんど禁止ですから、基本的には念話で会話をしていただくことになっているのです。
騒がしい来館者の方には個別指導を受けて頂いています。
まぁ、それでも抵抗される方には最終指導されてもらうんですけどね。
でも、当然の結果だと思いません?
私の娯楽を取り上げるほうが愚かですよね?
にもかかわらず、更なる恩恵を受けようなんて傲慢なんですから。
ーーぶち殺したくなるんですよね。
挽き肉みたいに、ぐちゃぐちゃにしたら、悲劇という『物語』の糧として。
ーーきっと楽しい悲劇がまた生まれてくれる。
そうしたら、とっても愉快ですね。
生まれたての『物語』は何が起こるか分からないから、 一番楽しくて面白いんですよ。
あらら?
お客様が御来館されたようですから、失礼しますね。
新しい『物語』を入荷しましたら、追々連絡致しますので。
「愉快な『物語』の旅を。」