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「波瑠に会えるのが楽しみだったし、相談してくれるのもすごく嬉しかった」
うん…あたしも…。
隼人さんに会いたくて会いたくて、隼人さんに優しくしてもらえるのが嬉しかった。
「このままでいられたらな、って思ってた頃、アイツがきたんだ」
アイツ……元カノ?
「何度帰れって言っても帰らないし、波瑠は波瑠で急に会わなくなって無視するし」
「………」
ごめんなさい。
一応、心の中で謝っておいた。
「波瑠に会ったあの雨の日、本気でどうにかしないとって思って…。
ブチ切れて『いい加減にしろ!帰れ!!』って叫んだのに、マンションに住み込もうとまでしてきたから、腹が立って奥の手使った」
「奥の手…?」
「アイツの実家に行って母親に文句言ってきた」
…え…?
えぇぇー!?
「両親に逆らえないのは知ってたから。
それで、大人しく帰っていった」
何だろう…、いろいろすごい…。
「…全部説明し終わったけど、ちゃんとわかってくれた?」
「…うん」
「……本当にわかってんのかな」




