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あぁ、何であたしついてきちゃったんだろう。


自分で自分がわからない。



「………」


「………」



さっきから一言もしゃべらない。


連れ出したのはあなたなのに…と、隣で歩く隼人さんを睨んでみる。



「………」


「………」


「あの、隼人さっ…」


「悪いけど、言い訳聞いてくれる?」



この沈黙が辛くてあたしが話しかけようとすると、隼人さんがしゃべりだした。



同時に、ぎゅっと握られる右手。


まるで、「逃げるな」と言ってるみたいだった。



「波瑠が見た女の人は、俺の元カノだよ」



ツキン…


やっぱり、と思う反面、“元”という言葉に安心している自分もいる。



「俺がこの町から出て行って、違う所に住んでた時、中2から高1まで付き合ってた彼女」


「………」


「その子ね、割といいとこのお嬢さまで、何で俺を選んだのかわからないけど、向こうから告白してきたんだ。

当時の俺は、ヒトに対してあまり興味を持ってなかったから、それでもよければって付き合ってた」


「………」


「でも高1の終わりぐらいにね、彼女からある事を言われて…」



『隼人くん…どうしよう…。

親が…、この人と結婚しなさいって、男の人を連れてきたの…』



「いいとこのお嬢さまだったから、政略結婚っていうのがあったんだろうね。

でも…」






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