7/84
2-2
それができたのは、1年まで。
亮の自由時間が減る。
それはつまり、2人きりの時間が減るということ。
1年の時は同じクラスだったから、一緒に遊ぶ時間が無くても、毎日顔を見て話していた。
それだけで十分だと感じていた。
でも、2年になってクラスが離れてからは、会えない時間が多くなった。
それでも…。
少しでも時間を作ろうと、一緒に帰ろうと誘った日もあった。
『ごめん、波瑠!
今日クラブの助っ人があって…』
『波瑠…。
ごめん…これやらないと…』
『波瑠…ごめんな…?』
『ごめん…』
そうやって断られるうちに、次第にあたしも誘わなくなっていった。
亮は優しい。
だけど、その優しさは、あたしには残酷だった。
優しいのはいいけど、たまには彼女を優先してほしい。
亮から告ってきたくせに。
なんていじけながらも、亮が好きなのは事実で…。
今日、あたしは頑張って声を掛けた。
次の休みの日、少しでも会えないかって。




