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8-3




ここ最近、隼人さんから毎日のように電話がかかる。


たぶん、急に連絡しなくなったあたしを心配してくれてるんだと思うけど、あたしはその電話を取ることすら怖れている。



声を聞くだけで、きっとあたしは泣いてしまうから。



「あんたが話さないから、わざわざ隼人さんから電話くれるんでしょ。

あんたが応えないでどうすんの」



グズグズするあたしを見てイラついたのか、沙柚があたしを『波瑠』ではなく『あんた』と呼んだ。



「でもっ…でもっ…」



涙が出て仕方ないあたしに、沙柚は大きな溜め息をついた。



「……あたしに出来ることなら、何だってしてあげる。

波瑠の為なら何でもできるし。

でもね…波瑠。

これは、波瑠が越えなきゃいけない壁なの」



あたしは、潤んだ目で沙柚を見た。



「波瑠が頑張るしかないんだよ。

わかった?」



沙柚に言われ、あたしはコクコクと頷いた。



「よろしい。

時間も遅いし、もう帰りな?

また聞いてあげるから」


「……うん。

休みの日にお邪魔してごめんね」


「いいよ。

いつでも来ていいから」



そう言ってニカッと笑う沙柚を見て、あたしは沙柚の家を後にした。






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