7-8
「はぁ…」
学校からの帰り道。
あたしは溜め息が止まらなかった。
沙柚が言うには、『あんたみたいな鈍感娘は、実際会ってみないとわからないんだ!会って自分の気持ちを確かめてくるといいわ!』ということらしい。
って言っても、今日は会う約束なんてしてなかったし、すぐには無理だよ…。
とか思いつつ、自然と足が公園に向かっているのには、自分でも少し恥ずかしくなった。
いないと思う。
いたらラッキー、くらいしか思ってない。
うん、期待なんてしてない。
自分を落ち着かせながら、公園の入り口に着くと、あたしはその場から動けなくなってしまった。
「隼人…さん…?」
隼人さんがいた。
でも、
「……だ、れ?」
1人じゃなかった。
隼人さんは、知らない女の人といた。
「かの…じょ…?」
ううん、違う。
隼人さんだって、女の友達くらいいるよ。
あたしだって、男の友達いるもん。
それくらい…、
「………!!」
なんてことないよ。
という言葉は、目の前の言葉であっさりと覆された。
隼人さんと女の人が……キスしてる。
「……っ」
あたしは堪えられず走り出していた。
ねぇ…沙柚…。
確かに、鈍感娘のあたしでもわかったよ。
あたし、隼人さんのことが好きなんだね。
でもさ、沙柚…。
「う…うっ…」
知らなければよかったよ。
こんなに苦しいなら…。
知りたくなかったよ。
「うぅ…うわぁあああっ」
ねぇ…どうすればいい…?




