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「そっか…。
それならよかった」
そう言った亮は優しく笑っていた。
「泣くなよ、波瑠」
「…うんっ…、ごめん…」
あたしは、ゴシゴシと目をこすった。
「…さて、まだ昼なんだけど…、どうする?
もう帰る?」
「…帰る」
ようやく涙が止まってきたあたしを見て、亮はフッと笑った。
「わかった。
じゃあ家まで送らせて?
さすがに一人で帰らせるわけにはいかないから」
「うん…、ありがとう」
あたしは、亮に甘えて送ってもらうことにした。
これで…こうして2人で帰るのも最後かぁ、なんて思いながら。
────…………
「じゃあ波瑠、気をつけて」
「うん…」
家まであと数メートルという所で、亮と別れる。
バイバイ、と手を振ろうとすると、亮の顔が固まっているのに気づいた。
「亮?」
亮の目線は、あたしのずっと後ろにあった。
「…?」
後ろをゆっくりと振り返ると、驚いて時が止まったかと思った。
「隼人…さん…?」
あたしの家の近くで、隼人さんが立っていた。
隼人さんを見たまま動けないあたしを置いて、亮は隼人さんの方へ歩いていった。
そして、隼人さんの近くで数秒間止まって、そのまま帰っていってしまった。




