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6-1



『──おにいちゃん!』



あたしは、誰かの名前を呼びながら走っていく。


その声は、とても楽しそう。



『はる』



優しく微笑み迎えてくれた少年は、どことなく誰かに似ていて、胸の辺りがキュッとなった。



あたしとその少年がいるのは、どこかの家。

そこの、庭みたいな場所。



『──おにいちゃん。

このハナはなんていうハナ?』



あたしは、近くにあった花を指差して言った。



『これ?

これはね、パンジーっていうんだよ』


『ぱんじー?』


『はる、パンジー好き?』


『うん!

かわいくてすき!』


『そう。

じゃあ、はい』



そう言って少年は、パンジーを一房取った。



『はるにあげる』


『いいの!?

ありがとう!


はやとおにいちゃん!』



……!!



──────────

──────



目をしっかり開くと、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいるのが見えた。



はやと…おにいちゃん…?



「………っ」




それが、自分の記憶だということに気づくのに、そう時間はかからなかった。






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