37/84
5-10
「わざとかよ、その顔」
「え?」
「いや、なんでもない」
あたしはジーッと隼人さんを見つめる。
「…なに?」
そしてハッと思いつく。
「わかった!
隼人さんって、沙柚に似てるんだ!」
「は?」
何のことかサッパリ、というような隼人さんを置いて、あたしはどんどん話し続ける。
「隼人さんと出会ってから、何かデジャヴが多いなって思ってて…。
それって、沙柚と似てるからなんだって!
ハキハキした態度とか、ちょっと謎めいてるところとか…。
口調とかそっくりだし!」
キラキラって顔のあたしとは対象に、隼人さんは若干呆れぎみ。
「あー…、うん…そっか…。
俺って謎めいてるんだ……」
心なしかテンションが下がったように見えるのは気のせい?
「隼人さん…、つまらないですか…?」
何か気に障ることを言ってしまったかなと、ちょっと下手に出てみると、隼人さんはパッとこっちを向いた。
怪しい笑顔を浮かべて。
「うん、つまんない。
だから踊るぞ!波瑠」
隼人さんはあたしの腕を引っ張って、ダンスに参加させた。
あたしはいやいやと首を振りつつも、結局最後まで隼人さんと踊った。
ただただ、とても楽しかったから。




