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5-9




「え?」



沙柚が何て言ったのかわからず、聞き返そうとした瞬間、沙柚は立ち上がって走っていった。


そして4mくらい進んだ所で振り返って、



「じゃ、あたしは愛する竜二のとこに行くから!

波瑠も楽しんでね〜!」



と言って手を振り、どこかへ行ってしまった。



「…あれ…?」



さっきの話…、結局何だったんだろ…?



「また今度聞けばいっか。

隼人さんまだかな〜…」


「お待たせ、波瑠」


「きゃあ!?」



いつの間にか隣にいた隼人さんに驚き、声が裏返る。



「そんなに叫ばなくたって…。

はい、ジュース」



落ち込んでいるように見えるけど、絶対タイミングを見計らってた。


策士だ策士。



「…ありがとう」



隼人さんが買ってきてくれたのは、ファンタのグレープ。


あたしが一番好きなジュース。




「…波瑠、音楽始まったよ?」



ダンスの曲が始まっても一向に動こうとしないあたしに、隼人さんがわざわざ声をかけてくれる。



「うん、いいの。

もうちょっとこのままがいい」






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