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5-5




12時になってやっと終わり、制服に着替えて更衣室から戻ると、隼人さんがまだ席に座って待っていた。



ドアの所から隼人さん!と呼ぼうとしたら



「波瑠」



声を掛けられた。



……え?



「りょ…う…?」



そこには、亮が立っていた。



「波瑠、あのさ…。

良かったら文化祭…一緒に回らない?」



亮を見ると、動機がする。


ドキドキっていう、楽しい感じではなくて、ドクンッドクンッという、怖い感じ。



あたしはゆっくり呼吸を整え、口を開く。



「…っ、だめ…。

一緒に回る…ヒトがいるからっ…」


「…高原さん?」



あたしは、ブンブンと首を振る。



「じゃあ誰?彼氏なんだからいいじゃん」


「彼氏じゃないっ…!」



しれっとそんなことを言う亮を、あたしは必死に睨んだ。



「波瑠」



亮が一歩踏み出す。



いやっ…!来ないで……!!


そう思って身構えた瞬間、あたしの目の前を何かが防いだ。



「……あんた誰?」



亮の声でバッと見上げると、あたしの前にいたのは隼人さんだった。



「隼人…さん…?」



隼人さんは、あたしを背にして亮と向かい合っている。


その表情は…見えない。






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