表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/84

5-2




…なに。


来てくれそうな雰囲気だったのに…、違うの?



「来て…くれない、の…?」



明らかにテンションが下がったあたしを、隼人さんはお見通しだというような顔をして見る。



「来てほしい?」


「へ…?」


「波瑠がどうしても来てほしいっていうなら、行ってあげてもいいけど。

っていっても、俺用事あるから2日目しか行けないけどな」



どうする?と目で笑う隼人さん。



わ…わかってて言ってるんだこの人!



「…い、いじわる」



半泣き状態になったあたしを見て、今度は声を出して笑う。



「言わないと行かないよ」



うぅ…。


隼人さんのばかぁ…。



「………て……さい」


「なに?」


「きて……くだ、さい…」


「聞こえなーい」


「〜!!

来てください!」



仕舞いには逆ギレみたいになってしまったあたしの頭を、隼人さんは優しく撫でる。



「よくできました」



優しく微笑む隼人さんを直視できなくて、あたしは俯いた。



「15日だっけ?」


「…うん」


「波瑠、何組?」


「…3組」


「怒るなよ」


「…怒ってない」



隣から溜め息が聞こえた。



「じゃあ、昼に波瑠の教室行くから。

待ってろよ?」


「…うん」


「俺もう帰るけど…波瑠は?」


「……もうちょっといる」


「あっそ。

気ぃつけて帰れよ」




結局、あたしは最後まで顔を上げなかった。




怒ってないよ。



ずっと俯いてたのは、怒ってるからじゃなくて……


ニヤついていたのを隠してただけなんだよ。



なんて、恥ずかしくて死んでも言えない。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ