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「…なるほど。
それで波瑠は今、挙動不審なんだね」
「……はい」
どうすればいいのかな?という問いに、隼人さんはうーんと首をうねらせる。
「どうするもなにも、波瑠が言いたいことを言うしかないよ」
やっぱりそうだよね…。
「でも…不安なの…。
落ち着かなくて……、言いたいことを言えるかどうかもわからない…」
また泣きそうになるあたしを見て、隼人さんは小さく溜め息をつく。
「波瑠、携帯貸して」
「え?」
何だろうと思いつつ携帯を渡すあたしはバカだろうか。
しばらくポチポチと押していた指を止めると、隼人さんは携帯を返してくれた。
「はい。俺の番号ね」
「…え?」
驚いて画面を見ると、そこには隼人さんの名前と、電話番号とメールアドレスが書かれていた。
「不安で仕方ない時とか…相談したい時は、そこに連絡して」
え…うそ……。
……すごく、嬉しい。
「一応メルアドも入れたけど、俺あんまメール返さないからね」
どうしよう…。
嬉しくて涙が出そう…。
「……波瑠ちゃん聞いてるー?」
「…え、うんっ!
連絡する!毎日する!」
「いや、毎日しなくていいし」
ははっ、と優しく笑う隼人さんはとても素敵で、帰ってからもしばらく、その笑顔が頭から離れなかった。