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公園に着くと、まだ隼人さんは来てなかった。
待ち合わせしてるわけじゃないし、当たり前なんだけど。
どうしよう。
亮になんて言えばいいのかな。
今の状況は辛いけど、亮が嫌いなわけじゃないし…。
でも、このままじゃいけない…。
どうしようどうしよう……!
いつもだったらベンチに座って待ってるけど、今日はどうも落ち着かず、立ってウロチョロしていた。
ウロウロウロウロ…
ウロウロウロウロ…
「怖いよ波瑠。
挙動不審なんですけど」
声が聞こえてバッと顔をあげると、入り口にはコンビニ袋を持った隼人さん。
「隼人さん!!」
あたしは真っ直ぐ隼人さんに向かい、ガバッと抱きつく。
「おわっ。
…どうしたの、波瑠」
「………」
隼人さんの顔を見ると、安心して涙がでそうになる。
「……よしよし。
お兄さんが話を聞いてあげるから、その泣きそうな顔をやめなさい」
あたしは零れかけた涙を早めに拭って、隼人さんとベンチに行った。