4-1
「波瑠、今週の金曜日」
「へ?」
沙柚に相談して数週間後。
とある日の水曜日の放課後、沙柚にそう言われた。
「アイツとちゃんと話しなね、じゃ」
「え、ちょ…ちょっと待って…!」
さっさと帰ろうとする沙柚を、あたしは必死に止める。
「どうしたの。
話し合いたいんじゃないの?」
そうだけど……!
「どうやって頼んだの!?」
あたしがいくら言っても聞いてくれなかったのに。
「あー…、それね…」
沙柚はあたしに顔を近づけ、人差し指を立てて言った。
「な・い・しょ♪(ニコッ)」
妖艶に微笑んで、そして今度こそ帰っていった。
沙柚さま……、あなた一体何て言ったんですか…。
「あっ…。
そんなことよりも…!」
どうしよう……。
遂にこの時が来たんだ。
隼人さん…!
実は、今日までの数週間、隼人さんに何度か会って話をしていた。
悩みについて、友達が手伝ってくれて、解決するかもしれないということ。
それだけじゃなく、学校であった他愛ない話とか、家族の話とか、いろいろ。
話していくうちに、幼なじみだったとか関係なく、自然と仲良くなっていった。
今では隼人さんのことを、もう一人のお兄ちゃんみたいに思っている。
頼りになる、優しいお兄ちゃん。
「隼人さん……」
どうしようどうしようどうしよう。
こんな時行くのは、
もちろん公園。