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「え?…な、なに?」
沙柚の雰囲気が変わったのがわかった。
なんか…嫌な予感がする…。
「あたしね、波瑠のこといつも見てるの。
だから、だいたいの波瑠の気持ちはわかるんだ」
うーん。
見ただけでわかるなんてすごいなぁ。
あなたエスパーですか。
「それでね…。
2年になってからの波瑠は、いつも寂しそうで、辛そうで…、見ていられなかったわ」
…ご心配をおかけしました。
「でも、今日は違った」
………え?
「なんか…心なしか明るい気がした。
そんなには変わってないけど。
……何かあった?」
沙柚に聞かれた途端、昨日のことを思い出し、急に恥ずかしくなった。
あたしに、あんなイケメンで優しい幼なじみがいたなんて…。
想像するとこっぱずかしい。
「はっはーん。
やっぱり何かあったんだ?」
……しまった。
「さぁ、覚悟を決めたら…、お姉さんに白状しなさーい!」
「あはっ…やっ、やめて沙柚っ……くすぐったっ…あひゃっ」
その後、あたしは数十秒間くすぐりの刑にあい、おとなしく白状した。
そして、現在に至る。
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「でも、本当に幼なじみかはわかんないんだよね?」
「…うん」
「そればっかりは波瑠の記憶がないもんねー。
…いや、嘘だとしても羨ましい!
波瑠、今度紹介してね!」
「う、うん」
「あー!あたしもイケメンと出逢いたい!!」
こらこら、彼氏さんは?
その後は、沙柚と他愛ない話をして家に帰った。
隼人さんには会わずに。