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「で、どうしたの?波瑠」
放課後、教室──。
あたしは沙柚と向かい合う。
「………」
言っても…いいのかな…。
亮から告白されたとはいえ、実を言うと、2人の間を取り持ってくれたのは沙柚だった。
もちろん、沙柚も亮も初対面だったけど、亮はまず沙柚と友達になって、それから、あたしに紹介してと頼んだらしい。
沙柚には彼氏がいたから、亮にはまったく興味がなかったらしいけど、なんだか利用された!って、今でもぷんぷん怒ってる。
「…アイツと、上手くいってないの?」
だから沙柚は、亮をアイツ呼ばわりする。
「……うん」
あたしの返事を聞いて、沙柚は盛大な溜め息をつく。
「だと思った…」
さすが沙柚。
気づいてたんだ。
「あたしもちょくちょく噂聞くからねぇ…。
『杉山亮は優しい。なんでもお願いを聞いてくれる』ってのは有名だし…」
そっか…、そんな噂が流れるくらい…。
「だから、波瑠の悩みはなんとなく想像つく。
…アイツ、やっぱりダメだなぁ」
やっぱりって…。
沙柚は、なんとなく予想してたのかな…?
「でもね、波瑠。
悩んでたって始まらない。
前に進まなきゃ」
…うん。
わかってる。
「波瑠はどうしたいの?
別れたい?それともまだ付き合いたい?」