第六話 貴方の百鬼夜行
こんにちわ。シャドーです。さて、最後のご案内となりますこの話。いったいどのようなお話にしましょうか。
そうですね、貴方は百鬼夜行をご存知でしょうか?
百鬼夜行とは普通、平安時代など昔々に都の中を歩いていくとされた化け物行列のことを指します。しかし、時代が変わろうとも決してそれが消え去るわけではないのです。今は今の時代の百鬼夜行が存在しているのですよ。
今回は百鬼夜行の世界へ、貴方をご招待しましょう。
そう、今回の主人公は『貴方』です。
案内はわたくしシャドーが致しますが、無事に帰ってこれる保障は致しませんのであしからず。
では、貴方の百鬼夜行の始まりです。存分に楽しんできてください。
貴方が今来ている場所がわかるでしょうか?
石に名前が彫られ立ち並んでいるこの場所。辺りはその石ばかりが所狭しと並べられ、その向こうは木々で覆われているところです。そう、ここは墓地なんですよ。
貴方は、その墓地の中の一つの墓の前に立っているのです。しかし、その墓石には名前が刻まれていないのがわかりますか?
貴方がどんなに目を凝らして見たところで、目の前の墓石には名前が浮かび上がってこないことでしょう。なぜかって?それはきっとそのうちわかりますよ。
ほら、墓石ばかり見つめていてはお話は進みませんよ?上を見上げて御覧なさい。
「……。」
貴方は声がでないほど驚いているのでしょうか?まぁ、当たり前といえば当たり前ですね、視界に首のない馬が入ってきたのですから。
首切れ馬は、空中に留まったまま体を貴方に向けています。まるで、貴方を見ているかのように。
「あれ?人?君、誰?こんな日に外に出ちゃ駄目だよ。」
貴方の背後から声が聞こえてきました。貴方は、一瞬戸惑いながらも振り返ってしまいます。
声の主は、貴方のすぐ真後ろにいました。とても近い位置に彼はいます。彼は小さな体を法被で包み、顔を狐の面で隠している少年です。
貴方は、この少年に見覚えはありますか?彼はどうやら、人ではないようですが。
「……でも、もう遅いか。夜行さんにも見つかちゃってるし。」
少年は、首切れ馬に視線を送り、貴方にもう一度視線を返します。お面でまったく彼の表情を伺うことができません。
「ねぇ、帰してあげようか?」
少年は貴方に問いかけてきます。どうやら既に貴方はどこか別の次元へと足を踏み入れてしまったようです。帰るには、少年の言葉を聞くしか方法はないと思いますよ。たとえ、無理難題を言われようとも。
「ってか、僕の力なしじゃ、君。夜行さんに蹴られて死んでしまうもの。断るわけがないよね。」
少年は、貴方の返答を聞く気がないようです。すでに次の行動に移るべく、懐を探っています。おや、彼は懐からもう一つのお面を取り出しましたよ。
鬼のお面のようです。怒ったような表情をしていますね。黄色い角が二本立ち、牙も四本生えている赤鬼のお面を、少年は貴方へと差し出してきます。いえ、貴方の顔へとそのまま鬼の仮面を近づけてきましたよ。
「っ!?」
貴方は小さなうめき声をあげますが、お面のせいで一瞬視界が真っ暗になったでしょうが、どこも痛そうには見えません。むしろ、鬼の面が貴方の顔にぴったりと張り付いているように私には見えますよ。
鬼のお面の目の部分は見えるようにくりぬきがしてあり、貴方の目がしっかりと覗いています。
「よく似合ってるよ。それを被ってれば大丈夫、バレやしないよ。今日は夜行日。妖怪や霊たちが集まってくるんだ。バレたら速攻で食べられちゃうかもね。」
お面の口元に手を当てて、少年は笑い声を上げます。貴方は、思わず片方の手を少年に伸ばして何かを伝えようと口を開き
「おーっと。しゃべるなかれ。しゃべったら、その面の効果は消えて妖怪達にあんたが人間だとバレてしまうよ?いい?ぜーったいしゃべっちゃ駄目だからね。」
彼は貴方が話し出すよりも先に、ずいっと貴方の手をすり抜け貴方の目の前へ自分の顔を近づけました。狐の面がきっと貴方にはよく見えたことでしょう。
彼の口調は実に愉しそうだ。まるで、貴方の正体がバレても彼にはどうでもいいことだと言ってるかのようです。
「百鬼夜行から逃げ出したくば、黙って僕についておいで。夜行さんに乗せてあげるさ。」
少年が貴方から少し離れて首切れ馬に指で合図すると、首切れ馬は彼の横へと着地しました。先程よりも近く、月明かりで不気味に浮かび上がる首切れ馬。
少年は馬の背中を撫でてから貴方に手を伸ばします。するとどうでしょう、貴方の体は宙に浮かび上がり、次の瞬間首切れ馬の背中に座っていたのです。
少年は、馬の首を叩くと、貴方に背を向けて歩き出しました。馬も貴方を乗せたまま、彼の後ろをゆっくりとついていきます。
歩く先は、黒い闇夜に覆われ先が見えなくなっています。きっと、ここからどこかへと移動するのでしょう。
おっと、言い忘れていましたが、私は貴方にも少年にも他の者にもいっさい見えることはありません。しかし、貴方の横にずっと付き添いますよ。
それと、何が起ころうとも私はいっさい手足を出しません。出すのは口だけ。そこらへんを覚えて置いてください。
私がするのは状況説明と、私が思ったことを貴方に伝えるだけ。
私の声は、貴方にしか聞こえませんから私が何を言っても相手に気付かれることはないでしょう。
貴方は、私の声を聞きながら、目の前は真っ暗闇の中へと侵入をはたしましたね。
暗闇の中を抜けると、辺りはどこにでもあるような家が並ぶ場所へと出ました。軒並みに並ぶ家々、そこの付近を走る小さな道路と呼んでいいものか、細い道をゆっくり彼と貴方は進んでいきます。
しかし、人の気配はありません。歩いているのは貴方と少年だけ。
「夜行さん。ストップ。ほら、あっちから百鬼夜行の第一波がやってくるよ。」
少年が立ち止まり、とある方向を指差します。そこには、うっすら白いものが揺れているように見えます。だんだんとそれはこちらに向かってきているよう。
近くまで来たそれは、人の形をしていました。皆、虚ろな表情で貴方の横を通り過ぎて行きます。真っ白な肌に、白装束を着ていることが見てわかりました。どうやらこれは、死人の行列のようです。
おや、一人の少女が貴方に気付きましたよ。貴方と少女の目が合います。
「お、お願い!助けて!!ねぇ、助けてよっ!!」
貴方に駆け寄ってきて、少女は涙を零しながら貴方に訴えました。彼女は額に皺を寄せ、瞳の曇りが恐怖を指し示しています。しかも、よく見ると手は両の手首に手錠がはめられており、上手く動かすことができないようだ。
「放っておきなよ。君も引きずり込まれちゃうよ。」
少年が貴方に言います。仮面から密かに覗く彼の目は、ひどく冷たい印象を受けますね。少女は貴方の足に触れました。貴方が体を強張らせることから、どうやらかなり冷たかったのでしょう。当たり前です。彼女は死人なのですから。
「ねぇ、ねぇ!怖いのっ。お願い、助けて!」
「行くよ。面白いもの見せてあげるから。」
懇願する少女が見えないとでも言うかのように、少年は歩き出す。貴方が乗ってる首切れ馬の夜行さんも彼について歩き出しましたよ。
少女は列から出ることが出来ないのでしょう、貴方を見送りながら仕方なく前の人へと着いていきます。しかし、少年と貴方の方がその行列よりも足並みが早く、少女をどんどん引き離していきます。やがて、彼女も列も見えなくなりました。
「びっくりしただろ?百鬼夜行が人間の行列なんて。でも、大丈夫。進めば進むほど想像していたものに近くなると思うよ。」
彼は笑いながら先へ先へと進みます。辺りの景色は一向に変わらず、家が立ち並ぶばかり。
しばらく行くと、今度は前に白いものが見えてきました。
目を凝らしてよく見てください。どうやら、先程とは違った行列のようです。同じような人の集団ではありますが、貴方と同じように様々な仮面をつけているようです。しかし鬼や妖怪と呼ばれる類の仮面ばかりですね。
「もっと先へ行くよ。」
貴方が近づいて横を通り過ぎる行列に目を奪われていると、少年は楽しそうに発言しました。彼は言葉通りに止まることなく先へと進みます。
やがて、お面をつけている集団も後ろへと消え失せていきました。しかし、すぐにまた、前に何かがいるのが見えます。
あれはなんでしょう?先程とはまた違った列のようです。少年と馬は止まることなく進みます。ですから、前方のものはやはりだんだんと形を成すのです。
「ほら、やっと百鬼夜行らしくなってきたよ。」
少年が嬉しそうに貴方に振り向き、前方のそれらを指差します。前方のそれは、下半身は人のモノですね。けれど、上半身はそれぞれ違っていますよ。鬼であったり、河童や悪魔なんてのもいるみたいですね。とても異様な光景に見えますが、なんだか気になりませんか?
今まで見てきた者達。人間からお面をつけ、上半身が化け物と化す。いえ、一連があってこうなると言っているわけではないのですが、そう見えないこともなくはないですか?
そういえば、この人たちはいったいどこへ向かって歩いているのでしょう?私も貴方もそれすら知らずに少年について来ている。少し、用心した方がいいかもしれません。
「ふふ。さあ、先へ行こう。」
彼はまた前を向いて先を急きます。貴方も上半身がいような行列の横を通り過ぎていきます。また、後方にそれらは消え、前方に何か見えてきます。
そう、貴方もきっと予想がついているでしょう。これが俗に言う百鬼夜行。鬼や妖怪が都を練り歩くあれです。
彼等は見事に鬼や妖怪そのものの形をしています。さあ、この先にはいったい何があるのか。楽しみではありませんか?
「これが百鬼夜行。人や物がだんだんとこれらになっていく様、なかなか楽しいものだったでしょ?でもね、君にはもっと先を見せたいんだ。」
どうやら、本当に私達は百鬼夜行ができるまでを見せられていたようですね。最終的に百鬼夜行になったそれはいったいどこに向かっているのでしょう。
どうやら少年は、貴方にこの先を見せたいようです。もし行きたくないと思っていても、貴方はその首切れ馬から降りられないでしょう?だって、首切れ馬は止まってくれませんから。
少年も首切れ馬も、貴方の返答を待たずに先へと進みます。
百鬼夜行がどんどん遠のき見えなくなりました。しかし、前には何も見えません。というよりは、月が雲に隠れ、真っ暗になったせいで辺りが見えないだけなのですが。
「今、ある者が君の隣にいるよ。」
しかし、少年は貴方にそう言いました。もうすでに前ではなく、横まで何かが来ていたようです。少年と馬の歩く速度が落ちます。どうやら、横にいるソレに歩幅を合わせているようです。
どうです?貴方には見えますか?残念ながら、私には暗くてよく見えないのですが。
おや、月が雲から顔を出しましたよ。だんだんと目の前が明るくなっていきます。隣にいるそれも、月明かりに照らされ姿を現しました。
引きちぎられたように赤黒い肉と、逆立った茶色い毛が覗く首、しなやかの馬の体。貴方が乗っている首切れ馬と同種のようです。そして、その上に跨っているのは、人ではなかった。
ごつくて赤い体に、白く鋭い牙が口から覗き、鋭く釣り上がった目に、黄色い角が二本。まさしくそれは鬼。
「わかった?百鬼夜行を率いている者の正体が。」
少年は楽しそうに貴方に微笑みかけます。
首切れ馬に乗った赤鬼、人からお面そして妖怪へと変化した行列。この意味が貴方にはわかりますか?
「ぐあががががが。」
貴方は我慢が出来なくなってしまったのでしょう。声を上げてしまいました。しかし、声は低く呻き声のように言葉にならないものでした。
そう、貴方の体もまた、目の前にいる赤鬼と同じようになっているのです。だから、吼えるような声しか出すことができない。
「あははは、しゃべちゃったね。でも、もう大丈夫。だって、君は人間じゃなくなったんだから。しゃべたって誰も君を人間だ何て言わないなのさ。あははははは。」
少年は、笑って貴方の前に浮かんできます。貴方は彼に嵌められてしまったのです。しゃべってもしゃべらなくても、貴方はきっと結果的にはこうなってしまっていたのです。
いったいこの少年は何者なのでしょうか。
「あはははは、振り返るといいよ。君の後ろについてきてる奴等をさ、見てみなよ。」
振り向いてはいけません。貴方は見てはいけないものです。これ以上、少年の言うことに耳を傾けてはいけません。でなければ、本当に貴方は帰れなくなってしまいます。そう、このまま百鬼夜行の一部として、どこかへ連れて行かれてしまうでしょう。
「どうしたの?見てみなよ。」
もし、見たいとおっしゃるなら、私が見ている光景をあなたにお伝えしましょう。
貴方の後ろには、無数に白い手が貴方を掴もうと待ち構えているのです。決して振り向いてはいけません。振り向いた瞬間に、貴方はその白い手に引きずり込まれることでしょう。
いますぐ、お面を外してください。大丈夫です。貴方の後ろの手を伸ばしている人たちは、まだお面を被っていませんし、妖怪にもなっていませんから。ですから、貴方もまだ大丈夫なはずです。お面を外すと思って顔に手をかけてください。
「何をしているの?なんで見ないの?なんで……」
先程まで楽しそうな口調から、少年の声はだんだんと低くなり、変化していきます。それに伴い、少年の体にも変化が見られます。額から小さな角が出、だんだんと大きさを増します。体も、先程までの弱弱しい子供の体ではなく、だんだんと膨れ始めています。
「なんで、それを外そうとするのだっ!?」
怒気を孕んだ大声が貴方の鼓膜を震わせます。それと同時に、目の前の少年は貴方よりもずっと大きな、赤鬼へと変化したのです。貴方の目の前には、ぎょろりとした片方の目と、鋭く尖り口からはみ出している牙が見えているでしょう。彼の全身を見ることはかなり難しいと思います。
それよりも、早くその手をつけているお面を顔からお外しなさい。恐怖に負けている場合ではありません。
「外すんじゃないっ。外したらあんたを俺が食らうしかなくなるんだ。外してはいけないんだっ。」
鬼の言うことを聞いてはなりません。あの鬼が言うことを聞いてしまったら、貴方はまた陥ってしまいますよ。この世界に。
さあ、深呼吸をして心を落ち着けて。ゆっくりとでいいです。面を外してください。
「駄目だっ!外しちゃ!外せば、僕と同じになってしまう。見たでしょう?剥がれ落ちたのを。」
確かに、鬼へと変化する際に彼からは狐の面が剥がれ落ちました。
いいでしょう。これは貴方が決めることです。面を外すも外さずも貴方しだい。さあ、どうしますか?
「……。」
「さあ、外さずにこのまま先へ進もう。」
鬼が、貴方を誘います。しかし、貴方の視界は一瞬真っ暗になってしまいます。なぜなら、白い手達が次々と貴方の顔を隠すようにへばりつき始めたのです。
その手達は、貴方の後ろの手ではありません。貴方の体から無数に飛び出している手です。えぇ、鬼も貴方の今の光景にはひどく驚きを示していますよ。だんだんと小さくなり、元の少年に戻ってしまうほどに。
白い手は、貴方の顔を埋めると、ゆっくりと顔から下へと下がって行きます。
カラン
何かが地面に落ちる音と共に、貴方の視界は開けました。面が貴方の顔から外れたのです。するとどうでしょう、貴方の姿も幻覚が消えるかのようにすっと元の形へと戻っていきます。
白い手達は、面へとくっついたまま真っ暗闇の地面へと消えていきましたよ。どうやら、助かったようです。しかし、まだ声は出してはいけません。わかってますね?
「はず……れた。外れてしまったっ。くそっ、交代ができると思ったのに。なんで、なんで……。」
狐の面が外れた少年の顔は、いくら暗闇といえど近くにいるのだから見えるはずですが、暗く陰り見ることができません。しかし、どうやらひどく悔しがっているようです。
まだ、うっすらと白さのせいで見える手へ、彼は足を振り上げたかと思うと一気に振り落としました。潰れる様な音がすると思いましたか?しかし、音はせずに、腕はすっと消えて暗闇に解けてしまいました。
少年は、貴方へと近づくと、耳元で囁きました。
「次は絶対に食らってやるからな。」
低く暗い声は、私には微かに聞こえる程度。なんと言っているのかはわかりませんでした。少年は何かを貴方に言い残し背を向けます。
「夜行さん。さっさとそれを蹴落としてしまいな。」
少年が呟くと、首切れは急に前足を上げいななくと、背をのけぞらせました。見事にのけぞった馬の背中に乗っている貴方は、もちろん掴まるところもなく、そのまま後ろへと重心が傾きます。
貴方は思わず手を伸ばしたのでしょう。けれど、貴方の手は空を切っってしまった。首がない馬には掴まる首がないからです。ですから、貴方はゆっくりと馬から振り落とされ、暗闇の中へと体が沈んでいきます。
おそらく浮遊感と、目の前が暗闇に包まれるなんとも言えない感覚にとらえられたことでしょう。
貴方はだんだんと落ちていきます。まるで底がない奈落の底に落ちていくように。どんどん落ちていきます。
おや、やっとお気づきですか?貴方は気絶していたようです。どうです?先程と打って変わった世界が目の前に広がっているでしょう?
目の前に大きな石が立ち、その周りにもたくさんの石が並んでいる。その奥には木々が生えて月夜に照らされています。そう、ここは最初に貴方が訪れた場所。戻ってきたのですよ。
しかし、目の前にある墓石をよく見てください。何か彫られているようです。
「……――。」
貴方は目を細めてその文字を読みます。読めましたか?そうです、紛れもなく貴方の名前が彫られているのですよ。
連れて行かれそうになったせいでしょう。貴方はきっと、死ぬ一歩手前にいたのです。
おや、見てください。墓石から白い手が出てきましたよ。そして、ゆっくりと彫られた貴方の名前を指でなぞっていきます。
不思議ですね、今まで彫られていた貴方の名前は影も形もなく消え失せてしまいましたよ。本当に不思議な手です。
手首のとこをご覧下さい。少し赤く腫れているのがわかるでしょう?先程貴方を助けてくれた手と同じものなのですよ。少年に踏まれて消えてしまった、面を貴方から外してくれた手です。
きっと、貴方を助けたいと思う人がこの墓場のどこかに居たに違いありません。それは、生きてる人とは限りませんがね。
貴方は、ゆっくりと目の前の墓石に背を向けました。そして、ゆっくりと歩き出すのです。
さて、お話はこれでお終いです。貴方の百鬼夜行はいかがでしたでしょうか?
私は最後に貴方とあの世界へ行けて楽しかったですよ。
騙す者が居れば、救う物もあの世界にはいるようですね。
しかし、救う者がいるからといって安心してはいけません。あの鬼の少年が貴方を追いかけてくるかもしれませんし、今度は救いの手もないかもしれないのです。
彼等はひどく気まぐれです。そんな彼等に貴方が捕まらないことを祈っておきましょう。
これで本当に怪談ツアー『果テの先』のご案内は終了となります。短い間でしたがお付き合いありがとうございました。少しでも楽しんでいただければ私は幸せです。
では、奇跡でも起こって再び貴方に会える日をお待ちしてます。ごきげんよう。