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XRX-03:灰色の咆哮  作者: 装機伊織
第1期
8/14

ギルドバトルーポイントCー

ここでギルドバトル終わります

ポイントC 深層採掘区画 最深部コアチャンバー

残り時間 48分

確保ポイント 2/3


XRX-03は、損傷した装甲から赤い粒子を微かに漏らしながら、最深部の巨大な円形チャンバーへ到達した。

天井は高く、崩落した採掘ドリルが無数に突き刺さった壁が、まるで異世界の遺跡のように広がっている。

中央に、光り輝く最終ポイントコアが浮かんでいる。


だが、そこに待ち構えていたのは――


軽量装甲の黒と銀に塗られた機体。

背部に展開された4枚の薄い翼状ブースターが、静かに展開している。

胸部に埋め込まれた円形の砲口が、淡く青白く光る。


ゼロ・グラビティ

ニールコーポレーションが極秘に開発した、史上初の「真の飛行型」試作機。

その心臓部に搭載されたリアクター「クロノス」

時間軸を微細に歪める粒子合成炉により、重力制御と無限に近い推進力を生み出している。

軽量装甲ゆえに耐久は紙のように薄いが、機動性はXRX-03のネメシアを遥かに超える。

そして胸部の高エネルギー圧縮砲「ジェネシス」……一撃で中量級を蒸発させる威力を持つが、とてつもないエネルギー出力を要求する。クロノスの出力限界から、1発しか撃てない。


機体の前に、ブラッド・クロウのエースパイロットのエコーが通信を開いた。


声は静かで、落ち着き払っている。

智将と呼ばれるだけのことはある。

冷静で、計算高く、感情をほとんど表に出さない。


「ナイトメアの隊長、レオン……か。

予想以上に手強いな。

レッドポイントまで使うとは……あれは想定外だった」


XRX-03が、エコーを捉える。

レオンは息を荒げながら、応じた。


「……降伏しろ、エコー。

お前一人じゃ、もう勝てない」


短い沈黙。


エコーの機体――ゼロ・グラビティが、ゆっくりと浮上した。

翼がさらに展開し、重力制御フィールドがチャンバー全体を覆う。


「確かに……このままでは勝てないかもしれない。

だが、それで終わりか?」


エコーの声に、初めて――わずかな疲労が混じる。

「私は……ギルドバトルを降参したい」


一同が凍りつく


カイの通信が慌てて入る

「は!? 何言ってんだよ! まだポイントC残ってるだろ!」

ガイルが呟く

「罠か……?」

セラだけが、冷静に分析する

「……本気だと思う。

ゼロ・グラビティのクロノス出力、すでに限界値に近いし、ジェネシスを撃てば、機体が自壊する可能性だって高い」


レオンはもしものことを想定して操縦桿を握り直した。

神経の痛みがまだ残っているが、視界はクリアだ。

「……理由を聞かせろ、エコー」


エコーは小さく息を吐いた。

まるで、長く溜め込んでいた言葉を吐き出すように。


「ブラッド・クロウは……もう限界だ。言うことを聞かないリーダー。作戦を理解していないパイロットたち。企業連合からの支援が途絶え、資源は枯渇。

このバトルに勝っても、次がない。俺たちは、ただの捨て駒だったんだ」


ゼロ・グラビティの胸部砲口が、ゆっくりと光を増す。


「ジェネシスを撃てば……お前を道連れにできるかもしれない。だが、それで何が変わる?

ナイトメアが勝ち、俺たちが消えるだけだ。……だから、降参を申し出た。俺を……ここで終わらせてくれ」


チャンバー全体が、重力制御で浮遊する粒子で満たされる。

ゼロ・グラビティが、ゆっくりと両腕を広げた。

まるで、受ける覚悟を決めたように。


レオンは沈黙した。

HUDに映るエコーの機体データ。

クロノスの温度が危険域を超えている。

一撃で終わらせることも、逃がすこともできる。


だが――


レオンは、低く言った。

「……わかった。

降参を受け入れる。

だが、一つだけ条件だ」


エコーの声に、わずかな驚き。

「なんだ?」


「生きろ、エコー。

お前のような智将が、こんなところで消えるのはもったいない。

俺たちと来い……味方として、戦おう」


短い沈黙の後、エコーが小さく笑った。

初めて聞く、穏やかな笑い声。


「……面白い男だな、レオン。約束しよう。生きて、また会おう」


ゼロ・グラビティの翼がゆっくりと畳まれ、胸部の砲口が光を失う。

機体が地面に降り立ち、膝をつく。


ポイントCの光柱が、ナイトメアの色――青白く立ち上がった。


最終確保ポイント:3/3

勝利:ギルド「ナイトメア」


通信回線に、歓声が上がる。

カイが叫び、ガイルが笑い、セラが小さく息を吐く。


レオンはXRX-03のコックピットで、静かに目を閉じた。

虚空の痛みが、まだ体に残っている。

だが、今日は……少しだけ、温かい痛みだった。


エコーの機体が、ゆっくりとチャンバーの奥へ退く。

背中を見送りながら、レオンは呟いた。

「次は……味方だな」


レオンたちが去ったあとに声が響く

「やはりダメだなやつらは。俺は推奨はしない」


「だけどよ、やつらからはいい予感がする。俺の勘がそういってる」


「ああ、あの機体ならばいけるかもしれんな。」

ゼロ・グラビティ(Zero Gravity)

所属:ブラッド・クロウの機体(エコー専用機)。

分類:軽量装甲・飛行特化型試作機。

最大の特徴:史上初の「真の飛行」を実現した機体。

従来のブースターやスラスターではなく、重力制御技術で自由に浮遊・高速機動が可能。

軽量装甲のため耐久性は低い(「紙のように薄い」と描写)が、機動性はXRX-03のネメシアを遥かに上回る。

主武装:

胸部高エネルギー圧縮砲「ジェネシス」:強力な一撃を放つが、出力限界から1発しか撃てない。

背部に4枚の薄い翼状ブースター(重力制御フィールド発生装置)。

バックストーリー:ニールコーポレーションの極秘プロジェクトで開発。

エコーが降参時に機体を解体し、クロノス・コアだけを回収。

役割:単独で戦場を駆け巡るエース機。


クロノス(Chronos)

概要:ゼロ・グラビティの心臓部に搭載された試作リアクター。

正式名称:クロノス・リアクター(Chronos Reactor)。

機能:

時間軸を微細に歪める粒子合成炉。

重力制御を可能にし、無限に近い推進力と飛行を実現。

エネルギー効率が極めて高く、通常の粒子合成炉より安定。

ただし出力限界が厳しく、ジェネシス砲のような高負荷武装は1発しか耐えられない。

影響:

搭載機は重力場を自在に操り、浮遊・急加速・方向転換が可能。


ゼロ・グラビティは僕のお気に入りの機体ですね。ロマンを詰め込んでます。

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