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XRX-03:灰色の咆哮  作者: 装機伊織
第1期
6/14

ギルドバトルーポイントBー

続きです

地下採掘施設・第2層 ポイントB手前 崩落坑道

残り時間 1時間28分

確保ポイント 1/3


XRX-03が先頭を切って狭い坑道を疾走していた。

ネメシアの青白い排気が壁を焦がし、ヴォイド・リーパーの爪がまだ熱を帯びて微かに光っている。

レオンは歯を食いしばり、神経フィードバックの疼きを無視してスロットルを全開にした。


「ポイントBまであと400。敵残存8機、全部固まってるぞ!」


カイのストーム・ランナーが横を並走しながら叫ぶ。

「隊長、俺が先に行って陽動します!」


「ダメだ、固まるな!」


レオンが制止した瞬間――


坑道の奥から、異様な低周波が響いた。


ゴォォォン……。


空気が歪むような、重く粘つく振動。

XRX-03のHUDが一瞬で真っ赤に染まった。


**警告**

**高エネルギー・ジャマー波形検知**

**粒子合成ブースター「ネメシア」 強制干渉開始**

**リアクター出力 急落中**

**神経接続 切断シーケンス 起動**


「――なッ!?」


レオンの視界が激しくブレた。

コックピット全体が赤い警告灯に包まれ、操縦桿が重くなる。

ネメシアが悲鳴のような甲高い音を上げ、粒子合成が強制停止。

背部のブースターが火を噴きながらも、みるみる出力がゼロへ落ちていく。


「隊長!? 機体が止まってる!」


ガイルのアイアン・フォートレスが慌てて前に出る。

巨大なシールドを構え、XRX-03の前に壁を作った瞬間


敵の残存アイアン・ヴァルキリー6機が一斉に姿を現した。

その中央に、黒い箱型の大型装置を背負った特殊機が鎮座している。

本体に赤く光るアンテナが何本も伸び、ジャマーのコアが低く唸っている。


ブラッド・クロウの通信が、嘲るように流れてきた。


「ようこそ、ナイトメアの犬ども。

我々が用意したのは『ハイエナ・ジャマーMk-Ⅱ』。

お前の試作粒子ブースター専用にチューニングしてやった。

ヤツはもう動けねえ。 お前らも一緒に墓場行きだ」


レオンはコックピット内で歯を食いしばった。

全身に冷たい痛みが走る。

神経接続が強制的に切断されていく感覚――まるで自分の手足が一本ずつ引き抜かれるような、虚空に落ちる痛み。


「くそ……まだ……!」


彼は手動リブートスイッチを叩いた。

だが、ネメシアの粒子制御回路が完全にロックされ、応答しない。

機体の両脚が固まり、右肩のレクイエムもチャージ不能。

左手ヴォイド・リーパーさえ、プラズマ刃が消えてただの黒い爪に戻っている。


XRX-03は膝をついた。

8.7メートルの巨体が、坑道の壁に寄りかかるように停止。


敵機が一斉に殺到する。

ガトリングが回転し、ミサイルが発射され、6機の重量級がレオンを囲む。


「隊長を狙え! 今のうちに仕留めろ!」


カイが叫びながら突っ込む。

ストーム・ランナーのツイン・プラズマガンがフルバースト。

だが、数で圧倒され、敵の1機に肩を撃ち抜かれ、バランスを崩す。


ガイルが吼えた。

「俺が壁になる! 絶対に通さねえ!」


アイアン・フォートレスが両シールドを展開し、XRX-03の前に立ち塞がる。

ガトリングが咆哮し、敵弾を跳ね返す。

しかし、敵の集中砲火がシールドを削り、火花と金属片が飛び散る。

ガイルの機体が後退を余儀なくされる。


セラのシャドウ・ストライカーは鉄骨から狙う。

「レクイエムを……ジャマーを狙う!」


レールライフルが火を噴く。

しかし、ハイエナ・ジャマーのバリアフィールドが弾を弾き、命中しない。

敵の反撃ミサイルが彼女のステルスフィールドを破り、機体が爆風に煽られる。


通信回線が荒れる。

リナの声が切迫している。

「隊長! 神経接続強制切断まであと90秒! そのままじゃコックピットごと潰される!

脱出装置起動して! 今ならまだ――」


「――断る」


レオンは低く、しかし燃えるような声で言った。


コックピット内で、彼の瞳が赤く光った。

神経接続深度を限界まで引き上げる。

警告音が耳をつんざくが、無視。


「ネメシア……お前はまだ、俺のものだろ?」


停止したXRX-03の胸部コアが、わずかに――ほんのわずかに――青白い粒子を漏らし始めた。

ジャマーの波形に抗うように、粒子が逆流する。


敵が嘲笑う。

「もう終わりだ! 潰せ!」


6機のヴァルキリーが同時に跳躍し、XRX-03に群がる。

ガイルのシールドが悲鳴を上げ、カイが血を吐くような叫びを上げる。


レオンは操縦桿を両手で握り、歯を剥いた。


「ナイトメアの……悪夢は……ここからだッ!」


XRX-03の目が、強制シャットダウンの中で一瞬だけ、深紅に輝いた。

ハイエナ・ジャマーMk-Ⅱ

開発元:ブラッド・クロウ(支援企業との共同)。

目的:試作粒子合成ブースター「ネメシア」(XRX-03搭載)のような高出力粒子系リアクターを特化して無力化するための電子戦/妨害装置。

形態:大型の黒い箱型装置を背負った特殊機(中型機体)が運搬・展開。

アンテナが複数伸び、低周波の重い振動を発生させる。

主な性能・効果

対象特化型ジャミング

通常のEMP(電磁パルス)ではなく、粒子合成炉の粒子生成・制御回路に直接干渉する波形。

ネメシアのような「粒子合成ブースター」を搭載した機体に対して極めて有効。

→ リアクター出力が急落(例: 62% → ほぼゼロ)。

→ オーバーブーストや粒子推進が強制停止。

→ 神経接続深度が強制切断され、パイロットの感覚が「手足が抜かれる」ような痛みに変わる。

範囲・持続

坑道内のような閉鎖空間で効果最大。

半径数百メートル規模で波形を展開可能

持続時間は長く、出力最大時はジャマー機体自体が過熱するほど。

まだ機能はあるんですが次回にしますね。

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