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XRX-03:灰色の咆哮  作者: 装機伊織
第1期
2/14

ただいま

ギルドに戻って来たところです。


ギルド「ナイトメア」の拠点は、旧大陸の地下深くに広がる廃棄された軍事複合施設だった。

表面上はただの崩落したコンクリートの山だが、内部は改造され、照明は赤と青のネオンが交錯する薄暗い空間。

ハンガーエリアでは整備士たちがXRX-03の周りを忙しく動き回り、火花と溶接の音が響いている。


レオンはコックピットハッチを開け、梯子を降りて足を着地させた。

スーツの冷却システムが「シュッ」と音を立て、熱を吐き出す。

周囲の空気は油と金属の匂いが濃い。


「おかえりなさい、隊長」


最初に声をかけてきたのは、副官の リナ だった。

短く刈った銀髪、左目の下に古い火傷の痕。

彼女はデータパッドを片手に、いつもの皮肉っぽい笑みを浮かべている。


「またネメシアをオーバーさせたでしょ? 温度ログ見たら危険域突っ込んでるじゃない」


「…生きてるからいいだろ」


レオンは肩をすくめ、ハンガーの中央にある簡易ブリーフィングテーブルへ向かった。

そこにはすでに他のメンバーが集まっていた。


-ガイル:重装備担当の巨漢。XRX-03の整備を主に担当し、隊内で一番の機械オタク。

-セラ:狙撃手兼偵察担当。無口だが、目が鋭い。左肩の4連ミサイルポッドの弾薬補充を終えたばかり。

-カイ:新人パイロット。まだ19歳。軽量機を操るが、熱血漢でレオンを慕っている。


テーブル上にはホログラムマップが投影され、次の戦域が青く光っている。


「隊長、無事で何よりっす!」

カイが勢いよく立ち上がる。

「さっきのハウンド狩り、ログ見ましたよ! レクイエムの一撃、完璧でした!」


「派手にやりすぎ。弾薬の無駄遣い」

セラがぼそりと呟く。

彼女の視線はマップの東側――赤く点滅するエリア――に向いている。


ガイルが腕を組んで笑った。

「まあまあ。隊長が生きて帰ってきただけで儲けもんだろ。XRX-03の左腕、まだ空いてるけど…次は近接武装つけるか? プラズマブレードでもいいし、ヴァイブロクローでも」


「それは次の予算次第だな」


レオンは椅子に腰を下ろし、テーブルに肘をついた。

ホログラムを指で拡大させる。

表示されたのは、旧企業連合の廃墟都市「エクリプス・シティ」。

その地下に眠る資源採掘施設が、次の戦場だ。


「本題だ。ギルドバトルが決まった」


一同の空気が一瞬で引き締まる。


リナがデータをスワイプして共有する。

「相手は『ブラッド・クロウ』。人数は俺たちより多い、12機編成。主力は重量級の量産型『アイアン・ヴァルキリー』と、彼らのエース機『クロウ・ゼロ』。

ルールは『ポイント制領有戦』。エクリプス・シティの地下採掘ポイントを3時間以内に最多確保した方が勝ち。

…報酬は、勝てば粒子合成炉の試作コア1基。負ければ、俺たちの拠点使用権の一部をよこせって話」


ガイルが舌打ちした。

「ブラッド・クロウの連中、汚い手使うからな。EMPトラップや偽装ハウンドの混成編成が得意だぜ」


セラが静かに言った。

「地下は狭い。ネメシアのオーバーブーストは制限される。隊長の機体が一番の切り札だけど…リスクが高い」


カイが拳を握る。

「でも隊長なら! XRX-03なら絶対勝てますよ! 俺も全力でカバーします!」


レオンはしばらく黙ってマップを見つめていた。

やがて、低い声で言った。


「…勝つ。だが、無茶はさせない。

リナ、作戦立案は任せる。セラは事前偵察を最優先。ガイル、XRX-03の左手スロットに急遽何かつけられるか確認しろ。

カイ、お前は俺の左翼を固めろ。

――3時間で決着をつける。ブラッド・クロウを、悪夢に変えてやる」


一同が頷く。

ホログラムの光が、レオンの顔を青白く照らす。


リナが小さく笑った。

「隊長らしいね。…じゃあ、準備開始。

ナイトメアの名に恥じないように、派手に散らしてあげましょうか」


ハンガーに、再び工具の音と低い話し声が響き始めた。

XRX-03の目が、静かに青く灯る。

まるで、次の狩りを待ちわびているかのように。

次は、新装備を追加します

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