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XRX-03:灰色の咆哮  作者: 装機伊織
第2期
14/14

完成、熱の継承

ナイトメアの地下ハンガーは、夜通し火花を散らしていた。


スタビライザーを回収してから3日。

ガイルとクラギス率いる整備班が総出で作業を続け、

ついにファントム・クロノスの完成が目前に迫っていた。

コックピットハッチが開き、青白い光が漏れ出す。

クロノス・コアが低く唸り、翼状ブースターがゆっくり展開する。


エコーはハンガーの中央に立ち、完成した機体を見上げていた。

黒と銀の機体は、ゼロ・グラビティの優雅さを残しつつ、

ナイトメアの「悪夢」らしい鋭いラインが加わっていた。

胸部の改良型ジェネシスは、2発のチャージが可能。

重力制御は安定し、飛行持続時間も大幅に向上している。


レオンが隣に立ち、静かに言った。

「完成したな、エコー」


エコーは小さく頷いた。

「……ああ。

これで、俺は……本当の意味で、仲間になれる」


ガイルが工具を投げ捨て、笑いながら近づいてきた。

「智将の機体、派手に仕上がったぜ!

ジェネシスは2発撃てるように調整済みだ。

お前、派手に暴れてくれよ!」


リナがデータパッドを片手に確認する。

「全システム正常。

クロノス・スタビライザーの同期率98%。

もう、いつでも出撃できるわ」


カイの姿は、まだない。

施設の自爆から行方不明になってから、捜索チームを何度も送ったが、

瓦礫の下から発見されたのは、ストーム・ランナーの残骸だけだった。

コックピットは無事だったはずなのに、カイの姿はどこにもなかった。


エコーは機体の脚元に膝をつき、

静かに手を置いた。

ファントム・クロノスの装甲は冷たいが、

その奥で、クロノス・コアが低く脈打っている。


「……カイ。

お前が俺を庇ってくれた。

俺は……生きてる」


エコーの声が、わずかに震えた。

ブラッド・クロウでは、仲間を失うことは「計算の誤り」でしかなかった。

だが今は違う。

胸の奥が、熱く、痛く、締めつけられる。


レオンがエコーの肩に手を置いた。

「カイは……お前のことを信じて動いた。

お前が今ここにいるのは、その証だ」


エコーはゆっくり立ち上がり、機体を見上げた。

瞳に、初めての決意が宿る。


「……なら、俺はカイの想いを継ぐ。

お前たちの熱を、俺の影で支え続ける。

カイが戻ってくるまで……いや、戻ってこなくても、

俺はナイトメアの影として、戦い続ける」


ハッチが開き、エコーはコックピットに乗り込んだ。

神経接続が完了し、ファントム・クロノスの目が青白く輝く。

機体がゆっくり浮上し、翼が展開。

重力制御フィールドがハンガーを優しく包む。


エコーは通信を開いた。

「みんな……ありがとう。

これからは、俺も……無茶をするよ」


カイの笑い声が、脳裏に響く。

「エコーさんも無茶するの上手くなったっすね!」


エコーは小さく笑った。

機体をゆっくり旋回させ、皆を見下ろす。

レオン、ガイル、リナ、セラ……そして、戻ってくるはずのカイの席。


「次に依頼が来たら……俺の機体で、悪夢を見せてやる」


ファントム・クロノスがハンガーの天井へ向けて上昇。

翼が光を反射し、青白い軌跡を残す。


ハンガーに、静かな拍手が響いた。


エコーはコックピット内で呟いた。


「……カイ。

待ってろ。

俺が……お前の分まで、熱く戦う」


機体はゆっくりと着地し、

ハンガーの照明が、優しく機体を照らした。

ファントム・クロノス(Phantom Chronos)


ファントム・クロノスは、エコー(元ブラッド・クロウの智将)の専用機で、ゼロ・グラビティの残骸とクロノス・コアをナイトメアの整備班が再構築した軽量飛行型装甲機です。

第1期終盤のエコー加入後、エコー編でクロノス・スタビライザーを回収して完成。

ナイトメアの「影」として、後方支援・精密射撃・戦術立案を担います。


基本スペック

分類:軽量級(機動性・飛行特化)

全高:8.5m(スリムで優雅なシルエット)

外観:黒と銀を基調に、ナイトメアの青いラインを追加。背部に4枚の薄い翼状ブースターが特徴で、折り畳み時はコンパクト。展開時は重力制御フィールドで紫がかった光を放つ。

重量:約12トン(軽量級ながら耐久性を少し強化)

リアクター:クロノス・リアクター(時間軸を微細に歪めて重力制御。安定化パーツ追加で持続時間延長)


主武装

胸部:改良型高エネルギー圧縮砲「ジェネシス」

元の1発限定から、ナイトメアの調整で2発連続発射可能(高威力単発、軽量機ながら中量級を蒸発させる貫通力)。

翼端:エネルギー弾射出機構(翼展開時に連射可能、多目標対応)

補助武装:小型センサーアレイ兼プラズマガン(精密射撃用)


特殊機能

真の飛行能力:クロノスによる重力制御で自由浮遊・音速級加速。急旋回や急降下が可能。

ステルス重力場:周囲の重力を歪めて敵のセンサーを撹乱(短時間透明化に近い効果)。

戦術支援モード:エコーの智将ぶりを活かし、リアルタイムで味方機のデータ共有・作戦修正が可能。

弱点:装甲が薄く耐久低め(紙のように脆い)。長時間戦闘でクロノス過熱のリスク。

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