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異世界って思ったより田舎じゃなかった

銅貨10=銀貨1

銀貨100=金貨1

金貨100=白金貨1

今こそ我がセンスを魅せるときなり…


「にしても、まさか店長合わせて最低3着も試着しなきゃならんのか…」


やだなー。めんどいなー。…こ、これは…


「ジャージ、だと…?」


お値段は…上下セットで銀貨50枚。安いな。


「あとは…中に着るシャツと小物かね」


シャツは白でいいや。小物は…グラサンと時計。合計値段は…銀貨100枚だから金貨1枚だな。


「確か、この袋に入れるんだったか…?よし。あとは2人を待つだけだな。」


……。暇だ!


「あの…もしよければこちらをお読みください」


「あ、これはどうも…観光誌?」


「はい。おすすめのデートスポットや秘境の温泉など、この近くの事なら大体載ってますよ。」


「ありがとうございます」


デート、デートか…。いじりとか挑発も効果薄くなってきたし社会人お得意の技、空元気もそろそろ限界だ。…社会人じゃないけど。ここらで一度、気分を変えるのもアリか。でも恋が気分を変えられるか心配だな。あいつの自己嫌悪、始まると長いし。ま、だから今こうして俺の服を選んでもらってるわけデスけど。


「…あ、ここのパフェ美味そう」


これ好きそうだな…いや?朝からトンカツ咥える様な少女がこんなフルーツ多めのパフェで満足するか?やはりここは隣に書いてある「クッキー&チョコレートバニラパフェ」の方がいいか?値段は…クッキーの方カップル割と10分以内に食べ切れば無料までついてる。んなのこっちで決まりだな。写真はそんな大きくなさそうだけど…え、逆詐欺?コ○ダかよ。パフェ次第では敬意を込めて異世界コ○ダと呼ぼう。


「待たせたわね」


「おう、めっちゃ待った」


「そこは全然待ってないって言いなさいよ」


「んな事言ったって今更だろ」


「…確かに」


だって俺は待ち合わせの時10分前に着く民族だから。


「それでは試着会を始めさせていただきます。エントリーNo.1、E☆I☆SU☆KE様」


「テテテテ♪、じゃないわよ。なにふざけてんの?」


「まぁまぁ。出てきますよ」


フッフッフ。この箱から出れば翔さんの拍手…が…?


「出たわね、イキリ怪人100均極道…!」


「んな敵の紹介みたいな…」


「これは想像の斜め上ですね…」


「瑛介…あんたなんでジャージにせめてもの白い線があるやつを選ばないの?!」


「なんかあれ嫌い」


「はいはい、ジャージ開けて?」


ほれ。


「白なのはまだいいわ。私の時は緑だったから…」


「それは…」


「なんだよお前もゴスロリだったろ?」


「ゴスロリと一緒にすんじゃないわよ!」


ガチギレされた。


「そして小物!黒グラサン、腕時計!修学旅行のお土産刀持ったら100均極道完成ね!って、そんなの求めてないわ!」


「剣道は全国9位でふ」


「実力兼ね備えてさらに極道感増したわ。キモオタは消えろ」


「1人で解説ツッコミお疲れ様です(^^)」


「あんたのせいよ!…ふぅ。次は私の番よ。これを着て来なさい」


「はいよ」


ええっと中身は紙とメイ…いや、見えないな。よし次店長さんの番行こう!


「早くそれ着なさい!」


「いやなんで俺が」


「着ないとリスカするわよ!」


「俺のメイド服に命かけてんじゃねぇよ!せめて外出れる服にしろーっ!」


んな事言われたら着るしかねぇだろ!


「エントリーNo.2、男女逆転最高様」


「てめーも大概ふざけてんじゃねぇか!ラジオネームかよ!」


は、恥ずい!正直恋と2人なら気にしない。でも店長さんいるだろ?!黒歴史確定じゃねぇか…。てかなんで服屋にメイドコスあるんだって思ったけど異世界って貴族のイメージあるしまぁ不思議ではないか…でも着せるのは意味分かんねぇよ!?


「ほらセリフ!」


くそっ!異世界じゃなけりゃこんな事してないのに…!


「お、お帰りなさいませ、ご主人様♡(高い声)」


「きゃー!!」


「あ、あはは…」


「苦笑いヤメテ?!(高い声)」


「んくっw」


黒歴史神回避ィ!地声低めでよかった…声のギャップで笑ってくれてよかった…すね毛つるつるでよかったっ…!


「店長さん早く次!」


「はっ、はい…これを…くはははは…」


笑い方の癖強ぇ…声小さいラスボスかよ。


「エ、ントひっ、ひーw…」


「「ツボりすぎ!」」


「…エントリーNo.3、店長」


「「おぉ…!」」


黒い着るやつに白いタートルネック、黒いズボン。オマケにネックレスまで…。


「イ、イケメンコーデ…」


「自分で言わないで欲しいんだけど」


「いやだって、100均極道→メイド服からの超まともなコーデだぞ?感動して涙が…出ない」


「確かにね。涙出ないけど」


「インパクトは少ないですよね…」


なんか申し訳ない!


「あの、この雑誌貰ってもいいですか?」


「いいですよ。それでは服をお選びください。」


まじでごめんなさーいっ!


「白いTシャツ(半袖)のLサイズ一点、LLサイズ一点、ジーンズ(青)のMサイズ一点、(黒)のLLサイズ一点、もこもこピンク猫パジャマのLサイズが一点、もこもこブルー狼パジャマのLLサイズが一点、女性下着セット紫苑が一点、男性パンツ(ボクサータイプ)が一点、ベルト(ロング)が二点、で間違いございませんか?」


「狼なしで。」


「却下。どうせならお揃いがいい。」


ちぇっ。


「てか、男の前で下着買うとか…お前には羞恥心ないのか?」


「あんたの前だからよ。あんたも買ってるじゃない」


「それとこれとは別だ。幼馴染で家族同然ってか」


「違っ」


「俺はそんなに割り切れねーよ。下着だけでも先直せ」


「…うん」


こちとら思春期男子なもんで。


「以上、十点で金貨3枚と銀貨20枚になります」


「金貨4枚で。」


「はい。お釣りの銀貨80枚になります。無料のスタンプカードはお作りになられますか?」


「なにか利益が?」


「はい。金貨1枚分につき1つ、スタンプを押せます。合計5個で服が一点半額になり、10個で小物が1つ無料、50個貯まるとリンドル内にある全ての商業店での買い物券が金貨25枚分プレゼントされます」


「いいじゃない、作るのにお金は要らないみたいだし」


「じゃあ2つお願いします。」


「はい。今回はスタンプ3個押させていただきます」


「2つともに押してくれるのか。これは得だな」


「銀貨分は切り捨てとなり、次回の買い物に持ち越しできないのでご了承ください」


「と言うと?」


「今回の銀貨20枚分は次の買い物で銀貨80枚分買っても金貨1枚分じゃないからスタンプは押せないってことよ。頭いいくせになんで分からないの…?」


銀貨がもし90枚分だったら損になるが…それを考えても得が多い…と言うより50個目でデバフを打ち消してくる。


「それと店長より店長厳選、デート服セットを預かっています。」


「マジで用意してくれたのか…ありがとうございますって伝えておいてください。」


「畏まりました。またのご利用をお待ちしております。」


いい買い物できたし服は綺麗にしてもらったし…最高だな。


「じゃあ行こうぜ」


「どこに?」


「決まってんだろ?観光だよ、観光!」


「ちょっ、急に投げないでよ!」


「元バスケ部もなまったな?」


「球体ならまだしも薄い長方形じゃない!…観光誌?」


「お腹も空いたしここ行こう」


「昼ごはんにパフェ食べるの?」


「多分フレンチトーストみたいなのあるだろうから。なけりゃそうなる。」


「まぁいいわ。美味しそうだし。…あっ豚カツ!」


「おうフライドジャンキー。そんなんだから身体測定の時、「身長伸びてないのに体重だけ増えてる」と言って他の女子を傷つけるんだぞー?」


「はぁ?!ちょっ、なんで知って?!」


「俺がお前の幼馴染だからだ」


身体測定のたびに女子から「隠岐津さんあれ無自覚?!」って言われて詳細聞いてもないのに言ってくるからな…。


「黒歴史ぃぃぃ!」


「ざまあみろ。俺をメイドにした罰だ」


はっはっはっはっは。

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