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豚カツを咥えた美少女

「…今、何時?」


(時計)「8時40分デス!8時40分デス!」


「…了解。」


完全に寝坊したら…なんか、一周回って冷静になるわ。次の自由研究のテーマ決まったな。


「…いや、流石に怒られるか…?」


あー布団から出たくない。今から仮病使って休むか…?いや、親に連絡行くのは面倒だな…。せっかくの一人暮らしがパーになる。


「くぁ………zzズァィ゛ッ…てぇ」


ベットから落ちてしまった。…制服、着替えるか。誰も居ない部屋にも慣れたもんだな…。


「母さん、今度いつ帰って来るんだろ…。今回の出張アメリカらしいしお土産はハンバーガーでも頼もうかな…いや、あれはナマモノだし無理か。…でも火は通ってるから違うのか?…分からん。」


よく考えたら野菜入ってんなあれ…。冷蔵庫には…あ、さくら大根あるじゃん。


「ひっへひはーふ」


誰も居ないけど、習慣だからな…。


「ポリポリポリポリポリ…」


やっぱりちょっと酸っぱいな…でも美味い。


「ひほふひほふーッ!」


「「へっ。」」


あ、やべっ…ぶつかるっ!


「えぇぇいっ!」


「んぐっ」


鳩尾に肘が…。


「…。」


「…。」


「おうどうした一丁前にタックルかましたお嬢さん?」


「あんたこそなんで今の時間に登校してるのよ優等生。」


あっ。


「俺のさくら大根!」


「私の豚カツ!」


被った…じゃなくてこいつ朝から豚カツって。


「重っ!?」


「渋っ!?」


また被った…。絶対ガミガミ言ってくるだろうし運ぶか。


「ちょっ、降ろしなさいよ!首根っこ掴まないで伸びる!」


「チビ卒業おめ(笑)」


「殺す…!」


出るところ出てるくせに身長低いからなぁ…。「ちょっ、運ぶならもっと丁寧に運びなさい!暴れるわよ!」…現在進行で暴れてるだろ。「何か喋りなさい!」


ガリッ!


手の甲…(^^)


「早くなにかぁぁぁぁぁぁ?!」


「不快な空の旅をお楽しみくださぁーい。…噛むなよ痛えんだよ、うるせえよ!」


「そっちこそ急に投げるんじゃないわよチビったらどうしてくれんの?!」


え、そりゃもう…


「写メ撮って弄り倒すけど…?」


「確かに私も同じ立場ならそうするけどムカつくわね!?」


…ぐるぐるぐる。遠心力楽しー!


「え、ちょっ、待っ」


「自己中にはRe:空の旅をプレゼントだ!ありがたく受け取れ!」


「やめてぇぇぇぇ!?」


「スカート気にする暇ありゃ受身取れよ!」


「取ったところで粉砕骨折よばかぁぁぁ!ちゃんと受け止めてぇぇぇぇ!」


あ、100円みっけ。


「追加でプレゼントだ」


「痛っ!」


おでこにクリーンヒット。ナイスエイム。


「ほっ…。快適だったか?」


「…ふ、不快でしかなかったわ。なんで落下中に100円玉弾いたの?落下の重力とビタァッ!ってなってめっちゃ痛いんですけど!?」


「流石にクリーンヒットするとは…(笑)」


「乙女の顔に怪我させといてそれは無いわー。クズだわー!」


「遅刻中に空舞う乙女が何処にいるんだよ。」


「あんたのせいよ!」


「そんなに嫌なら離れろよ。」


「今は不可抗力よ。」


何言ってんだか…右肩に乗せてるだけだし降りればいいだろ。あっ。


「そっか…足…届かなくて怖いもんな。ほら、ゆっくり降ろしてやるからなー。」


「木の上の猫扱いやめて?」


文句の多いやつめ…。ワンチャンだけどジャーマンスープレックスの容量で降ろせるのでは?


「…ねぇなんでガッチリ腰に腕回すの?セクハラ?」


…速度は速めが好みのようだな。


「今日なんか無言おぉっ゛?!」


「オホ声出すなドMかよ…」


「待って…冗談抜きで足逝ったかも…。」


「すまんな…じゃ。」


「責任とって運ぶよ、くらい言えないの?!」


「だってお前痛い痛い言いながら絶対暴れるから…嫌。」


「責任取りなさーい!」


「大声で言うな知らない人に勘違いされるだろ!」


「知らない人なら別にいいんじゃない?」


「確かに。じゃあ置いて行っていい?」


「よくないわよ!」


へいへい…取り敢えず担ぐか。


「…恥ずかしいんだけど?」


「さっきと同じだが?」


「次。」


じゃあ…手繋ぎ?


「足痛いって言ってんでしょ!他!」


飛行機!


「違う!」


ピサの斜塔!


「組体操してんじゃないわよ!」


「…もっと食って筋肉つけろよ。心配になってくるから」


叩かれるより蝉にぶつかられた方が痛いぞ…。なんつー非力さだ。


「毎日最低3合食べてもダメなんだけど。どうしろと?」


「乙」


「死ね」


「じゃあ肩車でいいか?」


「よろしい。」


よいしょっと…うん、分かってたけど軽い。というか1時間しても肩は疲れないだろうな。ムチムチだし。


バシッ!


「誰がデブよ。」


「それは思ってないぞ?ただムチムチしてるなって思っただけ…どうした?そんな柔っこい脚じゃ首が締まらないぞ?」


「一緒の意味じゃなぁぁぁい!」


こいつ髪の毛引っ張る戦法に切り替えたな?!


「ちょっ、体勢がっ!」


「きゃっ!」


…っぶねぇ。180度回ってなけりゃ恋、頭打ってたな。


「大丈夫か?」


「う、うん。」


「できれば早く退いてくれ。痛いの承知してるが退いてくれ。」


「なんで?」


なんでって、あのなぁ…


「いくら軽くても首だけで人間1人分の体重支えるのはキツい…!」


折れるっ!


「あー…じゃあ背中に場所変えるわ。」


「できればそうしてくれ…!」


「いやー、危ない危ない。ありがと。一応お礼は言っておくわ。」


「俺の責任でもあるからな。でも、草原じゃなけりゃ腕逝ってたかもな…。」


「ホントだね。あっはっは…?」


草原…?


「ねぇ瑛介。確か私達がぶつかった場所って植木くらいしかなかったよね?」


「植木どころか曲がり角すら消えてる…。まさか、異世界転移?」


やばいじゃねぇか…!


「「スマホはっ!…よかった使える。」」


電波どうなってるんだこれ…!


「あっ、ゲーム出来ねぇ!?ログボまだもらってないんだが?!」


「ゆっぴー(友達)にLINE送れないんだけど?!写真は残ってる。カメラは…使える。あっ、電…話…」



着信 瑛介



「…?」


そんな呆れた顔されても…1番上が恋だったから仕方ないだろ。


「…あ、母さんにも電話かかった。もしもし?」


『あら、学校はどうしたの?』


「今ちょっと異世界居るから行けない。因みに恋も一緒なんだけど。」


『そうなのね…?え、は、早く帰って来るのよ…?』


「帰り方分からないんだけどなぁ…。」


『じゃあ帰って来るまで恋ちゃんを絶対守るのよ?あ、恋ちゃんに代わって欲しいわ。』


「飲み込み早いな…だってさ。」


「えっ、あ…もしもし?」


『恋ちゃん!なにかあったらいつでもうちの息子、盾にしていいからね!』


「あははー。最初からそのつもりですよー。」


『それなら安心ね!』


「さらっと肉壁にすんなや!」


なんつー会話してんだよ。まぁ恋になにかあったら駆けつけるし守るけど…本人に聞こえるように肉壁発言はやべーなうちの母親…。


「はい没収。」


「あっ!」


『もっと恋ちゃんと話したかったのに…。』


「これ以上イマジナリー息子を盾にするのはやめてくれ。じゃあ恋ママと恋パパに伝えといてくれ。」


『分かったわ。気をつけるのよ?』


「はいよ。じゃあな。」


『また電話ちょうだいね。恋ちゃんもこの子の手綱握ってて欲しいわ。』


「はい!」


はい!じゃねぇよ。


「…状況整理するか。」


「そうだね。」


整理すると…


・ここはどこだ?

・自然しかない

・母さんと恋にだけ通話できる

・写真は見れる、撮れる


「…あれやっとくか?」


「あれ?」


「異世界といえばのやつ。」


「あぁ…あれね。」


「いくぞ?せーのっ!」


「ステータスオープン!」


「召か…ォプン!」


「今召喚って言おうとしたろ?」


「最近見てたのが召喚系だったから…」


それは仕方がない。


「ほら、ワンモア。せーのっ!」


「ステータスオープンッ!」


「ノリノリで草」


「瑛介もなんか言ってよ!」


「ステータス出てきたな。どれどれ…?」


「無視すんな。」


…今日の恋favoriteは鳩尾らしい。打撃自体は痛くないんだ。肋を抉るみたいに殴るから痛いんだ!



神風瑛介 Level.1


種族 人間


筋力 25 耐久24

魔力 16 俊敏21


スキル

鑑定、収納


魔法

水魔法



「スキルは定番2つか。種族って事は獣人とかエルフも居るのか…?ステータスは知らん。高いのか低いのか…。でもバフないのキツいな。魔法とか使った事ないし。」


「私のはこれ。」


名 隠岐津恋 Level.1


種族 人間


筋力3 耐久12

魔力47 俊敏23


スキル

鑑定、収納


魔法

火魔法


「速さと魔力が多いから…走りながら魔法撃つとか?」


「詠唱あったら体力持たないぞ…?」


「そこはほら、願おう!」


「お祈りプレイかぁ…。」


どうなるんだ…俺はまじで肉壁にならないとダメなのか?!

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