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漆黒の牙

改稿しました。 話数区切りが微妙だったので、分けていこうかと?

「待ちな、良くない気配じゃ、底に潜む者? この匂いは同業者かの? 出てきなーー出てこなければ、ろくな目には遭わんよ!?」


普段飄々としているエキドナが強い口調で言い放った。


ふと、"影" に違和感を覚えた。 どこか、何かが、ほんの僅かに "揺らいでいる"。

――いや、"違う"。 影ではない。 これは "何か" が"隠れている" 気配だ。

その瞬間、"揺らぎ" が輪郭を成す。

『おやおや、見つかっちゃった?』 

飄々とした青年が、"闇の揺らぎ" そのものから生まれたように立っていた。

飄々とした青年が、"影から生えた" ように現れる。



「おー、まさかばれるとはね、これは気まずい。のぞき見して帰るだけのつもりだったんだけどね


 あーあ、こっちは商売道具を持ってこなかったっていうのに……これじゃ仕事にならないな。

 ……仕方ないね。お仕事開始ってことで」



 こちらはこちらで、余裕の笑みとピエロのような飄々とした態度出現れて。バンダナの男、黒いマントを羽織った男、牙をはやした黒いオオカミが特徴的マークとして刺繍させている特徴的な出で立ち。


「漆黒の牙かの? まったくわしらも運がないね。 今世間を圧倒している新進気鋭の裏業者組織ーー漆黒の牙が相手とはの?」



「やれやれ、僕はただの通りすがりの除き魔さ、ここで見逃してくれるなら悪いようにはしないよ? できれば見逃してほしいけどな、でも、どうしようかな?



 ここまで見られて、おずおず返っていくと、怒られるのは僕になるわけだし?

僕はレノ、お調子者のレノと言いたいだけだけど、実は幻狐なんて通り名があるぐらいさ、まあ、あだ名なんだけどね、おおっともちろん本名じゃないよ?

 まあ見ての通り族だね

 お仕事は、まあ偵察だったんだけど、暗殺や泥棒なんかも特技だね?」



 独り言が多いのかつらつらと方便を並べる謎の男ーーしかし、その顔は笑っているようでいて嗤っていない。


 どこまで立場を理解しているかの火不明だが言い放つ男ーーそれの漆黒の牙? 同業者ーー? 頭の処理が追いつかずに、言葉を反芻するが答えは出ない。


「交渉決裂よな? 話すだけ無駄じゃな。

 "お前たちとは、いずれ斬り結ばねばならん"。今がその時というだけのことよ」


「黒紫の魔力が奔る。闇が爪となり、レノの影を貫かんと襲いかかる――!」

 バク転一閃。まるで風のように、無駄なくしなやかに――レノはペインを軽々と避けて見せた。


「交渉決裂だねーー! 全員出てきな、お客さん達を歓迎するよ!?」


「やれやれ、見つかっちゃったか……僕もツイてないねぇ。」

 レノは肩をすくめるが、その目は笑っていなかった。


「まあ、いいさ。ボスに報告する手間が省けるってもんだ。」

 その瞬間、彼はふっと姿勢を低くした。


 「いやぁ、怖い怖い。こんなに歓迎されるとは思わなかったよ」

 「あーあ、ここで戦うのは本意じゃないんだけどねぇ。ほら、僕って逃げ足だけは速いからさ?」


 一瞬、レノの姿が歪んだ。 影の中に溶けるように、彼は気配を消した。

 レノは飄々と笑いながらも、指先だけをわずかに動かす。

 そのわずかな仕草で、周囲の暗殺者たちが微かに姿勢を変えた。

 まるで、見えない合図を出したかのように。

 「さて、どうする? のかな子猫ちゃんと、それを護る騎士君?」

 ふっと、影が揺れた。

 次の瞬間、レノの姿は消え―― 背後から、ひどく近い囁きが聞こえた。

 "次の瞬間、首筋に氷のような感触。"

 その直後に、囁きが響いた。

「それとも――遊んでくれる?」

 振り向くが、そこには"誰もいない"。


 いかなる手品か? 今の感触は紛れもなく本物だった、わずかに腕に力を込めれば私の首は落ちていたかもしれない? いや、パーシヴァル様が護ってくれるはず、信じなきゃーー!?

「全く派手な歓迎実ーーご苦労様、まあこの程度の相手達ならばわしはけんぶつさせてもらうよ、さあさあ、パーシヴァル、ランディス、ラヴィーナ、アリエルを護ってやりな!?」


流れをくむようにエキドナの一喝、パーシヴァルにまで指令を下しているあたり既に手駒扱いだ。



「……君たち、『幻狐』を知らないの? それは困ったね」

 彼は肩をすくめ、薄く笑った――"口元" だけが。 その目は、氷のように冷え切っている。

 まるで"ここにいることすら退屈" だと言わんばかりに。


「まあ、いいけどさ、すぐに覚えてもらうさ。……刻み込んであげるよ?」

 彼の姿が、"ふっ" と揺らいだ。

 次の瞬間――そこに"いた"はずのレノが、"いない"。


 まるで影がそのまま溶けるように、完全に消失していた。

 まるで "夜の闇" そのものが"歪み"、彼の姿を飲み込んだ。

 その直後―― アリエルの首筋に、氷の刃を這わせるような感触。

 「それとも――遊んでくれる?」

 "声" が近い。だが、"姿" はどこにもない。

 背後に? 左に? 右に? だが、気配が"揺らぐ" だけで、何も捉えられない。


 それは"何者か" の声だった。

 だが、振り向いたとき、そこには誰もいなかった。

 再び、 ――殺気がもやのようにかき消えた。

 まるで『影に溶ける』ような動きだった。


 そうして跡形もなく森へと沈む男の影ーー位置が特定できなくなる?

 なんでこっちだって、暗殺者としての訓練は受けてるのに?


 レノの合図に従いーー六人もの、同じような格好の刺客があらわれる。

 と同時にレノは既に位置が特定できないものの指を鳴らした。音まで反響したように響きわたり、全く潜む気配は読み取れない。

「じゃあそろそろ、本気で行くよーー 幻狐ーーレノ、参るーー! いや、今更いっても遅いだろうけど、組織で名乗りをあげる決まりでね。 一応ついでに果たしておこうかと?

 あはは、アサシンなのにおかしいよね?


レノは、静かに息を吐く。

「……さて、遊ぼうか。」

その瞬間、"殺気" が弾丸のように発せられた。

パーシヴァルの肩が、僅かにこわばる。 (くっ……こいつ……!)

じわり、じわりと"存在しない敵" が襲ってくる。 ーーどこだ? 右か? 左か?

どこにもいない。 だが、確かに "いる"。

これはただの暗殺者ではない。 これは、"戦場を支配する者" だ。

(いいね……"優等生" も、こんな風に揺さぶられるのか) これで一人、足止め成功。

 あとは、どれだけ崩せるかの"遊び"あと一人ぐらいなら行けるかな、視線の先にお姫様を 捉える。 彼女で決まりと、殺気を浴びせかけると慌てふためいた。それを尻目に満足下に頷くレノーー!



 そういいながらも、パーシヴァルを狙って接近を開始するレノーー! 後は手下にまかせてまずはほんめいを頂くのが彼の主義だった。

 後ろのお姫様を狙うのも趣味だったが、それはお預けと行こうじゃないか?

 何せ先ほどからおびえていて、相手にしても楽しめそうもない?

 すぐにはしかけない、隙を狙わせてもらうよーー潜伏状態からの奇襲ーーステルスを使った動きこそがレノの戦闘の基本にして、神髄ーー警戒するパーシヴァル、彼であっても動きを見極められないようだ。 フフフ、これは好都合かもね?

 焦らして体力ーーこの場合精神力かな? がすり減るのを待つのも、一つの手段。

 部下達があまり強くないのがネックだけど、そのときはそのときで、別に必勝を期すような段階ではない。



 消耗戦か? 攻撃してくるなら、まだ御しやすい、だと言うのに、じっと好機をうかがっているだけだ、これでは拉致があかない? エキドナ一向に残りの手下を任せるのは、不安だったが、彼らと低地流なのは先ほどの戦いで承知している。

 ならば、待つしかない、エカテリーナ様最も危険なのだ、後ろにかばったエカテリーナ様は動揺を隠しきれずに、視線をさまよわせている。

 パーシヴァルは冷や汗を流しながら、観察を続けるーーこれではうかつには動けない。

 殺気がエカテリーナにも向かい始めているのを感じて、彼女をかばうように移動する。

 そこからが本番、位置がつかめない相手ではいかにパーシヴァルでもどうしようもない。


(……姿を消すだけなら、対処はできる。だが、違う。)

 レノは"完全に消えた"のではない。 殺気だけを、こちらに残している。

 まるで「存在しない敵」と戦わされているような、そんな感覚だった。


「……まずいなーーこれでは敵の思うつぼだ。 相手の総戦力次第では危うい?」

 パーシヴァルは、僅かに剣を握る手に力を込めた。


 私とて大差ないだろうが…… ひたすら、レノの襲撃に備えるーー!


 その間にもランディス、ラヴィーナが戦闘を開始する。


 エキドナも明らかな人数不足から


「仕方がないのう……」 ため息をつきながら、エキドナは指を鳴らした。

「ほい、ちょっとだけ痛いぞ?」

 次の瞬間、周囲の影が波打ち、暗黒の"爪" が敵を掴んだ。

「さ、少しは大人しくしてくれるかの?」

 そう呟く頃には、すでに敵の数人が"縛られていた"。

 そうして、長剣を構える前衛のランディスと、弓をつがえるラヴィーナの元へ三人が殺到すーー!

 ひひひ、あれぐらい、さばききってくれなくてはの、育てた甲斐がないというものさね。


 まずは、前座とばかりにランディスラヴィーナのコンビネーションを披露していく。

 先手を取ったのは弓をつがえたラヴィーナ、同時に指示を出すーー!

 二人お願いーー!? 援護と同時にこっちでも一人は、捌くわーー!?

「任せろ、三人全員でも構わないだろう? 全員のヘイトを集めてやるさ、その方がやりやすいだろう? だが、トドメは任せた、防衛戦に徹するーー!

「いいわね、じゃ、任せたわよ、その代わり、見返りに、三人とも仕留めるわねーー!」

 いうが早いか速攻と感じで、三本の矢を一息に放つ、一回に栂得られる数は三つ、曲芸の域だが、ラヴィーナは器用さと要領良さが戦闘スタイルだった。

 魔導など極めてはいない、だが、それ故の特化型だーー!

「任せたわよ!」

 ラヴィーナの指が、弓弦を弾いた瞬間―― 三本の矢が一直線に放たれる。

 狙いは正確。しかし、敵もまた「暗殺者」。

 三本の矢は、彼らの動線を塞ぐように配置された。だが、彼らはまるで風を読み取るかのように、それをすり抜ける。


 「あら、思ったより素早いのね?」 だが、彼女は焦らない。

 もう一度、矢を三本――いや、今回は九本。「さあ、避けられる?」


 ランディスの挑発に対して囲むように動き出す暗殺者ーーまずは各個撃破と考えたのか、思うつぼだとラヴィーナは思う? 正直こちらに一人来るとかなりやりにくかったからだ。

 既に放たれた矢を回避して、距離を詰める暗殺者ーー

 あら、割と簡単に避けてくれるのね、じゃあ、おかわりいくわよ、ここからはそう簡単にはいかないんだからね。


 弓を一気に三連射X3で合計九つの弾丸を一息に放つーー!

 まるで一陣の嵐のように、鋭い矢が奔流となって敵を襲う!


 暗殺者達は軽い捌きで一社目を避けるが、そこに留守になっていたランディスが突っ込んだ。

「俺がいることを忘れちゃもらったら困るんだよーー!」

 銀線が墜ちるーー今朝に切り払われた暗殺者が、致命傷を負って倒れた。 だが、最後の力で自害する。


それを見たラヴィーナは「嘘、後味の悪い相手ね。 後で縛って締め上げてやろうと思ってたのに」と独りごちた。

 同時に、まだまだ行くわよ、既に状況は好転して二対一だ、このままではすぐに勝負がつきそうに見える。


「油断していた僕らが悪いんだけど、あれはないなあ、このままじゃ長くは持たないね。

 しょうがない僕が動くーー大将取らせてもらうよーー!」


 瞬時に沈黙を破り、定石通り、背後へと回り込む、お姫様の背後だ、理由は簡単、二人とも串刺しだーー!

「さて……そろそろ終わらせようか」

 彼は一歩、後ろに下がる。 まるで「戦場全体を俯瞰する」ような動き。

そして、誰も気づかないうちに――"狙いを定めた"。


「エカテリーナ・アストリット。"次の手" は読めるかい?」

その瞬間、空気が "軋む" ような気がした。

 瞬時に沈黙を破り、定石通り、背後へと回り込む、お姫様の背後だ。 理由は簡単、かばう聖騎士ごと、二人とも串刺しだーー!

 チェックメイトーー!?レノは 後ろへ一歩下がった。

まるで戦場全体を掌握するかのように、余裕のある仕草で。

その刹那、視線が「標的」に張り付く。


「エカテリーナ・アストリット。"次の手" は読めるかい?」

空気が 軋む。

「ふぅん? ここまでは計算通り。――でも、君の目は"まだ"死んでないね?

 でも、どちらにしても終わりかな? 君が何を考えていたところで状況は変わらないのさ」

「さて……そろそろ終わらせようか。」

次の瞬間―― 彼は、消えた。

いや、"影" に溶けた。 目を向けたときには、もう "そこにいなかった"。

――なら、どこに? 焦る間もなく、背後から冷たい刃の感触。

「大将、取らせてもらうよ。」

エカテリーナの背後に、 レノの影が忍び寄る。 気づいたときには "遅い"。

彼の短剣は、まるで 毒蛇が牙を剥くように伸び、エカテリーナの心臓めがけて一直線―!

ナイフは 伸縮自在。 それはただの短剣ではない。 あれ仕事道具ちゃんと持ってるよね? まあいいや……

魔力を帯びた刃が、二メートルの距離を一息に突き抜ける。 


しかも、重量は元のまま――まるで「手に馴染む最強の槍」。

「チェックメイトーー!」


「君が彼女を庇えば、君が死ぬ。 庇わなければ、彼女が死ぬ。選択肢は――ないよね?」かばう手段もこの角度からなら狙えばないんだよね? 死角って奴なのかな?

 取ったよーー! 今なら、二人まとめて "貫ける" ぜ?


 レノの刃は、"二人同時" に刺す計算で放たれた。 二人の位置取り上ナイトの援護では、クイーンは護れないんだよね。

 ここがまさに死角僕にしかできない必殺のゾーンだ!?

回避するには ナイト(パーシヴァル)がクイーン(エカテリーナ)を突き飛ばすしかない。

 だが、その時はナイトが犠牲になる。 詰んでるんだよね?  これが?

 彼の口元が歪む。

背後から突き出される"死の一閃"――

 刹那、空気が裂けた。視認できない速さで、刃が伸びる――!


 その瞬間のタイミングで、アリエルは声を聞いた。

ーー『危ない避けて、頭の中に響く声、セーフティ用の回路がアラームを発する。

 突然、頭の奥に"何か"が響いた。"刻印が目覚める"という確信とともに――

 刻印から響くように同時に発動する鳴動ーー背中の刻印基本的にアリエルの刻印は普段は空である。 底にストックされている闇の刻印がセット去れ駆動する一息での発動ーー

 危機的状況から発動するのは闇の魔導ーーノスフェラトゥ、刻印を通して髪を伝ったアリエルのアメジストの髪の毛が、背中の刻印と共鳴するように輝気に包まれた。

 バキッ――と音を立て、アメジストの髪がまるで鋼の鎧のように変貌する。

ーー何だと!?

 理由は分からない驚いたのはその場の三人ーー

「何があったの、髪が急に動いて?」

「この光は、エカテリーナ様貴女は一体?」

「こんなこけおどしが、僕には通じないよ?」


 驚きを隠せない三人だが、正確に動いたのはレノだった。

 まだ、先ほどのシュミュレーションのように、クイーンを突き飛ばすために動きを止めていたナイトをみて、正確に突き刺すーーだがーーナイフが、それ以上に硬い髪の毛に防がれて折れた?

 刃が届くより前に眩い紫の閃光。次の瞬間――"神が触れたように"、髪が変貌するーー!

 ガキィンッ! 金属が砕けるような音が響く。

「そんな馬鹿な、俺の刃が……折れた?  ……ははっ、冗談だろ? こんなの……ありえないだろ……? どんだけ堅いと思ってるんだよ!?」


ーーだが結果よりも先に、全てをなげうつ覚悟でパーシヴァルは動いていた!

 瞬時に、透化が溶けてしまったレノを狙って、剣を抜刀と同時に切り払うーー!


 パーシヴァルの刃を、レノはなんとか受ける。 重さが違うーー最初に感じた瞠目ーー「チィ、正面からやり合ってはいくら命があっても足りないーー! 再度の透化を試みたが、それよりも早くパーシヴァルが追撃を入れてくるために、しのぐだけで精一杯だ。

「くそっ、くそっ……! まともにやり合ったら、こっちが持たないってのに! 僕は戦闘タイプじゃないんだけどなあ……全くとんだ災難だ!

「受けた瞬間、腕が痺れる。こいつ……バケモンか? まずいな、これじゃあ後数号と持たないぞ」」

 愚痴をこぼす彼だが、パーシヴァルの攻撃を受けきってるだけ十分な技量と言える。

 剣戟の間にも、徐々にナイフは再生して、暗殺者西手は大ぶりな、長剣へと姿を変える。 携帯性は気にしなくてもいいからね、片手で扱える限界、このぐらいがちょうどいいんだよ!?


 だが、追い詰められているレノはこの状況では軽口も、勢いが落ちている。

「今ですエカテリーナ様こちらへ、一喝と同時に切り上げる、勢いよくレノの長剣ははじき返されて距離が生じる。 仕切り直しか?

 レノは庇うようエカテリーナの前に立つパーシヴァルに歯がみする。

 チィ、これじゃ僕が赤点みたいじゃないか?

 やれやれ、ついてないなあーー! だけども、あの聖騎士が王女をかばっている限りはまだ、勝機はあるね、逃げ道っていう勝機がね? まあ、今の状況じゃ贅沢は言えないね?


 正面から打ち合うのは分が悪い。 もう部下の方も限界なのは読めている。

 いずれあの兄姉が加勢に来る。 それまでにここを離れないと僕は終わるーー!

 

 と言うわけでどうしようかな? と脳内に語りかけるように、そこだ。 決め手にはならない策をーー巡らす瞬時に三メートルーー最大リーチまで伸びた槍がエカテリーナへとまっすぐに伸びる。 無論それが通じるような相手ではない。 だが、最長リーチならば?

 ……ここで粘るだけ無駄、かな、チッ、じゃあ、次の一手だ!

 ここを狙えば君は動けない? 違うかな?


 まっすぐに後方へと飛び退と同時に、一撃それ切り払うパーシヴァル、その姿勢は不動やはり、プリンセスの無事が優先事項らしい?

 はは、うまくいったーー、命拾いした、予定より大分下をいったけど、逃げ切ったね。

 まあ、"勝ち"とは言えないが――ここで"負ける"のはごめんだね。

 やれやれ突撃を駆けられたら危ういところだったよ?

 全く寿命が縮んだね。 どうしてくれるんだい!?


「戯れ言を、今すぐ勝負を続行して、私に切られろーー!」

 怒声をあげるパーシヴァルを無視してーー


「まあ、せいぜいお姫様とよろしくやることだね」

 じゃあね、聖騎士様、この距離ならば安全険ってわけさ、とマントを翻すと、一目散に闘争を始める。


 そんな暗殺者を見ながら、アリエルにはマントの剣を加えた黒いオオカミの刺繍と、漆黒の牙ーー幻狐のレノと言う単語を深く記憶するのだった。

 恐怖に寿命が知人だのは私だとアリエルは思ったのだった。

  戦闘の後には、暗殺者達の死体を処理しているランディス立ちの元へと駆け寄る。

 「こいつら、身体が溶けていくわ。 一体何なのーー進んで自害するのはどうやって求められないし? 一体何者?」


「知らんのか、漆黒の牙ーーこのルキア王国いや、ルキア大陸全土に居を構える暗殺ギルドじゃ、まあ、隣国ルコニーのわしらにはこれまで関係がなかったからの?

 今まで対立してこなかったのは単なる偶然よね、いずれこうなることは分かっておったわい その溶ける奴らは奴らの下っ端兵にほど超された特殊処理じゃの? 何でも量産できる軍隊だとか? まあ元は人間であろうからどこまでホントかしらんがの

 無限に量産できたとしてもこの質では三流よ。時間は膨大にかかっているであろうからコストはゼロにはならんしの?」

 

 といかにも訳知り顔で語ったエキドナの情報に一同は感服した。

「彼らのことは王宮にも報告が上がっています。 近年暴れ出した、過激な暗殺ギルドとか、レオンハルト卿もたいそう嘆いておられるのです。


 なるほどそんなことがあったのか、とアリエルは思う、なら、さぞかし治安も悪くなってきている頃なのかな? などと、パーシヴァルの態度から察した。

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