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ヴィクトルVSエレオノーレ 試練

時間が空いたので前後編まとめてしまいました。 若干混乱気味かもです。

誰かが小さく息を呑んだ。その音を合図に、場の空気がきしむほど張り詰めていく。

「シスター・エレオノーレ。オレは貴女と戦いたい」

唐突な宣言にざわめきが走る。審判席のアメリアが目を見開き、当のエレオノーレは一瞬だけ目を細め――すぐ、いつもの微笑を戻した。


 唐突なヴィクトルの発言に場が騒然とする? あまりにも異質な勝負、審判としてこの場を裁定していた。エレオノーレの目が一瞬細まったが、すぐにはいつもの笑顔を取り戻す。


「殿下ーーわたくしはシスターです、確かに光り魔法は一流、殿下では魔法対決では分が悪すぎますが?


「分かっている、だからこちらは剣、でやらせてもらう。

 そちらは何を使っても構わない」


「正気ですか? それはご命令となのでしょうか殿下? いかに命令であれど、殿下に光魔法を向ける程……

 いえ、私にも立場があります。剣での勝負ーー殿下相手なら私は物理においては格下かもしれませんね、ですが負けるとも思えません。

 殿下は、魔法剣を使っても構いません」


「いや、はじめは純粋な剣技で挑みたい、負けると感じたら抜かせてもらおうか?

受けてくれるなシスター・エレオノーレ」



 ご命令とあらば、立場上受けぬ訳には参りませんね。 アメリア様審判を交代お願いします。 十分強いと思います殿下、その心意気には感服いたしますが

 ……相手が悪いときもまたあるものですよ?」とエレオノーレはいつもの笑顔を浮かべながら内心の分からない言葉を紡いだのだった。


幼い頃の記憶だ……まだ現役だった頃の彼女エレオノーレ……


「彼女は過去に、魔法騎士たち数十人を相手に、ただの"杖"一本で制圧したことがある」

「光魔法の権威でありながら、剣の扱いにも通じ、"魔法剣士ですら敵わない" と囁かれている」


「戦い慣れたヴィクトルですら、彼女の前に立つと"まるで剣を構えることすら許されない" かのように錯覚する。」


「エカテリーナを守るために、俺はこの剣を磨いてきた」

「この剣がエカテリーナを救う力になるなら、どんな無謀な相手にでも挑む」


「ならば、私はただ剣を交えるだけ。――あなたが"戦う理由"を持っているのか、試させてもらいましょう。


「剣を交えるだけで、あなたの覚悟がどれほどのものか……見極めることができるでしょう。」

「エカテリーナ様のために鍛えた剣……ならば、その想いが"本物"かどうか、試させてもらいます。」



その台詞を聞いたアメリアはピクンと肩をふるわせたが、それ以上の反応はしなかった。


「ならば、私はただ剣を交えるだけ――あなたが"戦う理由"を持っているのか、試させてもらいましょう」


「剣を振るうだけなら誰でもできる。だが、本当に"誰かを守る剣"になれるのか……それを見極めさせてもらいます」


アメリアが八として宣言をする。

「宣言します。先に“喉下に刃を置いたほう”を勝ちとする。魔法使用は任意。両者、同意を」

「異存なし」

「承知いたしましたわ」


「俺の剣は、果たしてエカテリーナを守るに値するのか……?」

「俺が強くなれば、本当に彼女を守れるのか? それとも、どれだけ鍛えたところで、届かないのか……?」

「剣を振るうことに意味はあるのか……それを、今、知りたい。」



エレオノーレ視点ーー

城の訓練場。見守る者たちの息を呑む視線の中、二人が向かい合う。

進み出る二人、魔術師同士に比べれば距離が近い常置で向かい合う二人、それがエレオノーレの剣士としてたたかう姿勢を感じさせていた。

アメリアのやや興奮した声が響くーー始め、彼女はヴィクトル辛子線を外すのを辞められないようにそれだけ言い放った。


静寂。

観客のざわめきも収まり、戦場には剣士としての二人の存在だけが浮かび上がる。

(さて……どれほどの腕前か、確かめさせていただきますわ、ヴィクトル殿下)

 エレオノーレは仕込み杖の柄を軽く握る。対するヴィクトルはすでに大剣を構えており、今にも斬りかかろうとする気迫を纏っている。



 場に満ちる喧噪は終わり、静寂その後に……

殿下の気概は十分二伝わりましたわ、私の魔法抜かせてみなさいな? 進化としてではなく、今は剣士として貴女の前に立ちましょう?

「いい覚悟だ……行くぞ!」

一瞬の沈黙。そして、大剣が風を切り裂いた。

 ズンッ! 大地を叩きつけるような強烈な一撃。訓練場の石畳が砕け、砂煙が舞い上がる。

 だが、そこにエレオノーレの姿はなかった。

「……なっ!」

 彼女は剣閃が届く寸前にすでに横へ回り込み、ヴィクトルの背後を取っていた。

「悪くはない一撃ですわね。ですが、剣というのは、速さと正確さがあってこそです」


 悪くない一撃だとおもう、エレオノーレはすでに、仕込み杖で、抜刀の構えを取っている。 抜きはしない。まずは初手はカウンター。

小手調べね、とエレオノーレはおもった。殿下の剣技はすでに知っている。最後に見たのは二ヶ月ほど前か? あれからどれだけ伸びているか? 若干楽しみつつあることに自分でも驚いていた。

強烈な体験での一撃ーー先手を取ったヴィクトルの剛剣

衝撃波すら伴うその一撃。しかし——

 スッと、おぼろのように静の動作から、杖を構えるエレオノーレ……

 姿が霧のように消えた。

「エレオノーレは、ヴィクトルの剛剣が振り下ろされる直前、すでに重心をずらしていた。彼の視界の中に"残像"を作るような動きで、あたかもそこにいたかのように錯覚させたのだ」

「なっ……!?」

気づけば相手は、軽やかに間合いの外へと跳んでいた。

まるで紙一重で躱したのではなく、最初からそこにいなかったかのように——。

「あら……もう攻撃されたのですか?」

攻撃すらしない、エレオノーレは思う、ヴィクトルの攻撃は悪くはないと評価、将来立派な王子として、いや、王か? まあ、彼は大成する。 その予感が読み取れる。だがーー

彼女は努めて涼しげな微笑みを浮かべ、仕込み杖を軽く回した。

「悪くはない一撃ですわね。ですが、剣というのは、速さと正確さがあってこそです」

 エレオノーレは静かに仕込み杖を抜く。鞘が弾けるように吹き飛び、細身の刃が月光のように輝いた。

「では、わたくしの番ですね」


シャッ!ーー鞘から抜き放ち抜刀等同時に奔る鞘走りによって加速する初手……

まだ本気ではないが、最初の一撃こそが最も鋭い武器としての特性上だ。

杖の先端が僅かに伸びる。刃が露出し、極東の刀のような形となる。

それは剣でもあり、魔法の触媒でもある。

ーー殿下、どこまでついてこれますか?


ヴィクトルのナイフが瞬時に、長さを変えて長剣になる。同時に大剣もそれに応じて収縮、二刀流だ。 がら空きになった。胴体への一撃をはじき返した。

鋭すぎる一撃に対しては賭けだったがなんとか防ぎきった。


シャッ! 一閃。速すぎる抜刀が、ヴィクトルの肩に僅かな傷を刻む。


ヴィクトル視点ーー


(くそっ……まるで読まれているようだ……!)

 エレオノーレの剣筋は、一撃の重さこそ軽いが、その分、速さと正確さが圧倒的だった。彼女は無駄なく動き、こちらの剣を紙一重でいなし、カウンターを繰り出してくる。

 ヴィクトルは息を整え、武器を切り替えた。

「ならば、これでどうだ!」

 二刀流を巧みに使い、こちらも力だけではなく技で対抗、エレオノーレの巧みさからすれば児戯にも等しいかもしれない。 だが、そうも言ってられない、瞬間ヴィクトルは、二刀の剣を操り一撃目を避けさせる。 2撃目をあえて振らずにタイミングをずらしフェイント、動きだけでけん制して、三撃目だーー!?


 ヒュンッ! ヒュンッ! 高速の連撃がエレオノーレを襲う。一本目を仕込み杖で受け流すも、霞のようなフェイントからの三段目、二本目が鋭く肩を狙う。

 エレオノーレは紙一重で後退しながら、杖を回し、攻撃をいなす。

(押している……!)


このまま行けば押し切れる。 ヴィクトルは攻勢に出る。技では圧倒的に劣るのは痛感した。ならば、最後に決め手になるのは力だ。


二本の長剣リーチで速さをいなして、力で攻め、速さを封じる。

一瞬の隙を突き、一本を投げる。

エレオノーレが防御に回った瞬間、残った剣を捨て、落ちてきた大剣を掴む——!

そして最後の一撃を放つ。重さに掛ける一撃。

手数を稼ぎ一度限りの剛剣を発揮する。 剣の圧力を受け止めたエレオノーレがわずかに体勢を崩した。

ここだーー追撃は、投げ捨てた方の長剣を再びつかみ取り、最後の一閃ーー

エレオノーレがわずかに目を見開いた。その瞬間、観客席が一斉に息を呑む。

『ヴィクトル殿下がエレオノーレ様を……!?』

ざわめきが広がり、アメリアの驚き混じりの声が響く。」

ヴィクトルは短剣の柄に魔力を走らせ、刃を伸ばす。王家伝来の可変魔導剣――二本を交差させ、二撃目を見せて振らず、三撃目を遅らせる。

ずれた拍の一閃が、初めてエレオノーレの体勢を揺らした。観覧席が沸く。

『えっ、ヴィクトルの剣がすごい、まさかここまで成長してたなんて…っ!』

アメリアの驚き混じりの声が響いた」

 同時にソフィアも思う「ヴィクトルの決め技その瞬間ーー果たして次に戦ったとき私は戦えているのだろうかと一抹の不安を覚えた。 次に戦ったとき、同程度の剣技を見せる約束。それが不安で震えた。


大剣がエレオノーレの仕込み杖を打ち据え、彼女が初めて体勢を崩す。

観客席からどよめきが広がった。

——だが、彼女はすぐに微笑み、杖を軽く回す。


「殿下、力と技を混ぜたのはいいですが、まだ未熟。一度限りの攻防だけれども、それだけでは届きませんわね」

 そう告げた直後、彼女の姿が一瞬揺らぐ。

(速い……! いや、それ以上に読みづらい!?)

 ヴィクトルが二刀の剣を構える間に、彼女はすでに間合いを変えていた。次の瞬間、疾風のように動き、仕込み杖がヴィクトルの首元へと迫る。

 エレオノーレは、ヴィクトルの猛攻を受けながらも、一切焦る様子を見せていなかった。

大剣が石畳を割り、砂煙が跳ねた――が、刃は空を切る。

彼女は踏み込みの“予備動作”ごと読み、重心を半歩ずらして“残像”を置いていた。

「悪くはありません。ただ――遅い、ではなく“見えて”しまいますの」


 ヴィクトルは二刀の長剣を構え、一撃で戦況をひっくり返す戦士の如く、圧倒的な力を込める。

 ヴィクトルは二刀を高速で振るい、連撃を仕掛ける。力任せではなく、細やかな剣捌きでエレオノーレの動きを封じようとする。

フェイントと技を工夫しヴィクトルも狙いを定めるーー

だが、身構えた次の瞬間、エレオノーレが視界から消えた。

「速いッ——! まだ速度が上がるというのか?」

一瞬遅れで、シュッ! という風を切る音。

次に感じたのは、刃が喉元スレスレで止まる感触だった。

「チェックメイトですわ!」

仕込み杖の先端が僅かに首元をかすめ、冷ややかな金属の感触を残す。

観客席からどよめきが広がる。

「ぐっ……まだだッ! すんでの所で回避、上体を反らし、リーチ外に逃げ切った。危ないところだったがまだ行ける!?」

一瞬の焦りを振り払うように、剣を振るい、後方へ飛び退く。


(くそっ……まだ動ける……!)

 ギリギリの反応でヴィクトルは後方に跳び、辛うじて仕込み杖の切っ先を躱した。喉元をかすめる冷たい感触が、今の攻撃が致命傷になり得たことを示している。

「ぐっ……まだだッ!」

 一瞬の焦りを振り払いながら、剣を振るい直し、次の一手を模索する。


「流石に速すぎる……が、速さだけでは俺を倒せないぞ!」



エレオノーレ視点

(では、そろそろ試してみましょうか)

「あらあら、やりますね殿下、わたくしもたぎってきましたわ。

 その剣の冴え、このままではいずれ逆転されますわね」

というのは表の体裁ではまったく思わない。ただそれは今は別の話だとエレオノーレは笑顔を作る。

 そこまでの腕がおありなら、私も本気で行かなければなりませんわね。そうしなければ、いずれ体力差で負けてしまうでしょう?

嘘八百だが周りにはそう写っているはず、ヴィクトルがうさんくさそうな視線を向けるが今は私の空気に飲まれている。

 さて、試してあげますよ殿下、「さあ、殿下の魔法剣……どれほどのものか、見せていただきますわ」

 もちろん手加減いたしますのでご安心をーーとエレオノーレは胸中で呟いたのだった……


 エレオノーレは微笑し、仕込み杖を軽く掲げた。

「ここからは、わたくしの"本領"とまいりますわ、さあ、ご観覧あれ……!

 まずは場の制御からですね、ホーリーライトーー!」

 設置型の光属性フィールドを展開する、一瞬まぶしさに目を取られるヴィクトル。

 「さて、いきますわよ!」

 続くエレオノーレ野動きには常に残像という名の揺らぎがともなうーーホーリーライトーーの効果だ、集中力を奪う。それだけで十分機能する



 眩い閃光が戦場を包んだ。エレオノーレの杖が輝き、黄金の魔法陣が浮かび上がる。

「光剣【ルクス・エストレーラ】」

「杖の刃が黄金の輝きを纏い、空気が震えた。聖なる刃が現れた瞬間、ヴィクトルは息を呑む」


「杖の刃が黄金の輝きを纏い、まるで世界そのものが光に飲み込まれるかのような錯覚を覚えた。

『これは……!』

ヴィクトルの直感が、危険を告げる。

(これまでとは……まるで別次元の武器だ……!)」

 杖の刃が光を纏い、純白の魔法剣へと変化する。その瞬間、ヴィクトルは直感的に悟った。

(……まずい。これまでとはまるで別次元の戦いになる)

 咄嗟に切り札である魔法剣を使う、理魔法を剣に伝える王家の宝剣による切り札だ。

 ヴィクトルは魔法は使えない。 故に武器がその役割を担う。

 幼いヴィクトルが、修練の果てに、弟レリウスや、アメリアとの魔法戦でその道を断ったのを側付きだったエレオノーレはよく覚えている。

 決して魔法の才がなかったわけではないのでしょうが、比較対象が悪すぎましたわね?

 おっと、思い出に浸っている場合ではありませんね。


 エレオノーレが踏み込み、一閃。光が奔り、ヴィクトルの二刀を弾き飛ばした。

 反射的に後退するヴィクトル。しかし——

「逃げられますか? 追撃のルミナリアで光線を展開すると同時に、鞘からの抜刀。

魔法の火力は落ちるが、エレオノーレは、強みはシスターとしてでも剣士としてではない。 その本質は、両方を扱えることだーー!


 エレオノーレは光速の連撃を繰り出し、ヴィクトルを追い詰める。

剣戟の音が響き、ヴィクトルは防戦一方となる。

「くそ……ならば!」

 ヴィクトルは魔法剣を発動させた。二刀の刃が紫紺の魔力を纏い、彼もまた魔力を乗せた剣技で応戦する。 炎と氷を乗せたオーソドックスな魔法の二連撃ーー 鋭いがまだあまさがある。

 二つの魔法剣が激突し、火花が散った。

(——まだ、終わらせない!)

 と猛るヴィクトルにーー!

 最後の一撃ですわね、あえて受けるのも一興

「……さて、ここで幕を引くとしましょうか」

 ヴィクトルは最後の力を振り絞り、一閃。渾身の斬撃がエレオノーレに襲いかかる。

 しかし——

「遅いですわ」

 彼女の光剣が、ヴィクトルの剣をすべて受け流し、隙を突いてヴィクトルの胸元へ突きつけられた。

 静寂。 だがエレオノーレはあえて最後の隙を見せる。

 無論反応するヴィクトル。 最後の一撃でエレオノーレの杖が宙を舞う。

「では、ここからは本領を」

彼女の足元に聖紋が咲き、《ホーリーライト》が視界のコントラストを奪う。揺らぎが残像を生む。

抜かれた仕込み杖の刃が、星の尾を引く。《ルクス・エストレーラ》。

次の瞬間、冷たい感触がヴィクトルの喉元を撫で――彼は跳ねて距離を取る。

「まだ――!」反撃の剣が彼女の杖を弾き飛ばした。

エレオノーレは愉快そうに目を細める。「……勝負あり、ですわ。殿下、見事」


観客席ーー


 ソフィアは思う、どうみてもわざと受けたように感じた? 剣技の心得がないシャーロットや、アメリアには分からないだろう。


 だが、レリウスはクスクスと笑っているし、私にも分かった。 勝利したヴィクトルは全く納得していない渋面だった。それがこの結果を示している……


そんなソフィアににっこり飛び笑い、壇上から降りた。エレオノーレがささやく。

さて、卿の主賓は「ヴィクトル様とエレオノーレ様の一騎打ちですわね。

新婚同士いえ、ちがいましたわね、まあ、それでも婚約者同士の剣舞のお手前、続きを披露する番ですわよエカテリーナ様?


どの程度の頻度で書いていくかなあと? 第一章はもう書ききっては居るのですが割とアップ作業を苦手としているので、6月までにアップしきりたいけど、最近伸び悩みでモチベーションが低めです。

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