光翼の聖女VS漆黒の翼
長いなあと思いながら投下
不詳の弟子よ、お前にもう一度チャンスをやろうて、漆黒の牙の諜報員の排除じゃ、ヴィクトル暗殺はその後じゃの?
「では、その取引忘れないでおくれよ? 僕としてはもう手はずは想定済みなのさ、パチンと指を鳴らした。
「一体何をしたの? 後いい加減私の身体を自由にしてほしいな?」
「ああごめんごめん、忘れてたよ。 いい材料が手に入ったのでついね。 さて、今やったことは漆黒の牙に情報をリークしたのさ、ここにヴィクトル皇太子殿下が一人で居るとね、まあ嘘じゃない? 彼はそのうちここに来ると思うよ。
底を僕たちだけで討伐、後はエキドナに、一番弟子にしてもらうのさ。
「さて、君たち、賭けをしないか? "彼" がここに来るかどうかのね」 ソフィアが眉をひそめる。 「……あなた、何か仕組んだの?」 「そりゃあね、漆黒の牙に"殿下はここにいる"ってリークしておいたんだ。ほら、そろそろ来る頃じゃない?」
自信満々に語る彼の、抗弁を聞いて頭が痛くなった。 漆黒の牙幻狐レノと言ったか、彼一人でも相当に苦しめられた。 パーシヴァル外ない今再び彼のような暗殺者と対峙して果たして自分は生き延びられるのだろうか?
来たよーー? これはすごいね、五人という少数精鋭ってところかな、自信過剰だね?
異空間の静寂を裂く音
時空が歪む音が響いた。次の瞬間、影が滑るように現れた。
黒い外套をまとった暗殺者たち。彼らの中心には、一際異質な存在——ルシュア・ミラージュがいた。 従えるように彼を取り巻くのは下級暗殺者だった。
「……なるほど、ヴィクトル殿下はいない。やはり、罠だったか」
ルシュアの声は冷静だったが、その目は殺意に染まっている。
「だが、それでも収穫はある。”光の聖女”エレオノーレがここにいるなら、それはそれで試してみる価値があるな」
「ふっと一瞬影が差すが、すぐに散開する。姿を消した彼らが一体どこから奇襲してくるのか? ソフィアは不安に駆られた。 刻印の探知で探し出さないと……
彼が軽く指を鳴らすと、三体の分身が揺らめくように生み出された。質量を持つ蜃気楼——ミラージュ・ファントム。
入れ替わるように、エレオノーレが現れる。「私が駆けつけました。王家の光エレオノーレ参ります。 エカテリーナ様は私の後ろへ、レリウス王子は自分でしでかしたことですし、自信をの尻拭いしていただきますよ?」
「ああ、構わないよ、僕はこんなところでは死なないからね」
『エレオノーレをみて、追跡されていたのか?
私ってダメな暗殺者ねっとつくづく独りごちた。
でも目的もばれたのに、なんで彼女は護ってくれるんだろうと、一抹の疑問を覚えたのだった……』
「……貴方たち、ここで終わる覚悟はできていますか?」
エレオノーレは静かに仕込み杖を構えた。その瞳は、影の中に揺らぐルシュアの本体を捉えようとしていた。
エレオノーレは、目の前の男を見つめながら、ふと眉をひそめた。
ルシュア・ミラージュ——そう名乗っていたはずだ。しかし……
「……あなた、何者なの?」
問いながらも、胸の奥に違和感が広がっていく。
この男を見ているはずなのに——"その姿を正確に思い出せない"。
剣士だったか? それとも魔道士だったか?
髪の色は? 目の色は? どこかで会ったことがあっただろうか?
意識を研ぎ澄まそうとするたび、記憶が霧のように揺らめき、ぼやけていく。
見えているのに、脳が"認識"することを拒むような感覚。
「……ああ、君のような聖女でも、この違和感は拭えないか」
ルシュアは口元に微かな笑みを浮かべながら、ゆったりと剣を回した。
その動きですら、奇妙なほど輪郭が曖昧だ。見えているのに、視界に"留まらない"。
まるで影のように、確かに存在するのに捉えられない。
「それがシャドウ・ヴェール。僕の顔も、声も、存在も——君の記憶には残らない。」
エレオノーレの瞳が険しくなる。
確かに敵対しているはずの相手なのに、どこか"初めて会った気がする"。
今、目の前にいるのに、その姿が霞んでいくような感覚。
「認識を奪う魔法……なるほど、厄介ね」
「厄介、か……ふふ、それがどれほどのものか、試してみるかい?」
ルシュアの姿が、一瞬、完全に背景と溶け合う。
次の瞬間——彼の剣閃が虚空から閃いた。
ルシュアの影が瞬時に分散し、四つの存在となってエレオノーレを取り囲む。
その瞬間、一閃——幻影だ。
幻影の牙、彼の持つ銀の長刀が、奔った瞬間、特殊な魔術加工が施されたそれは、視るも剣筋を、読ませない。 初見ならまず躱せない一撃ーー故に幻影の一撃(ファントム・ブレイド!)それを受ければ例え誰であろうとも死……
続くように影が同時に斬撃を放ち、空間を歪ませるような衝撃が走る。
だが、その攻撃を普段携えている杖から抜き身の等身を抜き放って切り払うエレオノーレ、彼女の剣戟は華麗で優美、それだけ洗練されている熟練者だ。 上級クラスなの? 流石、エレオノーレ。
「——光よ、闇を照らせ。セイクリッド・ディスペル」
エレオノーレが杖を振るうと、光の奔流が空間を満たし、ルシュアの分身を弾く。
一体、二体——光に包まれ、蜃気楼のように消えていく影。
「ふむ……なるほど、光魔法は厄介だ」
ルシュアは口元を僅かに歪めた。
「だが——僕の分身はあと二つ。更に、僕自身もいる」
その言葉とともに、エレオノーレの背後から、残った分身の一体が襲いかかる。
——ザシュッ!
しかし、その瞬間、銀色の刃が飛来し、分身の影を切り裂いた。
ソフィア & レリウス 参戦
「流石、光の聖女様。でも、ちょっとばかり一人で戦いすぎではありませんか?」
ソフィアがレイピアを構えて風の斬撃を放つ、取り囲むように包囲網を張っていた、比値取りがその特性に気づかずに、足払いを受けて転倒、だがすぐに立て直す。
完全に下級暗殺者ってわけでもないのね!
「おやおや、僕も加勢するよ?」
レリウス・クロイツェルが無邪気な笑みを浮かべながら、空中に魔法陣を展開する。
「余計なことを……」
ルシュアは舌打ちをしたが、視線はすぐにソフィアへと向けられた。
「エカテリーナ……いや、”影”か。お前もここにいるのなら、また一つ、試したいことができたな」
その言葉にソフィアの目が細められる。
「試す? 一体何を?」
「俺の分身が通用するかどうか。……さあ、ミラージュ・ファントム——四影殺陣」
分身がさらに増え、影が錯綜する。刹那、戦場が漆黒の幻想に包まれた——。
瞬間刻印が発動する。
『きひひ、その刻印は何も魔法だけに反応するわけではないでの?』
シャドウクアドラの一部が、足の刻印に吸収された。
瞬間こちらもシャドウクアドラが足に宿り、使える? 同時に相手のクアドラも妨害する一手ーー
「方これは報告にあったとおりやっかいだな」
ヴィクトルが姿を現す、奔ってきたのか若干息が切れているが、その瞳には覇気がある。
『間に合ったか、オレに切られる前に死んでくれるなよ、偽公女エカテリーナ?』
ヴィクトルが「待たせたなと言うと、ソフィアは活気づいた」
その声が響くと、戦場の空気が一変した。
黄金の長剣が振り下ろされる。
——ズバァァァン!
一瞬にして影が裂かれる。光と雷が交錯し、ヴィクトル・フェルディナント・エリゼが現れた。
「……蜃気楼を相手にするのも悪くないが、そろそろ決着をつけようか?」
黄金の雷が剣に宿る。
「ルシュアといったか? 貴様が何を企んでいようと、俺の前では何も通らん」
ルシュアはヴィクトルの雷を纏った剣をいなしながら、
ふと、周囲の気配の乱れを感じた。
「……なるほど、あれを使うか」
彼はヴィクトルの剣を一閃で受け流しつつ、目だけで状況を分析する。
ヴィクトル・フェルディナント・エリゼの攻撃ーーだが、その長剣での攻撃はブラフだ。
ルシュア一流だ「本物と偽物を見切る目」を持っている。
長剣で小ぶりな斬撃を続けながら、ヴィクトルはナイフを取り出す小型のナイフか、長剣の鞘に仕込まれたそれを抜き放つと、一気に黄金の大剣が抜き放たれる。
それを片手だけで扱い回転を伴ってに連撃、長剣とセットで扱うことを想定され居るのか大ぶりであり、なおかつそれで居ても二刀ーー
だが、見切れているはずの動きが、僅かにズレる——。
影が彼の死角から迫る。
彼の暗殺者としての本能は、もう一人の資格ーー潜伏状態へ移行して静かな気配でこちらを狙っていたシスターを見逃さなかったが、遅い……
「——これは、しまったな」
彼は気づいたが、すでに遅かった。
エレオノーレの刃が、ルシュアの懐を捉えていた。
しかし、それであっても、彼の放った分身はその攻撃を受け止めた!
「なるほど、君は強いね、他の雑魚『ヴィクトルよりもまず君を倒しきらなければ僕たちの作戦は成功しない』それなりの本気でいかせてもらうよシスター!」
「それなりの本気でいかせてもらうよ、シスター。
……まあ、今回は"奥の手"は出さないでおくけどね」
「……まあ、ここで生き延びたとしても、いずれ僕の獲物になるしかないけどね?」
「そういった自負は足下をすくいますよ、漆黒の牙野幹部、いや漆黒の翼の名を冠するという、ルシュア・ミラージュ、噂には聞いていたのを思い出しましたわ。
ならば、近衛レオノーレも本気で行かせて頂きます。
光翼の聖女ーーエレオノーレ参ります。残念ながら、戦闘タイプではないので、貴方にとっては不服かと思いますが行かせて頂きますーー!」
「よく言う、そこまでできて上級クラスなら、この王宮でも君に勝る者はそうそうは居ないだろう?
僕もそれなりに、まずい立場だね。 だけど、僕はその程度ではとれないよ? 本気で来なよ、光翼の聖女」
「フ……流石に”王家の剣”は格が違う、か? だが、僕もまた上級クラス、君はまだ、ロードナイトってところだが? 後ろに控えるヴィクトルを見ながら言う。
にやりとルシュアは嗤った、実力は僕の方が上だと言いたげで、実際先ほどからエレオノーレと切り結ぶ彼は実力が段違いだった」
ルシュアは咄嗟に姿勢を低くし、最小限の動きで刃を避けた。しかし、その瞬間、エレオノーレの刃が彼の外套を裂き、薄い血の筋を描く。 「……やるね」
『僕は実のところいつか君と戦ってみたかったのさ』シスターとエレオノーレを視覚に捉えなが呟いた。
ルシュアは微かに笑い、背後へ跳躍した。彼の指が影を指すと、霧のように姿が消え始める。
ルシュアは冷ややかに微笑んだ。しかし、その手の動きは止まらない。
残念ながら、君には格下とあそんでもらうよ、後でゆっくり料理してやるさ。その前にルキアの聖女を始末しないとだね。
と言うと分身の一体が、鋭い剣戟でヴィクトル跳ね飛ばすと、そこに残りの暗殺者が集った。 私はヴィクトルの方へと身体を滑らせて、助太刀に入る。
「私も援護します」
「エカテリーナ偽りの公女よ、感謝する。
だが、命を守るのはむしろ君自身のことに集中すべきだな。オレはこんな相手には後れは取らん」
「殿下、ですが、私も貴方の婚約者ーー黙っているわけには参りません」
「流石エカテリーナ、その意気だ! お前の力見せてくれーー?」
「殿下がお望みとあれば」デュアル・ミラージュ、先ほど奪い取った刻印からの、新しい技、本来ならクアドラなのだが、私の彼との違いによる制限だろう?
現れた影は影は暗殺者一人を相手取り立ち回り、もう一体は、エレオノーレの援護へ向かた。
ルシュアの輪郭が徐々に揺らぐ。霧がかかるように、その存在が曖昧になっていく。
まるで、「そこにいたはずの彼の存在そのものが、記憶から削ぎ落とされる」ような違和感。 「……これは、シャドウ・ヴェール?」
エレオノーレが低く呟く。 「そう、僕の姿を見失うんじゃない。——"僕が最初からいなかったように感じる" んだ」
ルシュアの声だけが響く。その直後、完全に彼の気配が消えた。
「刻印、解放——!」
ソフィアの背中に刻まれた紋様が鈍く発光し、黒い影が彼女の足元から伸びる。
その影は揺らめきながら形を変え、やがてソフィアと瓜二つのシルエットを作り出した。
「シャドウ・クアドラ——デュアル・ミラージュ!」
瞬間、二体の分身が生まれ、周囲の空間に飛び散るように散開する。
それはまるで、ソフィア自身が二重の残像となったかのような錯覚を与える。
「……ほう、ここまでの動きができるとはな」
ルシュアの銀の刃が再び煌めき、影の分身を裂く。しかし、その刹那。
彼の本能が警鐘を鳴らしたーー何かが、狂っている。
彼は見逃さなかった。ソフィアの足元の影が微かに波打ち、
そこから新たな気配が滲み出していることを。
「——そこか!」
ルシュアは即座に跳躍し、回避に移ろうとする。だが、その瞬間。
エレオノーレの刃が光を帯びながら斬り込んできたーー!
ルシュアが目を細めた。
彼が見抜いたのは、この分身が 本来のシャドウ・クアドラとは異なる仕様 であること。
ソフィアの作り出した影は「本物の肉体を持つ」ルシュアの分身とは違い、
一定の条件下で 攻撃を終えると本体へ吸収される制約 があった。
——つまり、攻撃の機会は一度きり。
しかし、それを知ったところで避けられる保証はない。
「ふふっ……"偽物"でも、貴方を翻弄するくらいはできるかもしれませんわね?」
ソフィアが微笑むと、二体の分身が一斉に動き出した。
一体は側面から回り込み、もう一体は高く跳躍し、背後を取る。
彼女の本体は真正面から突き進み、三方向同時の攻撃が仕掛けられる——。
「だが——甘い」
ルシュアが冷ややかに呟く。
その瞬間、彼の刃が虚空を走り、影の一体を切り裂いた。
しかし、ソフィアはその一瞬の隙を見逃さなかった。
「さぁ……もう一体はどこかしら?」
気づいた時には遅い。
ルシュアの足元、影の中 から現れた二体目の分身が、彼の死角へと忍び寄っていた——!
だが、元はと言えば、自信の技だルシュアと手そうそう喰らう者ではない。
だがわずかに意識をそれたその瞬間エレオノーレの斬撃が奔る。
「わたくしを忘れてもらっては軽い怪我ではすみませんよ? 暗殺者様?」
にこやかに笑うエレオノーレをみて、わずかにルシュアに動揺が走った。
ヴィクトルやソフィアそれぞれが戦っている。 エレオノーレ、ルシュアともにその様子を横目で捉えながら、次の一手を狙っている。
「俺が相手をする!」
ヴィクトルが雷の剣を振るうと、ルシュアの分身が一体、避けるように身を引いた。
しかし——その瞬間、ソフィアのレイピアが影から鋭く突き込まれた。
「——影を読むのは、貴方だけではありませんわよ?」
影を駆使するルシュアに対し、影を利用して裏をかいたソフィア。
分身の一体が砕け散り、戦況がわずかに傾き始める——
「さて、光翼の聖女、僕も遊んでばかりとは行かない、そろそろ、勝負を決めなければならないーー!」
「それは私と手同じ事、ではこちらから参ります。
エレオノーレが、動くと仕込み杖での一閃と同時にノー詠唱で行われる中級魔法、ルミナス・ライトニングが宙を焼く!
「これだけの魔法を詠唱なしでわずかに、回避二期を使ったがすぐに持ち前の敏捷性で背後を取るルシュア、その瞬間のタイミングを読んだように背面へ仕込み杖での追撃が来る。
これは、なかなか、予想以上にやるーー!?
その瞬間タイミングで、エレオノーレは仕込み杖をカツンと逆手(元々が逆餅の杖)を地面にたたきつけた。
これはそうかーーもともと魔法杖、いっさい使わなかったから、化かされたか、意旬の閃光それが目もくらむような明かりとなって、あたりを包み、この手の攻撃に態勢をもルシュアからでさえもその視覚を奪ったーー!
さあ、決めさせてもらいます、両手に収束する膨大な魔力、杖を捨てて、至宝の光としての二つ名を発揮する。
「裁きの光よ——全てを照らせ!」
エレオノーレの周囲の空気が震えた。
天空から降り注ぐ光が、彼女の背後に六翼の聖なる幻影を映し出す。
「ホーリーライトーー・アーリアル——!」
純白の輝きが収束し、大気が震える。その一撃は神罰の如くルシュアを包み込んだ——。
ならば、ルシュアは、戻り書けた視覚で、両手に持った片刃の長刀をクロスさせて、漆黒の翼の奥義の一つご開帳と行こうか? と言った。
アーリアルーー清廉な響きでエレオノーレが呟く、その瞬間ルシュアを中心に膨れ上がる生のオーラに、軽いめまいを覚えながらもルシュアは決技で対抗した。
漆黒の翼、第一形態パージ……ルシュアの肩空両翼堕天使の翼が映えるそれをクロスさせて、防御攻撃性能でさえ持つであろうそれを外套の下からはやして、アーリアルに対抗するように、エレオノーレに向かって一直線に伸ばしてフェザーウイング、死の魔力がとも鳴った羽が次々に、アーリアルとぶつかり……至宝の光に溶ける漆黒の翼……黒い羽が弾けるたびに、魔力の刃として飛び散り、エレオノーレの光と拮抗する
周囲の者はSランクのスキルのぶつかり合いに皆を奪われていた。これが一流同士の戦いヴィクトルは慟哭し、ソフィアは息を飲んだ。
その中でレリウスだけはこれは興味深いね。ぼくもこれぐらいできればいいんだけどなあ。うーんと唸っている。
輝かしい目もくらむような光が晴れると同時に、翼を焦がしたルシュアは、先ほど野漆黒の翼を焦げ付かせていた。 その光景にはさきほどのような荘厳さはない『やれやれ、今回はこれで打ち止めだね』
「光翼の聖女よ、僕はここまででお手上げと言ったところだ、君も相当に消耗しただろう?引かせてもらうよ? 先ほど、言ったように君と遊んでばかりも居られないのさ、光翼の聖女。
その時は、お前の光を絶望へと変えてみせるよ。今宵のしのぎ愛は楽しかったよ、また会おうーー!
ルシュアは焦げた漆黒の翼を広げる。
「だが、これは僕の敗北ではない——。"次"があるさ」
そう言い残し、彼は影へと溶けるように消え去った。」
そう言って彼は窓から飛び去るように飛び去っていった。
現実離れした光景にただソフィアは見送ることしかできなかった……
『やれやれ、撤退してくれましたか、かろうじて勝った? いえ、これでは痛み分けですわね。
アーリアル……至高の光をほぼ全力で打ったというのに仕留められないなんて……
漆黒の牙は想像以上に危険な組織のようですね? レオンハルト様に報告しなければ。
しかし私は今回精彩を欠いていた。 なぜでしょうか? 彼が気になった?
嫌初対面の筈なのですが、シャドウ・ヴェール彼が知り合いの誰かに似ていた。
いえ、考えても詮無きこと…… 今後の対策についても協議しなくては、くぅ、身体が、想像以上に筋力を使ったので、立てなくなっていまいました……』
へなへなと腰を抜かして座り込むエレオノーレを見ながら、ルキウスは満足げに目を細めた。
彼女の消耗しきった姿は、まるで高熱に浮かされた実験体のようだ。 その微かな震えすら、彼の興味をそそる。
エレオノーレの戦いが終わり、彼女は膝をつき、荒い息をついていた。
その姿を見下ろしながら、ルキウスは満足げに目を細める。
「ねえ、エキドナ様。彼女は貴重な研究対象だと思うんだけど、貴女はどう思いますか?」
まるで新しい実験体を見つけたかのような口調。
その問いかけに、エキドナはニヤリと嗤った。
「ほう、興味を持ったか? 小僧。……そうじゃの、"至宝の光" の持ち主としてはまだ未熟じゃが、伸びしろはある。いずれは傑作になれるかもしれんの?」
「なるほど、"青い果実" というわけか」
ルキウスはクスクスと笑いながら、エレオノーレの指先が微かに痙攣している様子を観察する。
「僕はね、未熟だからこそ興味があるんだ。 熟しきった果実は、手に取った瞬間に崩れる。 でも、成長途中のものは……どうとでも"手を加えられる" じゃないか?」
「ふふ、お主、なかなか分かっとるの」
エキドナは目を細めた。
ただの狂気に溺れた道化かと思えば、この小僧は「素材の活用」に関して、まるで芸術家のような発想を持っておる。
「青い果実は、"待てば甘くなる" ものもあるが……"強制的に熟成させる" 方法もあるぞ? 例えば、極限状態を与えるとかの?」
「へえ、それは面白いね。たとえば、彼女が"どこまで壊れるのか" も見てみたい。いや、"どんな音を立てるのか" って言ったほうがいいかな?」
「カカカ! その感性、まさしく"マッド" じゃの。 ほめてやろう、小僧」
エキドナは満足げに嗤う。
ルキウスのような"道を踏み外した輩" ほど、扱い甲斐がある。 …そして、利用価値もある。
「それにしても、"至宝の光" の担い手が"至宝" たり得るには、まだまだ修行が足りんな。 もしワシと戦っておれば、"アポカリプス" があの娘を塵に変えておったじゃろう」
「うん、それは僕も思った。 まだまだ面白くなる"余地"がある。 それをどう伸ばすか……楽しみだよ」
「カカカ……本当に、お主は"良い性質"を持っとるな。 だが、ワシの弟子になりたいのならば、まずは"証" を立てることじゃ。 …そうじゃな、ソフィアを"改造"できれば、お主の手腕を認めてやろう?」
ルキウスは興味をそそられたように目を輝かせる。
「"改造"……つまり、一度壊して、リミッターのない新たな個体に仕立て上げるってこと?」
「そうじゃ。 ただ壊すのではない。 ワシが望むのは、"新たな存在" を生み出すこと。 ……できるか?」
「えー、それって結構めんどくさいなあ……まあ、やるけど」
ルキウスは大きく伸びをしながら、つまらなそうに肩をすくめた。
「まあ、僕としては、彼女を殺すよりも"どう利用するか" を考えた方が面白いんだけどね。 さて、どうしたものか?」
「ほう? "殺す以外の選択肢" とな?」
「そう、殺すのは簡単だけど、それって"実験の終わり" でしょ? でも、"生かして試す" ことは無限にできる。 ……そう思わない?」
「……カカカ、"壊すこと" しか知らん者とは違う視点を持っとるの。 面白い」
「でしょ? じゃあ、エキドナ様。 僕は"どう壊すか" ではなく、"どう改造するか" の視点でやってみようと思う。 そのうち、貴女にも興味深い"素材" を用意してみせるよ」
「期待しておるぞ、小僧」
エキドナの笑い声が部屋に響く。
まるで二人の狂気が交差し、「悪魔の契約」 が成立したかのようだった……
ちょっとくどい感じがするかも?




