第一話 記憶
事故って入院してました…
「名前、なま…え…。」
まずい、自分の名前…ってなんだっけ。
「名前が…思い出せないんだ…」
女性の方に目をやる、すると
「あ〜かなり記憶喪失が進んでいるんだな…ならこの世界の事を余り知らない事だろう、ついて来て。」
自分は、言われるがまま、彼女についていった。
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「先に、ここに来る前の記憶について話して欲しい。
そうだな…本当に当たり前でいい。海は水だとか、太陽が昇って朝になり、沈んでいき月が出ることで夜になる…とかか?」
つき?たいよう?何だっけ…おもいだせない…
「あ、あの…覚えて…無くて。」
彼女は神妙な面持ちで言った。
「はァ〜…かなりの重症だな。今は暗いだろ?この状態、つまり、明るい時の上に出てる丸い玉、あれが太陽って言ってそれが沈んで、また別の玉がでてくる、それが今光ってる月だ。まあ〜光ってる訳じゃ……まあいい。わかったか?」
そうか…な、なら自分はなんで、名前だけ忘れていたんだ…
「フフッ…まあそこん所含めて全て教えてやろう。
この世界は、まあ異世界と言えば異世界なのだろう。実を言うとだな、私達…君を含めここへ飛ばされてきた人の最古の情報は約300年ほど前にも遡る。」
「待ってください、私達って、僕たち以外にも同じ境遇の人が…」
「そうだ。生存者が集まっている場所があるのだが、そこに私含めて大勢が生活している。私に発見されたんだ。来い、新しいメンバーにしよう。」
うーん…命の恩人だし、着いていって死ぬならさっき食い殺されてたもんな…不利益はなし、か。
「分かりました。場所はどこなんですか?」
「今居るこの道を真っ直ぐだ。そもそも
、帰る途中に君と出会ったんだからな。」