第五話 逃げる?隠れる?それとも...
「どうすんだこれ?」
彼の目の前にいたのは巨大な化け物がいた。
その化け物は何とも呼べない見た目をしている。
象のような長い鼻は黄色く、虎のような顔青く、人の様な手と足は赤黒い本当に化け物としか表現できない存在だった。
ただ、それはとても疲れている様である。
彼はチラッと後ろを見た。
そこには動けなくなっている彼の仲間が二人いた。
二人は目の前の化け物にダメージを与えたが、化け物によって動けなくされてしまった。
その上、彼は僧侶であり、後ろの二人を背負って、化け物から逃げるような能力は持っておらず、どうしたものかと頭を悩ませる。
しかし、そんな時間は与えんと言わんばかりに、その化け物は彼に攻撃をする。
長い鼻を使って彼に巻きつこうとするが、彼は分かっていたとばかりに余裕で回避し、手に持つ杖で攻撃した。
「うーん。1ダメ入ってるだけマシか?しゃーない持久戦と洒落込もうか」
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......どうしたもんか
僕の目の前にいるのはブルースライムだ。....途轍もなくデカいが。
『凄い大物を引き当てましたね〜』
そんな呑気なこと言えるか?
『だって私が直面しているわけではので、大丈夫です』
....こいつと会ったら一発殴るか。
『待ってください!』
待って欲しいなら、反省しとけ。
まぁ、雑談をできるのはこれで終わりだけどな。
そのスライムが高速で接近...はしなかったが大体馬ほどの速度で僕に近づいている。
このサイズでこの速度....他の作品のスライムは鈍足低火力だったが、ここの世界のスライムは高速低火力か、いや僕の場合どんな攻撃でも死ぬから高速高火力だな、笑える。
『笑ってないで、戦闘準備をしてください』
そんなことか?戦闘準備ならもう終わってる。
『へ?』
これくらいの速度なら....
一定の速度を持ったビックスライム(仮名称)を手に持つ杖で受け止めることなんて....
「難しくも何ともない」
実際これぐらいなら誰でもできそうな気がする(妹もよくしてたが、林道は無理だろ!って言っていたが)。
じゃ、反撃といこうか。
ビックスライム(仮名称)から少し距離を置いて、ビックスライム(仮名称)に向かって走りジャンプして、落下の衝撃をぶつけてやる。
ちなみに彼がこの動作をするのにかかっていた時間は2秒も経っていない。
『あなた本当に人間ですか?』
どこをどう見たら人じゃないと判断できるんだ?
『.....もういいです』
そうか。
そんな会話をしていると何かが喋りかけてきた。
「降伏する。強き者よ」
何と先ほど攻撃したビックスライム(仮名称)が喋りかけてきた!
....喋れるのか!
『意外ですね?彼らが他種を認めるのは』
「どうしてだ?」
「彼我の力の差は圧倒的であり、私がどれだけ戦っても、其方に攻撃を与えることはできないだろう。故に降伏する」
.....もうちょっと戦いたかった。
『戦闘狂の気質あり!?』
.....何とも言えない。
「そうか」
こういう展開だと何かもらえたりするのが鉄板だが....
「おそらく其方はくえすとやらを受けて、我が子たちを狩りに来たのだろう?代わりに私が持つ最も珍しいものと私が倒した同種の魔石をやろう。」
へぇー、クエストについて知っているんだな。ていうか今我が子って言ってたよな?
『ああ、言っていませんでしたが、あなたが下したスライムはエンシェントキングブルースライムこの森に1000年以上住んでいるブルースライムたちの王です。人間の情報を得る事など朝飯前、ナイトドラゴン程度なら軽く一蹴する事など容易いこの世界の抵触禁止存在です。』
....思った以上に強い奴だったとは。
彼はエンシェントキングブルースライムの速度を馬ほどと称したが実際は車の100km越えスピードと同等なのである。つまりこいつは反射神経がバグった何かである。
「これを其方に渡そう」
それは古びた紋章のようだった。
「あと私の同種の魔石も」
こっちは大人の顔ほどありそうな蒼い魔石だった。
「これは?」
俺は古びた紋章について聞いた。
「それはな....」
何かビックスライム(長いから仮名称のままで)が話そうとした時、古びた紋章が輝き出した。
「む!」
『これは!まさか!?』
「....何だ?」
驚いたのは束の間その輝きはすぐに消え、僕の手には古びた紋章があるはずだった。
僕の手にあるものを見てビックスライムは叫んだ。
「やはり其方は『可能性の芽』!」
なんと僕の手にあったのは光り輝く黄金の紋章だった。
設定紹介
魔石
魔物が落とす石。なんか色々使える。あと売れる
林道
第一話で竹林修斗に話しかけてきた男子。今はキャラクターメイキング中
エンシェントキングブルースライム
とりあえず、でっかくてつよくてながいきしてると思えばいい。会えば基本死ぬ。
ナイトドラゴン
ドラゴンの種族名。あんまり強くない(ドラゴンの中では)。
抵触禁止存在
やばい奴らの集まり。会えば基本死ぬことが約束されてる。あ、向こうに川が見える!
古びた紋章
誰かが未来を憂いて託したもの。資格を持つ者が持つことにより、真の姿を表す。
『可能性の芽』
不明。
黄金の紋章
古びた紋章の真の姿。これを持つ者は『無限因子』を得る
無限因子
無限の可能性を持つもの。願いを叶える資格を持っている。