第四話 当たらなければどうということはない
ギルドから少し歩いてから気づいたがブルースライムの出現場所聞くの忘れて...。
『ブルースライムの出現場所はこの街からすぐ近くの『涼しげな森』に生息しています』
....誰だ?
このゲームにはチュートリアルの説明をするナビゲーターはいるが質問に答えてくれるとは書いていなかった
つまりこいつは....
『私ですか?』
ああ、そうだ。
『そうですね』
『.....』
『労働が嫌で逃げてきた神様です!』
は?
『あなた方はこの世界をゲームだと認識しているようですが違いますよ』
『これはゲームでは無く』
一つの世界です。
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???
「ふーん?」
雲よりも高い位置に小さな島が浮いていてそこに西洋で見る茶会場に10代ほどの銀髪蒼眼の少年が椅子に座りながらウィンドウを見ていた。
「あいつも良いやつを見つけたな。労働倍は無しにしてやろう」
とても偉そうである。
「しっかし、1%とは言え何で世界接続が起きてんだ?」
「あれが起きるのはもう少し先になるになるはずだったんだが....」
考えながら、ウィンドウを見つめる少年。
そこへ誰かがやってきた。
それに気付き、少年が来た者に視点を移す。
「ん?あ、メルじゃん!」
そこにいたのは見たところ大体16〜18ほどの金髪赤眼で猫耳の少女だった。
「どうしたの?」
「仕事の催促にきました」
「....」
サボっていたようである。
「少なくとも今のあなたは複数の世界の主神なんですから」
「はいはい、わかりました頑張りま〜す」
「とても棒読みですね」
「だってさぁ〜」
「仕事頑張ってください(圧)」
「あ、はい」
「それでは失礼します」
レン様
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....それは冗談で言っているのか?
『冗談で言っているとでも?』
ああ、そうさ。
冷静に考えてもまだ冗談で言っている方がありえ...
本当にそうか?
あいつが死んでから、ニュースは一切見なくなったが、それでもVR業界の技術革新なんてあれば記憶に残っているはず。
でも、そんなニュースを俺は見た記憶がない。
つまりこの自称神様は本当の....
『あ、もうちょっとで門を超えますよ!』
...本当に間が悪い。
「....!」
...言葉が出てこないぐらいに美しい。
鳥の囀り、風の音、木々の子守歌。
確か自称神様が言ってた方向はこっちか。
『自称神様やめてくれません?』
....名前を知らん奴の言い方は適当にするしかないから。
『....なら私の名前はアリアとお呼びください』
....アリアか、分かった。次からはそう呼ぶ。
『お願いします』
そんなことを話していると....
....着いたな。
『ええ、ここが『涼しげな森』です』
小鳥が囀る声が聞こえる。
ピクニックに良さそうな場所だな。
『ですが、気をつけてくださいよ?ここは...』
そうアリアが言うと草むらからブルースライムが飛び出してきた。
『モンスターが生息する場所なのですから』
悲しいことだな。
スライム系ならそこまで...意外と速いなこいつ。
....リハビリに良さそうだな。
『?』
ああ言ってなかったが、僕は
VRゲームじゃそこそこ強いんだ。
そんなことを言いながら、スライムの突進を回避して、反撃に初期装備としてもらった見習いの剣で切り裂く。
すると、ブルースライムは少し怯んだ。
僕の戦法的には、攻撃して欲しいところだが...
「え?」
逃げた。
『ふふ、言ったでしょう?ここはゲームではないと』
....野生の本能とでもいうやつで逃げたのか。
これは中々骨が折れそうだな。
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