第13話
社畜歴もだいぶ長くなったのでたまには自炊でもしようと思う。
──と言っても本格的な自炊ではなく、冷凍やレトルトなどを使った簡単なものを作ったので簡単に作り方をのせておく。
今回、使用したのはハインツのチーズグリルハンバーグとマ・マーの冷凍パスタのナポリタンである。
誤算だったのはチーズグリルハンバーグの茹で方だった。
沸騰した鍋に入れるのは解るが、再沸騰させた鍋に17分も煮詰めろとは普段の効率重視の俺からすれば、たまった物ではない。
しかし、流石にそこは我慢したので我ながら褒め称えたいところである。ハンバーグを再沸騰している間にナポリタンを電子レンジで温める。それでも、ハンバーグの方が解凍時間が長いのは何故だ?
そんなこんなでパスタが温まった音がして一旦、開けてから、すぐに閉める。こうしないと電子レンジから音がして早く中身を出してくれとうるさいので、そういう習性がついてしまった。
だいぶ、煮込んだグリルハンバーグを鍋から取り出し、耐熱皿に開封したナポリタンとハンバーグのトマトソースを馴染ませる。
我ながら上手く出来たもんだと褒め称えたい。
ハンバーグを箸で半分に割り、今回の出来を称えようとしたが、撮影しようとして何かがしっくり来ない。暖色系の赤だけで合わせたからだろうか何か別の色が欲しいところだ。
何かないかと考えながら見渡していて偶然、流しに置いてあった昨日、食べた焼きそばの付属品のからしマヨネーズが視界に止まる。
赤に白ならかなり、程良い組み合わせだろうと思い、ハンバーグの上から未使用のからしマヨネーズをかけてやる。今度こそ、完成である。
スマートフォンのカメラに何枚か撮影してから、ようやく、実食である。この時点でケチャップの量がハンバーグのトマトソースを吸い、皿に凶悪になっていてスゴいが、からしマヨネーズはどこまで健闘できるかが気になるところである。
からしマヨネーズをつけたハンバーグを口にしてみる。
ほんのりからしマヨネーズが勝ったと思った瞬間、圧倒的なトマトソースとケチャップの組み合わせに流される。本当にあっという間過ぎてからしマヨネーズが存在していたのかさえ、疑問に思ってしまう。更にトドメを刺すようにチーズも参加して、からしマヨネーズは姿を消して完全敗北する。見事なまでの完全敗北具合にこれをネタに一本書けそうだと思ったくらいである。
それだけの圧倒的な味の暴力が口の中で起きた。
あとはもうトマトソースとケチャップの君臨する口内となったパスタもハンバーグもトマトソースとケチャップが蹂躙し、自分が何を食べているのかも解らなくなる。
それくらい、トマトが恐ろしい程、主張していた。圧倒的なトマトという強者の前にチーズもからしマヨネーズも為す術がなかった。
我ながら恐ろしいパスタを作ったものだと思いつつ、いつも通り、締めにコーヒーを飲んで一息吐く。
たまにはこんな自炊も悪くないなと思いつつ、俺は今日の洗濯物を抱えて洗濯機へと向かうのであった。




