野生の作者が飛び出してきた④-2
長かった第4幕もようやく終わりということで、満を持して餅餅餅がしゃしゃり出てきました。
まずは引き続き第4幕まで読了いただき、誠にありがとうございます! @かのんと共に、ここに深く御礼申し上げます。第一部としては終盤、全体としては60%くらいの進行度で、なんとも気の長いお話ではありますが、最後までお付き合いいただければ幸いでございます。
さて、4幕後編は前半と後半で温度差が非常に激しいものとなりましたので、風邪を引かれた方もおられるかもしれませんね。どうぞご自愛ください。
それでまず前半の謎解きですが、一部の設問をコナン君くらいしか解けないような鬼畜難易度にして、フルメンバーが知恵を絞ることでギリギリゴールできるように設定しました。4幕前編で仲良くなったメンバー達が、困難を前に力を合わせることでより仲を深める、そんな趣旨のパートになっています。この繋がりがあってこそ、大地君が今後様々な場面でみんなの力を借りることができ、それでようやくハッピーエンドに辿り着ける訳です。そんな昔の王道少年漫画みたいな展開が好きで、このハピスパ書いているところはありますね。
そんな前半パートの立役者は、もちろん名幹事なーこちゃんです。大量の謎解きのセッティングから司会進行まで務め、大地&夕と沙也&ヤスを応援しつつ、マメを冷たくあしらい、コッソリひなちゃんに愛を届け、シリアスシーンでは沙也ちゃんを慰めたり大地君を叱咤激励したりと……この子、働き過ぎでは? お気に入りの大地君との仲もさらに深まって、もはや完全に異性のマブダチ状態ですが、これもお互い本命が居るからこそ成り立っていると考えると、なんとも不思議な関係の二人ですね。
そうして幹事殿がセッセと働く傍ら、メインヒロインであらせられる男装未来人幼女お姉さん(弟)夕ちゅんはと言うと……「わーい謎解きたーのしー」とばかりに好き勝手遊んでいるだけでしたねぇ。それでも要所要所で、聡明で小粋なところや逆にポンコツ可愛いところも見せつけ、ちゃんと大地君の心を鷲掴みにしているので、そこはさすが正妻です。とは言え……大地君がもはや、夕ちゃんなら何しててもカワイイってレベルまで達してしまっているので、そりゃそうなるんですけどね(笑)。
また他の注目すべき点と言えば、やはりサヤヤスの絡みでしょう。少々重めな過去に囚われて人見知りな沙也ちゃんと、それを持ち前の明るさで吹き飛ばすアホヤスという、実にこの二人らしい進展の仕方だったのではないでしょうか。何をするにもややこしい大地&夕カップルとは違って、王道ラブコメっぽいことがしやすい二人なので、作者としては気軽に書けてありがたい存在ですね。
そしてそんな和やかな雰囲気から一転、後半は久々の超シリアスパートとなりました。ここまでの話で、火事のときに助けた少女はひなちゃんだろうなと、ほとんどの読者様が察していたかと思いますが……普段の朗らかな彼女がここまでの闇を抱えていたこと、そして大地君と仲良くなろうとした真の目的は、予想外だったのではないでしょうか。一方で大地君も、ここまでに夕ちゃんの愛によって立ち直り成長しましたが、こと父に関してはまだ蓋をして見ないフリをしていただけでした。
そんな二人のヘビーな過去の精算ということで……そりゃもう、書くのがメチャクチャ大変でした! 前半を掲載した後、ささっと書いて4幕を終わらせるつもりが、結局一年近くかかったくらいですからね(お待たせした方には、本当に申し訳ないです)。ただそれだけ寝かせただけあって、どうやっても明るい終わり方にはならない彼女を、それなりに救われる形にできたのではと思っております。あくまで大地君が主人公のラブコメとして見れば、いわゆる負けヒロインになってしまいましたが、彼なりの精一杯の努力のおかげで、彼女は前を向いてくれましたからね。この後のことはまぁ、恋する乙女なーこ様に頑張ってもらいましょう!
そうしたひなちゃん案件がヘビー過ぎて見逃しがちですが、大地&夕についても互いに重要な気付きがありました。これまで彼女は、良くも悪くも彼にカッコイイところを見せ過ぎてしまったので、彼の中で彼女が半ば神格化され、いわば究極の理想の女の子となっていました。それで少し負い目を感じていた彼ですが、他の子に取られないかと心配し激しく嫉妬するという、女の子としてごく当たり前の気持ちを彼女も持っていると、ようやく気付くことができました。また逆に彼女の方も、そんなカッコ悪いところも見せてもいい、それで嫌われたりガッカリされたりはしないと、彼の言葉によって気付くことができました。それらの気付きは、二人の恋愛を本当の意味で進展させたと思います。
次の第5幕は、いよいよ第1部の最終幕、ハピスパ最大のターニングポイントとなります。5幕で彼がどのような選択をし、そしてどのような結末を迎えるのか……どうぞ予想しながら公開をお待ちくださいませ。
それでは、また第5幕の後にお会いしましょう。みなさまに良い読書ライフと執筆ライフを!




