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16 マクナイアの魔法、呪文体系

(くだらんな。しかし……)

 かぶりをふると、嘆息するマクナイアだった。

 ふと、マクナイアは読み物を止めると、書架にテキストを戻した。座っていた椅子に思い切り背をもたれて、回想を始めた。

 サバクの王宮の、いつもの研究室内である。つまり自室。魔法について想いを走らせる。


…………

  …………

    …………


 マクナイアはまだ駆け出しの魔法使い、初歩の呪文しか使えない。この事実をあらためて深く認識する。


 マクナイアの使える魔法の体系は、ざっと以下の通りだ。


 ライト系、エナジーを操る。

 センス系、情報を司る。

 サイコ系、思念波動とか。

 ゾーン系、空間に作用する。


 ……。順番にまとめよう。




【ライト】

 魔法の基本のひとつで、魔力を光ないし熱に変えて、さらには投射もできる。出力などの調整で、例として以下のようなことができる。


 キャンドルとして単に明かりとして一定時間に使うライト、魔力極低(0以上~1程度)

 目くらましとして使う強烈な一瞬の閃光フラッシュ、魔力低(1~通常3は超えない)

 マッチみたいに着火に使う一瞬のファイア、魔力極低(0以上~1程度)

 ごく小さいが自在に遠くへ動かせ飛ばせ一定時間操る鬼火ウィスプ、魔力低(1~通常3は超えない)


 ざっとこのくらいが、ライトで使える魔法のあらましだ。しかし、これを単に強化すると。


 完全な攻撃魔法の火の玉、つまりファイアボルトとなる。消費魔力高(1~上限なし)

 魔力を使うほど強化、一定以上の威力を超えると、ファイアボール、ファイアウォール、ファイアウェーブ、ファイアストームなどとなる。威力も作用時間も距離も加減できる。


 

 ライトにはこれらの種類があるが、どれか一つを身につければほかのものも応用として、いずれは自然に使えるようになるものだ。

 さらには電磁波も、その周波数を限定して出力することが可能なのだが……それには次の体系の魔法が必要だ。それが。センス。




【センス】

 これは探知ないし発信の魔法だ。たとえば水面などを介して外部や内部の情報を映し出すこととか。


 センス・マジック、魔力探知。

 センス・ライフ、生命探知。

 センス・エネミー、敵意検出。

 センス・ワーター、水源探知。


 など、探知したいものの種類で、いくらでも亜種が考えられる。

 さらにパッシブ(受動)とアクティブ(能動)の選択も考慮すべきだ。この二つはいずれもメリットデメリットがあるが、それを説明するにはややこしいのでここでは控える。なぜって理系ミリヲタの世界だから。


 センスで可能なのはほかに、ビューとレコード。つまり閲覧と記録。これらも重要。21世紀現代機器の、動画の入出力のように使える。

 さらにセンスはこの亜種として、ドリームダイブやマインドダイブがある。眠っているときの夢の中、それも自分だけでなく他人の意識の中への精神の同調による侵入が可能になる。……これは前述したとおりだ。フロイト心理学などを引用するのはここでは控えるが。


 センスは発信すると、たとえば精神に効く。初歩的でも軽い眠り、ナップの効果となるし。逆用すると目覚ましにもなる。

 これらセンス系はライト系の魔法とも重なる点がある。情報の記録や通信として用いる場合、それが電磁波に類することだから。


 センス系の魔法は、消費魔力が概して少ない。(0以上~1)で大半は使える。

 しかし、センスも魔力を上げれば、いくらでも強化できる。

 その応用例はいくつもあるが、いまは基本の解説なのでそれは伏せる。




【サイコ】

 思念波で離れた物質を操る魔法で、センスと対極にある。

 いわゆる念力、遠隔操作。


 一見便利だが魔力対威力のコスパ的にはライト系に劣る。つまり、消費魔力が大きいわりに作用する力は小さい。

 たとえば、縫い針一本を宙に飛ばし、数十メートル先へ投げつけるくらいのアクションで(1~3程度)の魔力を消費する。重いものなら、あるいは遠方にかけるなら、消費魔力はいくらでも大きくなる。


 しかし使い方次第ではクリティカルな威力だ。

 使用に関し、魔法使いの発想力が問われる。




【ゾーン】

 これはざっくりいうと、オプションである。上記三つやほかの系統の魔法を、単体目標ではなく一定範囲の空間にかけてしまう魔法なのだ。


 ライトフィールド、センスフィールド、サイコフィールドなどと組み合わせでほぼ無限の種類の活用ができる。


 一例を挙げると、

 スリープフィールド。上級魔法なのに初歩で使えるサイコの上位呪文。あまりの効果の重大さから、封印された禁呪である。人間の三大欲求のひとつである睡眠に働きかけるからゆえの結果である。


 眠り呪文……これは消費魔力が少なくても効果が極めて高く。繰り返すが、過去に呪文の一部を隠され封印された。


 簡易版のナップならスクロールからの使用なら誰でも使える。ただしスリープフィールドとは違い相手は一人のみだし、ぐっすりではなく軽いうたた寝状態にするだけだ。

 スリープフィールドは封印された呪文を探し出せば自在に使えるはずだが……




 実はマクナイアには、ある意味で魔法がもうひとつあるのだ。


 それが【手技】である。21世紀、現実現代でも広く使用者は多い。

 トリック。タネやしかけで演じるいわゆる手品、マジック。心理戦も含む。あくまで駆け引きのテクニック。


 使用するのに魔力は消費しない。というより魔力がなくても使える。

 必要なのは主に機知、ウィットか。数学をはじめ各種の能力が関わる。スポーツや娯楽ゲームも例外ではない。


 これらを上手く活用すれば、他人との交流にも役立つ。異性にも好まれるだろう。恋愛の切り札として。って……いまのところまだお子様なマクナイアには、遠い話だが。


…………

  …………

    …………


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