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異世界でチートでは無く物欲センサーが付属しました  作者: 狼絕
1章 『星々の願い』
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6 『進むか』

 「っ……無理に決まってるじゃん……」


 頭痛がした。思わず呻くと、セレナが不思議そうな声をだした。


 「なん、で、予備知識なしでここに挑んだんですか……。ギルドの依頼のランクは、Cから、B、です」


 「ッ……」


 それもシグレに任せていた。頭を抱えると、そこでふと、違和感が生まれた。

 何の違和感だろうか? おかしい、絶対におかしい__。

 でも、それを掴むことが出来ない。掴みかけたそれは宙を舞い、届かない所まで行ってしまった。


 「…………頑張るしか、無いか……」


 なんで私がこの魔物に襲われないのか、全く分からない。シグレが何がしたいのかも、分からない。

 でも、まあ今は、やるしかないのだ。このままのこのこ帰る事は出来ない。借金が増える。


 そして私は、シグレの言っていた目的を思い出す。


 「そうだ、移動手段? の確保……」


 私は何とはなしに前でじゃれついている『天狼』を撫でながら、移動しようと身動ぎをした。


 魔物に下手に刺激はしたくなかったが、喋ってる間もずっと同じように動くもんだから、動いてみるしかない。


 蛇が、やっとか、みたいな目付きでこちらを睨みながら、寄り添ってくる。あれ、これってもしかして、ついてくる系?

 ただ、その瞳に映るものは友好的かと言われれば、そうでも無い。複雑に感情が入り交じり過ぎて、私には分からなかったが、少なくとも攻撃はしてこないのだけは分かる。


 「あのさ、天狼? って、どんな魔物なの?」


 「これで成体なのです。小さくて子供っぽいので、分かりにくいですが。あの、そっと忍び寄って一気に数匹で貪り食う、群れの生き物なのです」


 「怖っ……」


 可愛い見た目をして随分と残酷なものだ。


 何をすればいいのかは分からないが、行けばわかると言っていた。とりあえず進もう。


 ムカデも、狼も、蛇も、全部全部今はどうしようも無い。

更新も文量も忙しくて安定しない……。

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