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完全に理解したわ(してない)


 簡潔に言おう。

 例の月神に関する記述はサッパリだった。

 名前は分かるんだけど、書物によって表記がズレてるっていうか。女神の真名の方が、ハッキリしてるのとは大分違う。

 統一性あってブレないのって良い事なんだと痛感したわ。


 えーと? 手元にある文献だけで


 ナイアーラトテップ

 ナイアーラソテップ

 ナイアルラトホテップ

 ニャルラトテップ

 ニャルラトホテプ


 ……統一しろ!!!!!

 ゴチャゴチャしててコッチが困るのよ!

 こういうのって、誤字とか聞き間違えとか、些細なミスから派生していくのよ。


 正直、よろしくないわ……信仰するべき神の名が、ハッキリ統一されてないって駄目じゃないの。

 取り合えず……私の出身『セレス王国』で使われてる公用語『セレスティア語』で発音しやすそうなのは『ニャルラトホテプ』、ね。

 どうせ私しか信仰しないんだし。呼びやすい方でいいでしょう。


 で、問題はこのニャルラトホテプそのもの。


 簡単に説明すると、遠い次元の向こうにはニャルラトホテプを含めた多くの神がいる別世界的なものがある。

 今は眠りについてる?封印されてる?神々がいつ目覚めるか分からない状況下。

 向こうの世界の人々は、神々の存在を知ることなく生活している。


 ……なんて。

 私からすれば想像できない世界ね。

 こっちだと、女神という一神教の宗教観が絶対。

 大昔には少数派の別宗教もあったけど、弾圧されて、何も残っていない。


 その弾圧から逃れたらしい、この文献によるとニャルラトホテプの役割は――分からない。


 色々記述はあるのよ?

 眠りについてる神々と違って、こいつは普通に人間と接触してくる。神なのに。

 神々を復活させるなら、コイツが復活させればいいのにしない。

 コイツは他の神々と人間を繋げる仲介役。だから、他の神の信仰者も次いでに信仰する。

 だったら、割と信仰されてそうじゃない?


 なのに!


 どこにも!!


 ニャルラトホテプがどう言う神なのか記されてない!


 おかしいでしょ!

 だって、つまりアレよ? 

 経歴不明の仲介業者相手に商談する様なもんじゃないの?? 馬鹿でしょ? 怪しいにも程あるし、普通は躊躇するわよ! どういう根拠あって、コイツに頼るのよ?!


 神話における立ち位置は良いから、具体的な詳細情報をよこしなさいよ!

 下手したら月神ですらないんじゃ……

 と諦めかけてたら、コイツを崇拝してる種族の情報があった。

 それで全て理解した。


 ニャルラトホテプを崇拝してる種族・ムーンビーストは、ドリームランド?の月に住んでいる。

 ムーンビーストは残虐で拷問を好むんだとか。


 これだわ……

 きっと、ムーンビーストの教訓?信仰?を基に、此処でも同じ崇拝行為がされてたって事。

 まだ、文献を断片的しか読み取れてないから、ドリームランドってどういう場所か分からないけどーー


 月にいる種族が崇拝してる神なんだから!!!


 ニャルラトホテプは月神!!


 はい、証明終了!


 ……いいのかしら。

 てか、これ以上、どう説明する事も、確信できそうな情報もないって言うか。

 結局、教本が見つからなかったのよ。

 ヤバイ事が記せえてそうな本はなくって、あとは他の神々に関するものだけ。


 ………自分で、考えるしかない?


 自分で教訓とか諸々作るなんて、本末転倒な気がするけど。

 でも、このままだと。あんまりよね?


 そうね。例えばーー自然日。

 女神教で挙げられてる自然界を構成する七つの属性を当てはめている七つの日。

 月、火、水、木、金、土、日。

 その中でも『日』は休息日として扱われてるわ。

 日は太陽神の女神の象徴でもあるから。


 安直だけど、月の時を休息日にしよう。

 生贄は……

 女神教は農作物が収穫できる秋頃に収める決まりだけど。

 肉頼りになる冬に収めるとか。


 ああ、ううん。駄目ね。

 大本山?のムーンビーストの生贄頻度が不明だし定期的に捧げるとか。月一くらいで。捧げるのは血通ったものだけ。

 ……きっと、こういうノリで宗教の決まりって作っていくもんなんでしょうね。


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