サルの里⑩
アキセの背後にラブドが拳を構えていた。
ラブドが拳を振るう。
アキセが指飾りで瞬時に引き、光の壁を作る。
ラブドは拳を光の壁にぶつける。
光の壁が割れ、その風圧で壁まで飛ばされた。
直撃はなかったが、これはこれで衝撃は来る。
額に何が感じる。
触ったような感覚で、何か吸い取られたような感覚だった。
この感覚は知っている。
アキセが魔力を使っているということ。
気がつけば、体が人の姿に戻っていた。
「これで許して」とへらへらするアキセ。
――もとわと言えば、おまえがサルに変身さでたことでここまで状況を悪化した。
最初から聖女でこの里に来れば、もっと早く終わっていたのに。
今までのイラつきが込み上げ、アキセの顔を掴み、投げ飛ばした。
魔女に当たればよかったが、アキセが消え、思惑通りにはいかなかった。
けど。
やっと聖女の姿に戻った。
思う存分、今までのストレスを魔女にぶつけられる。
「よくもやりやがったな!こぉらああああああああああああああああ!」
溜まっていた鬱憤を吐き出したように怒鳴った。
飛ばしたラブドは、態勢を立て直し、足を地面につけながらも、地面を削りながら勢いを殺す。
顔を上げたラブドは狂気の殺意になった目になった
「聖女だ聖女だ聖女だ!やるぞ~!」
ラブドはウキウキに声を上げる。
「おいで!カミチギリ!クイチギリ!」
建物からカミチギリとクイチギリが飛び出す。
「よっしゃー」
「まてまて~」
ラブドの元へとまっすぐに飛ぶ。
確実に悪い方向になる。
使い魔の動向を止めようとするが、背後から殺意。
振り向けば、大ザルたちが向かってきた。
相手する暇がない。
ドタバタゴーン
瞬時に倒れていく大ザルたち。
目の前にはいつの間にかサスケと先代が立っていた。
目に見えない速さで大ザルたちを倒したようだ。
「ほお。可愛いじゃねえか」とじろっと見つめる先代に、「セクハラになるぞ」と冷めた目でサスケは言う。
助かったが、今はそれところではない。
カブ。
噛みついた音。
振り向けば、ラブドの腕に使い魔たちが噛みついていた。
使い魔の口から赤い血が溢れ、ラブドの体を包み込む。
ジャンヌは白い炎を飛ばす。
包んだ血が弾き、白い炎を吹き飛ばす。
白い炎が蒸発していく。
白い炎が晴れた時には、ラブドの姿が変わっていた。
少女の体が大きくなり、筋肉質な体。手は犬の頭の籠手。
――それが本性か
ジャンヌはロザリオを大きく振り、白い炎の結晶を無数に飛ばす。
サスケと先代は、回転する風の刃を手に投げ飛ばす。
ラブドは拳を振り、白い炎の結晶を崩す。腕を大きく振り、風の刃を払う。
「邪魔するんじゃねえぞ。ブルううううううううううううううノおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ラブドが従者の名を吠える。
建物から巨大な手が迫ってくる。
巨大な手から離れるも、目の前にラブドが犬の頭の籠手を構えていた。
犬の頭の籠手が顔に迫る。
手を交差し、白い炎を噴射する。
白い炎はラブドを包み込み、その衝撃で背後に跳ぶ。
直撃は免れた。
すぐにラブドと距離が詰められ、拳を次々に振ってくる。
ロザリオを使いながら、拳を避けていく。
「こっちは任せろ!」とサスケの声がした。
ラブドはブルーノに命令した。
聖女であるジャンヌとの戦闘を邪魔されたくないからだ。
ブルーノのことはサスケと先代に任せて、ラブドを殺さなくては。
ここで戦っては、里が壊れる。
ラブドを里から離れるために走り出す。
「待て!」
ラブドも走ってきた。




