高嗤の魔女⑥
ドタバタドタバタ。
「これはすぐに収まりませんね」とジョーカーが眺めて言う。
「止めたりとかしないのですか」
「今、読者が読んでいるので、止めるわけには」
「そうなんですか・・・」
「むう!」
エミがユビワに抱き着きながらも頬を膨らませる。
魔女なら聖女であるジャンヌを敵対している。だから手下を使ってまでジャンヌを殺害しようとした。
本当に一緒にいたいだけなのかな。
もしそれなら、なれるかもしれない。
でも、このままでは収まらないので。
立ち上がる。
「おや?」
手にコルンの発明品のツッコミハンマーを召喚する。
「そこまでですううううううううううううううううううううう」
思いっきり叩きつける。
ドーン。
外まで追い出された。
魔女の手下もあちこちに投げ飛ばされていた。
一瞬何か起きたのか分からなかった。
魔女の手下までもぽかーんとしている。
屋敷の方に向けば、ユビワがむっとしていた。
「ユビワ・・・」
「すみません。収まる気配がなかったもので」
「派手に行きましたね」とジョーカーは後ろから来る。
「あの・・・来てくださってありがとうございます。ジャンヌさん・・・少しエミさんとお話してもよろしいですか」
「それは・・・」
「まあまあ」とジョーカーがいつの間にか横にいた。
ユビワの視線が部屋の隅で顔を出していたエミに向いていた。
「エミさん」とユビワはエミの元へと行く。
「ごめんなさい・・・ジャンヌさんを攻撃しないでください。ジャンヌさんは聖女ですが、話をすれば、分かってくれます。私が信頼できる方です。エミさんは私と一緒にいたかったんですよね。あんな形でここに来ることになりましたけど、今度は事前に連絡とかしてください。私。エミさんとまだお話したいです。お菓子とか食べたいです。ですから・・・」
ユビワの言葉が途切れた。
何かが痛む。
腹が痛い。
ユビワは腹に視線を向けると、
刃物が刺さっていた。
「え・・・」
――何か起きたの。
「あ・・・ハハハハハ!」
エミが口を大きく上げて、笑い上げる。体が徐々に少女から女性へと変わっていく。
「ドッキリ~大成功~!」




