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魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇  作者: 白崎詩葉


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高嗤の魔女①

「やっと着いた・・・」

 疲れ切ったジャンヌは、3日ぶりに町に着いた。

 まともに寝ていない。

 まともに食事をとっていなかった。

 ノルマを達成するためにもここは休息を得ることにした。

 宿に着く前に、人混みがあった。それは鼻を黒くした男と少年が芸をしていたからだった。

 大きいコマが回っている中で少年が右足一本で立っていた。

「おお!」と観客は拍手する。

「これでは、黒鼻親子による最後の芸をお見せしましょう!私、クロオがこの2個のコマを息子であるクロスケの手に回してみましょう!」

「いいよ。パパ!」

 クロオは、「よ!」と手に巻いてあるコマを1個投げる。

「はい!」とクロスケは左手でコマを器用に受け止める。

「もう1個!」

 さらにクロオはコマを投げる。

「うわわわ!」と右手でクロスケが慌てて受け取るが。

「は~い!」

コマを乗せた手を伸ばし、左足を伸ばし、右足でバランスよくコマの上でボーズを決める。

 観客は拍手が響く。

 拍手するほどではないが、芸をしていることで思い出した。

 ジョーカーのことを。

 げいのうの魔女ニカナ・アグレ・クラウディアの従者であるエンターテイナーの一人。しかもスリラーサーカスのクラウンズだった。

 スリラーサーカスから脱出するまで協力していた。

 だか、その後を全く見ていない。

 いろいろとあったから考えていなかった。

――あいつ。どこ行った!

 どうしよう。一応助けてくれたようだし、協力はしていたようだし。次に会った時にどうしようか。

「ジャンヌさん?」

 声をかけられた。しかもとても聞いたことのある女の子の声。

 振り向けば、人の姿となったユビワがいた。

「ユビワちゃん!」

 しかも、薄い桃色の長い袖に胸まで長く赤い裾。胸に紐が止めていた服装だった。

「どうしてここに・・・」

「ジャンヌもこちらにいらっしゃったんですね」

 男の声。

 それは、黒髪、黒目。顔を整い、背の高い和服の男だった。

「誰?」

「え~と・・・ジョーカーさんです・・・」

 ボっ!

 ジャンヌは白い炎を手に出す。

「待って!待ってください!」とユビワが必死に声を上げる。



「つまり。途方に暮れていたとこにそこの放置ピエロに見ていたってわけね」

 人気のない小道に入り、ユビワが説明してくれた。

「ジョーカーですよ。お忘れですか」

「そうだったね。責任放置ジョーカー!」

「いや~あの後は、助けようとしましたよ。でも団長から連絡したので、優先に」

「そうよね~魔女の手下だったね~」

 いくら協力したからって魔女の従者であることには変わりがない。聖女の敵で同然魔女に優先する。

 だとしたら。

「魔女を優先したいならどうして来たのよ」

「共演以外にもありますよ。私は団長のためにしているので」

 ジョーカーはにやっと笑う。

「もういいわ。で、何・・・素顔?」

「これは違いますよ。ピエロは素顔を見せないものですよ」

「え?」

「変装しているんですよ。仕事以外では目立つので」

 そこまで素顔を見せたくないのか。

「そう。で、ユビワちゃんはどういう経緯でこいつと会ったのよ」

 ユビワに視線を向く。

「え~と・・・」



――言えない。

 リリス一家と団欒でジャンヌさんの様子を見ていたなんて言えない。



「う・・・」と汗が飛ばしているほどにユビワが困っているようだ。

 そんなに言えないことだろうか。触れていいのか。

「どうにか人に変身できたので、逃げた先で会いました・・・」

「そう・・・」

――なんかこれ以上聞かないことにした。

「そういえば、もう一人忘れてませんか」とジョーカーは分からないことを言うので、「「何が」」とユビワと一緒に返す。

「結構嫌われているんですね」

――分かり切っているが、忘れたいので。

「それにしても」とユビワとジョーカーを交互に見る。

「面倒見てくれるほどそんなに仲よかった?」

「それは・・・」とユビワは視線を逸らす。

「少し相談したのもので」

「そうなの・・・」

――私に言えないこと。

 まあ、誰にも話せないことはあるけど。

 でも、私の時よりも早く親密になっている。

 なんか悔しい。

「どうしましたか?」

 ジョーカーがまたにやっと笑う。

 分かり切ったような顔で少し腹が立つ。

「まあ、前回は最後まで共演できなかったことには申し訳ございません」

「罪悪感はあるんだ」

「ですので」


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